「スーパー雷鳥サンダーバード」として鮮烈なデビューを果たした681系の後継系列として、また485系で残っていた列車の置き換え用として登場したのが683系です。その中でも初期に「サンダーバード」用に導入された0番台、「しらさぎ」用に導入された2000番台を紹介しましょう。1000番台が欠番となっているのは、681系で本来900番台であってもおかしく無いプロトタイプ編成が1000番台となっている関係かと思われます。681系が非貫通先頭車では流線形状を採用しながらも4灯のライトがつぶらな大人しい印象をかもし出していたのですが、683系ではライトケースを繋げた吊り目の形状とし、連結器カバーの形状も変わったためかなりイカつい印象を持ちます。カッコいいとは思いますけどね。
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側面には充当列車のロゴイラストが描かれています。こちらは0番台、「サンダーバード」用のものです。
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こちらは2000番台、「しらさぎ」用のものです。2000番台は「サンダーバード」用0番台と区別するため、青帯の下にオレンジの帯を追加していました。JR東海管内へ乗り入れる関係上でしょうか? ですが2015年3月のダイヤ改正で「しらさぎ」運用はそれまで「サンダーバード」や「はくたか」で活躍していた先輩の681系に置き換えとなり、683系2000番台での運用は消滅しています。何でも、2000番台は「くろしお」系統の381系置き換え用として紀勢本線へと活躍の場を移すようで。アルミ車体ならではの選択だったのでしょうね。ですが振り子非搭載車両での置き換え、どう考えてもスピード面ではサービスダウンですよねぇ(低重心構造により本則+15km/h程で走れるとは言え・・)。まぁ最近では振り子非搭載の287系を導入したり、振り子搭載の283系でも分割併合実施により所要時間が増加しているところを見ると、「くろしお」系統はスピード面では完全に諦めたと言ってもいいんでしょうね。
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普通車車内です。画像は座席がグレー系統のものです。
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こちらはサーモンピンク系統の座席。車両によって座席色を変えるセンスはこの頃までは健在だったのですね。
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デッキ仕切りです。仕切り扉は自動扉で、窓が細長いものを使用しています。上部にはLED表示機が設置されています。
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天井です。間接照明となっており、夜間は電球色の優しい光で包まれます。こういうのって、JR西日本のお家芸的なところがあるんですよねぇ。
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681系では関西に本社を置く会社が造る特急用車両としての伝統を重んじたのか窓上に照明があったのですが、683系ではそれが無くなり、荷棚下に読書灯を設置しています。間接照明による薄暗さをこれで解消しています。
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座席です。フリーストップ式のリクライニングシートで、付帯設備は681系に引き続きシートバックテーブル・サイドアームテーブルの2種類を装備しており、ボックス配置時にテーブルが無くなる事態を回避しています。681系と比べるとかなり薄く、更に切り立った形状になったな、と思いましたが、見た目ほど座り心地は悪くなく、程よいクッション性が期待できる座席であると思います。この座席、キハ187系にも導入され、381系「やくも」仕様車や智頭急行HOT7000系にも多少のマイナーチェンジが施されながら採用された親戚筋が多い座席へと成長しています(今の標準座席は新形状のものに変わりましたけどね)。また681系時代は組み付け上の関係か、窓際席に関しては窓枠の出っ張りが肘に当たると言う欠点を抱えていたのですが、683系ではしっかりと修正されており、アームレストに不快感なく肘を置くことが出来ます。
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「しらさぎ」系統で使用された2000番台では、デッキ仕切り際のテーブルは大型化の上コンセントが設置された「オフィスシート」区画となっています。700系 7000番台ひかりレールスター仕様車でお目見えしたこの装備、今でこそJR東日本の新系列特急用車両では普通車も含めて全席にコンセントが設置されていますが、当時としては画期的な装備でした。ちなみに、0番台では2000番台と同時期に製造された一部の編成を除いてオフィスシート仕様のテーブルとなっていません。ここが時代の狭間となっていそうです。
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こちらがその座席。1人掛けとなっており、窓側には非常ボタンも備わります。
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全展開の図。この座席、通路側を向いて固定することも出来るのですが、その回転機構のためか、微妙に窓側から離して設置されています。となると、後部の2人掛け席からしたら、「シートバックテーブルはどちらのもの?」という問題も発生してきます。いや、サイドアームテーブルがあっても、やっぱりシートバックテーブルの方が面積は広いし使い勝手はいいですし・・。
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先頭車同士の連結部。斜めに通り抜けるような構造になっていますね。面白いのはトップスピードでトンネルに突入した時。幌がびっくりするくらい内側に湾曲します(笑)
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天井です。普通車と大きくは変わりません。というより、普通車の天井のレベルがグリーン車に比肩すると言った方が適切かもしれません。
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読書灯も設置されています。普通車との違いと言えば、ライト自体が可動式となったことでしょうか。
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窓です。柱の荷棚下には飾り照明があります。雰囲気ありますねぇ。
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座席です。大型の座席は重厚そのもの、僕の安物のカメラでは座席を全て写しきれません(苦笑) 付帯設備は土足/土足禁止両面を備えたフットレストと、2面構造のインアームテーブルです。元々インアームテーブルは1面のみで、後述する2000番台登場後に現在の2面式に交換されたのではないかと思われます。いやそれにしても、グリーンにしてちっちゃいテーブルポッキリってのも寂しいものがありますが・・。
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こちらは1人掛けです。
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全展開の図。681系のグリーン席は見た目にもメカニカルで作り込んでいる印象に加え乗り心地も「如何にも」と言ったものでした。それと比べてかなり見た目は素っ気無くなったなぁと思っていたのですが、座り心地はソファを意識した柔らかさを感じながらも座面・背ズリ共にしっかりと落ち着くポイントを抑えています。リクライニング角度はグリーン車にしては浅めながら、先述の可動式ピローもあいまって快適に過ごすことが出来る逸品であると言えます。
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続いて「しらさぎ」系統で使用されていた2000番台です。
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座席を見てみましょう。0番台と比べてみると、センターアームレストのクッションを中央で分割することで占有面積を明確化したこと、収納式のドリンクホルダーを追加したことがあげられます。これも700系7000番台の指定席車、サルーンシートで搭載されたギミックですが、そこはグリーンとしての意地でしょうか、サルーンシートにはなかった受け皿が存在し、開口面積を狭くし、ペットボトルなどが遊ばないようにしています。
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1人掛けもこのとおり。
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デッキ仕切り際の座席に関しては、コンセントのユニットのみが設置されています。しかし、こうまで車内設備が違うとなると、多少急がない人であれば米原で新幹線or新快速に乗り換えてでも「しらさぎ」を使いたいと思う人もいたでしょうね。
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デッキにあるグリーン利用者専用の通話スペース。かつては喫煙スペースでしたが、列車全面禁煙化により今の使い方に落ち着いています。