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Channel: 車内観察日記
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阪神7890形・7990形

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尼崎と西宮を隔てる武庫川のほとりを走る武庫川線。ここに、西大阪線のなんば延伸の夢を繋いだ車両がいます。7890・7990形で、1974~1979年の間に4両×3本が製造された3801形・3901形がそのルーツです。その後の延伸計画が一時凍結になったことを受けて3901Fは余剰廃車、残る2編成8両は改造と組成変更が行われ、本線急行系種別に充当する8701形・8801形・8901形の6両と、武庫川線用としてこの7890形と7990形が登場しました。その後に西大阪線延伸計画が実現して阪神なんば線化しましたが、かくして前者はその阪神なんば線開業と近鉄直通用の1000系導入により廃車、しかしながらこの系列に関しては未だに現役です。

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武庫川団地方が7890形、武庫川方が7880形となっています。阪神の「形」を名乗る形式としては唯一0から始まっています。運転台部分を拡大した車両が7990形の種車となっていることから、同形式ながら両車の全長が異なっています。そう言えば、転落防止幌が本線系統の車両と比べると簡易になってますね。それと、3001形から始まったこの赤胴車塗装、本線系統では8000系のリニューアル完了により姿を消しましたが、各駅停車のみの武庫川線にてその姿を留めています。

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車内です。今でも昭和の阪神電車の面影を忍ぶことが出来る構成となっている一方で、化粧板がアイスグリーンからホワイトになっているため、本線で走るジェットカーこと5000系列と比べると幾分印象が異なっています。

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ドアです。ここはオリジナルの塗りドアではなく、8000系リニューアルにより発生したドアに交換されています。その他変わった点として、両側にイエローラインが追加されたことですね。

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車端部です。一般座席を有する、武庫川団地前方の7890形の武庫川寄りに当たる区画です。妻窓は二段窓、仕切り扉は窓が小さいもので、やはり今やとても懐かしいアイテムです。

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こちらは武庫川方の7880形、優先座席を有する車端部です。仕切り扉ですが、開く際に使用する持ち手の位置が低すぎます。子どもには優しいですけどねぇ…。

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最前面です。画像は武庫川団地前方の7890形で、優先座席を有しています。仕切り窓は大きさ十分、直後に座席もあるため座りながらの前面展望が可能です。

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そして武庫川方の7880形の最前面です。バリアフリー対応のためか、右側の座席が撤去されフリースペースとなっています。意外なのは車掌台側の座席が撤去されているということ。京阪などを見ていると運転台側を充てているだけに、前面展望を行いたい側からすると少し寂しくなりますね。

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天井です。中央にはラインデリアが備わり、蛍光灯にはカバーがかかっています。吊革はかなり高いところから長いバンドで垂れており、車両の横揺れに合わせてゆらぁーっと一斉に振れ出します。いかにも昭和の阪神電車だなぁ、と。

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窓です。二段窓が三枚並んでおり、やはり時代を感じずにはいられません。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。

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座席です。臙脂色のモケットが懐かしくて仕方ありません(^^;;  今や本線系統では絶滅、武庫川線でもモケット変更が進んでいるためにかなりレアなアイテムとなってしまいました。ドア間は8人掛け、袖仕切りはパイプ式で縦方向のパイプは荷棚まで伸びています。

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車端部の5人掛けです。座り心地はスプリングが効きに効きすぎた仕様です。長時間の乗車では座り直しがいりそうですが、10分そこそこの乗車時間の武庫川線ではこれくらいのゆとりがちょうどいいですね。

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車端部の優先座席です。蘇芳色の一般座席に対して、青系のグレーにして区別しています。化粧板がホワイト系に貼り換えられているため、ここだけすごく寒色系が勝ちすぎた空間となっています。

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最前面の3人掛けです。武庫川寄りに当たり、先述の通り前面展望は出来ません。

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武庫川団地前寄りの最前面です。こちらは優先座席となっています。

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フリースペースです。武庫川駅の中間改札の位置がこのドアに近いのでここに設定されたのでしょうね。付帯設備は握り棒のみ、立ち席スペースも兼ねていますね。

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難波への走行はついに叶わなかった阪神最後の赤胴車、本線上をバンバン走り抜ける近鉄奈良行きの快速急行に何を思うのでしょうか。

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