巷では「カモノハシ」と言われている新幹線、700系です。JR東海と西日本の共同開発と言われていますが、 実態は東海の単独開発に近いようなものでしょうねぇ・・。最高速度285km/hなどの性能云々でJR西日本と揉めたという話も。最高速度270km/h(当時)の東海道新幹線と、300km/hの山陽新幹線との間の妥協点と言えば、そんなウワサも流れるわけで・・。今回は前期に製造されたJR東海のC編成を取り上げます。現在、300系置き換え用としてJR西日本に移籍した編成が一部存在します。
運用はひかりが主体ですが、臨時運用などでこのようにのぞみに使用される場合もあります。
デッキ部、ドアです。新幹線車両としては「やはり」というべき窓の小ささです。
一部は飲料系のみとなっています。存在に気付く人はいかほどいらっしゃるのでしょうか・・。
トイレです。換気用なのか、鎧窓があります。ちなみに二箇所の設置で、片側は和式、もう片方が洋式となっています。和式便器を持つ新幹線も700系が最後となるのでしょうか。
洗面台です。2台設置となっており、長距離列車らしい備えとなっています。
通路とはカーテンで区切られるようになっています。また髭剃りなどの使用を考慮してか、コンセントもあります。車内にコンセントが存在しないC編成、携帯充電難民がここで充電するというシュールかつ迷惑な光景を目にしました(苦笑)
自動販売機です。販売物は水と静岡茶なのですが、静岡茶に関しては完売していました(単に入れてないだけ?)。現在では自動販売機の営業は終了しています。
車椅子対応ドアです。幅がやや広めに取られています。
そして洗面台。こちらは1台です。車椅子の方がなるべく近付けられるよう、洗面台下の空間が広く取られています。
バリアフリー車両からグリーン車に通じる通路は様々な機能が集約されており、ある意味「関門」のようになっています。トワイライトエクスプレスの3号車、4号車のように、上級車両と中級車両の間には、多かれ少なかれこのような暗黙の関所が見られます。
壁には富士山など、日本の美しい風景が飾られています。機能本位の新幹線にしてこのような場所が少しあると、なんとなく心が落ち着く感じがするのは多分僕だけです。
向かいには自販機が2台あります。右側は700系グッズを扱う自販機なのですが、見事に休止中となっており、電気も落とされています。主力がN700系になった今、世の流れなのでしょうか・・。
で、現在のそのスペースです。何だか一気に殺風景な印象となってしまいました。
自動販売機が撤去され、東海道新幹線区間での無線ランの端末が置かれています。時代の流れに即しているとはいえ、従来のサービスがなくなってしまうのは何だか少し寂しいですね。
で、反対側の広告枠は、かつての風景写真から本当に広告となっています。
そして、いつの時代になっても必ず設置されている、公衆電話。この時はまだ騒音も大きかったので個室で区別しています。今やN700では何食わぬ顔してドア横にデーンと鎮座していますからね・・。
で、内部。公衆電話本体とテレホンカード発行機が備わります。
普通車車内です。2+3列で座席が並ぶのは新幹線ではお馴染みですね。
深キョンが眩しいデッキ仕切り部です(^^;; 座席配置にあわせて仕切り扉は寄せてあります。そしてLED表示機があります。
そしてバリアフリー対応車両のデッキ仕切りです。仕切り扉が中央に配置され、幅も広くなっています。
天井です。直接照明で、フラッシュを焚いたため電球色が強いですが、実際はもっと蛍光色です。空調は荷棚下から吹出します。
山側の2人掛け座席です。安定の回転リクライニングシートです。シートバックテーブルの大きさやリクライニング角度はまずまずのものです。座り心地は硬めですが、極端にイヤらしい硬さではなく、長距離利用に配慮した硬さとも言えるでしょう。新幹線は軽量化が命。座席も軽量化が図られているようで、全体的にかなり薄っぺらです。背ズリや肘掛を見てもらえば、その薄さが分かるかと。
海側の3人掛けです。「大量輸送」、「混雑が酷いから座れればよい」という思想の元行き着く先がこの3人掛けなのでしょうね。長期休暇中をはじめ、朝夕のぞみの自由席ともなると立ち席も出てくるほどの混雑振りなので、「座れればよい」というのもあながち間違いではないのは確かです。
そして後期車の座席です。
変更点は肩部分にグリップが付いたこと。回転の際や立ち席時にもつかまれる部分があるのはよいことです。
続いて3人掛けです。
中間車のシートピッチ1040mmはこの3人掛け席を回転させるためのピッチで、副産物として広々とした足元が付いて来る格好となっています。本当に詰め込みを考慮すれば、製造段階で2人掛け席を910mmで配置してそうな気もします。清掃面やら指定席発券面などでかなり効率が悪くなりそうな気もしますが・・。それはさておき、B席はやはり人気が無いということで、両端と比べて多少横幅が広く取られています。
車椅子対応座席部分は2+2配置となっており、肘掛も少々頑丈になっています。
デッキ仕切り部は折りたたみテーブルとなっています。先述の通り、オフィスシートはJR西日本所属のB編成投入後に登場したので、それ以前の初期車に関しては、追加改造されるわけでもなく現状維持となっています。
で、B編成登場後に増備された後期車ではテーブルが大型化されています。
そしてコンセントもあるのですが、一箇所のみの設置となっています。なぜ3列分付けなったのかは今となっては謎ですが、設置位置からすると窓側か中央席のものとなりますでしょう。乗降などの通り抜けをする際にコンセントを抜くなりPCを動かす余計な動作を一番しなくてよい、かつどっちに使わせるかをぼやけさせるために一番よい設置位置だとは思いますが、デッキ仕切り際で一番不利益を被るのは実は通路側のような気がします。脚のやり場ひとつで仕切り扉が開いてしまうのは中々のストレスと思われ、差別化のプライオリティも通路側にあってもいいのではないでしょうか?
続いてグリーン車です。2+2配置で座席が並びます。画像は喫煙車ですので、荷棚に空気清浄機がのっかっています。
デッキ仕切りです。仕切り扉が中央に配置されていることと、広告枠が電照式となっている違いがあります。
天井です。半間接照明で、普通車よりも強い電球色となっており、明らかな格差が見て取れます。
毛布が数名分置かれています。袋に入っているのですが・・。持ち帰り自由(そんなわけない)?
座席です。付帯設備はインアームテーブル、シートバックテーブル、フットレストと、グリーン車として必要十分の設備です。フットレストは土足/土足禁止面となっています。手前の座席が土足禁止面を広げた図なのですが、座席手前側がこれ以上下がりません。足を載せれば下りる仕組みなのですが、足を奥に置きたい場合は跳ね上がった部分がふくらはぎに当たった状態となり、少し鬱陶しく感じます。
後期車の座席には、回転時の機能性を考えたのか手すりが追加されています。この座席、座り心地としてはさすが日本を代表する大動脈のグリーン車だけあって、長時間乗車していても疲労感は少なく、流石であると思う一方、こちらも軽量化されているのか、それともメンテが追いついていないのか、誰かが横や前に座る度にグラッと揺れるのがグリーンとしては頂けません。そして、西日本所属のB編成やN700系を見ていると、この縞模様のモケットは、グリーン車にふさわしいかと言われれば少し「?」な気もします。それは普段、普通列車や、特急でも普通車を利用する身からの高望みなのかもしれませんが・・。
C編成の喫煙車はセンターアームレストに2つ設置されています。元々はオーディオサービスもあったようですが、ウォークマンや携帯機器の充実により廃止されています。センターアームレストにその名残が・・。モケット丸ごと張り替えるということはしていないようです。そこまでやっていたら満点です(笑)
デッキ仕切り部は引き出し式の大型テーブルになっています。ですが、相変わらずコンセントはありません。このまま廃車まで通すつもりなのでしょう・・。
後継車両の登場により、いよいよカウントダウンが迫ってきた感じにもなりました。2019年度末まで、無事に走り抜けて欲しいと思います。