神宝線昇圧の際に1500V専用車として登場した5000系です。神戸線では最後のツーハンドル車となってしまいました。現在全ての編成がリニューアル工事を受けていて、前照灯が角型のHID灯になり、肩部分にアイボリー塗装がされ、8000系に近いものになりました。リニューアル前には増結用として2000系列を組み込んでいましたが、余剰となっていた5100系を5000系に組み込むことによりリプレースしています。おかげで断面が異なっており編成美をビミョ―に崩しています(笑) ほんとにわずかな差なんですけどね…。
8000系と並びました。ガラスが種車のままですので何かアンバランスな感じもあります。しかしまさかツーハンドル車にもアイボリー塗装がされるとは…。7年間に渡ってリニューアルされたので、編成により細かな差異があります。
こちらは最初に改造された5010Fと8000系8008Fとの並び。車番が中央のままになっています。
近年、全編成の前照灯がシールドビームからLED灯に交換されました。運用は日中は主に本線の普通として運用されていますが、ラッシュ時には特急や準急にも入り、今津北線にも入線します。しかしこの画像はとある土曜日の夜に撮影したもの。まさかのラッシュ時以外にツーハンドル特急カムバックです。
車内です。画像は5010Fの車内です。かつての阪急電車にはないメリハリのある色使いに仕上がりました。
ドアです。窓が下方に引き伸ばされ、小さなお子様にも優しいものになりました。そして日焼け対策として濃い木目調の化粧板になっています。そしてドア右上にはLED表示機も設置されました。8040形や8200系などのLEDはドア上で大型のものでしたが、5000系では小型化されています。やはり少し見にくいですよね。今やLED表示機は小型化する時代なのでしょうか。というよりLCDの時代ですね(^^;;
天井です。かつてローリーファンが設置されていたところにはラインデリアに交換されました。また色調もブロンズとなり高級感を持たせています。荷棚も不透明のプラスチック製になりました。5010Fでは先端部分は傾斜した板になっています。
こちらは5006Fの天井です。ラインデリアが無くなりすっきりした天井になりました。5008F以降の荷棚は先端が握り棒になっています。
ドア付近はこのように従来の吹き出し口に小さなラインデリアを仕込んでいます。羽が外側に広がっている様子が分ると思います。かつて存在した阪急初の冷房車、5200系の吹き出し口もラインデリアこそ仕込まれていませんでしたが、このような形状になっていたようですね。
車端部です。こちらも5010Fのものです。妻面がやはり日焼け対策として濃い化粧板となっていますが、貫通扉のみが側面の化粧板と同じものになっていました。少し浮いていますね(^^;; 現在、この扉の化粧板は交換されましたので見ることは出来ません。
車椅子スペースと優先座席を有する車端部です。画像は現時点での優先座席です。いずれモケットが交換されることでしょう。
そして最前面。前面の貫通扉の窓が下方に引き伸ばされたり、乗務員室との仕切り扉が幅広なものになっているので、中央からの前面展望はなかなかのものです。
こちらは5008F以降のものです。扉部分も妻面に合わせて濃い化粧板に変更されました。
窓です。8000系同様、中央の窓が固定式で、両端が自動開閉装置つきの窓になっています。窓の開閉スイッチも増設されました。アルミ鎧戸を使用していた日よけは引き降ろし式のフリーストップカーテンとなりました。上部が薄く作られていて、立っている人からも外の景色がある程度見えるようにとの配慮が見えます。ですが薄くすると直射日光はそのまま入って来易くなるわけで…。一部編成では従来鎧戸日よけのスペースを有効活用すべく引き上げ式になっている編成も存在します。
座席です。リニューアルと同時に8000系と同じものとなりましたが、7人掛けのままとなっていること、座席下ヒーターの角が丸みを帯びていないものであったりとリニューアル前の面影を少しだけ残しています。また5000Fと5002Fの袖仕切りは上部のパイプが外側へ曲がったものになっていて、肘掛けとしての機能の向上と、立ち席との分離を図っています。
編成中2箇所存在する車椅子スペース。横には3人掛けの座席があります。スペースのみの提供で、それ以外の設備は手すりのみになっています。
さて、リニューアル前の5000系では全編成の中間に運転台が存在していました。リニューアルする際に全車8両固定編成化のため運転台が撤去され、多くの編成は中間車改造されました。しかし、5010Fと5008Fでは三面体を残したままになっています。
こちらが元運転台部分です。明らかに異様な雰囲気が漂っています(^^;; 改造の際に壁は残されましたが、乗務員室との仕切り扉や貫通扉などは撤去されたために走行音は筒抜けとなっています・・。リニューアルがもう少し早ければ、確実に座席は設置されていませんね(笑)
天井です。線路方向と枕木方向3箇所に蛍光灯が増設されました。荷棚は連続化されています。
窓です。・・あ、5010Fの荷棚は連続化されていませんね(^^;; かつての出入り口のドアのサイズとなっていて、開くようになっています。
座席です。こちらは5010Fのものです。なんと三面体に合わせて座面が台形になっています(^^;; 壁になっている部分にはモケットが貼られています。他車では存在しないだけに、なぜ貼られているのかが気になります。
こちらは5008Fの座席。やはり形状の違う部品を扱うのはよろしくないと考えたのか、肘掛を設置して座面は通常の2人掛けのものに戻りました。
製造から45年、リニューアルから早い車両では既に10年を経過しました。1000系の置き換え対象は3000系ですので、いましばらくは活躍が約束されそうです。
※阪急さんの公式ツイッターに目を通された記念で少し手直ししました。