2013年11月28日から運用を開始した阪急(新)1000系です。「すべてのお客様に快適な移動空間~さらなる環境性能の向上~」をコンセプトに建造されました。その他にも騒音の低減にも力を入れています。起動加速時や停車寸前などはともかく、高速域での静粛性は大変素晴しいもので、電動車に乗っていても付随車に乗っているかのような素晴らしい静かな走りを見せてくれます。製造は引き続き日立製作所が担当しています。ちなみに、7月中旬をもって携帯電話の電源オフ車両が廃止されるので、この姿も見納めですね。
登場前から、吊り広告やドア上の広告枠、LCDディスプレイなどで積極的に宣伝しておりました。
デビュー前の試運転の様子。走行シーンを見たのは初めてでした。この時は車内が見えないように日除け全閉、ドアにまでも目隠しを貼る徹底振りでした。まぁ西宮車庫では全開になっていたので、一部の人は遠目からでも見ることが出来ました。
この年の末には宝塚線にも1001Fが登場しています。今ではかなりの本数が走るようになりました。
吊り広告もこの通り。車番もしっかり「1001」となっています。
デザインとしては、7300系 リニューアル車 に似たものですが、ヘッドライトが吊り眼気味になり、上部の前照灯も含めてLED式となりました。9000系まではステンレスの飾り幌受けが設置され、ある意味アクセントになっていたのですが、1000系ではこれが無くされスッキリしてしまいました。10連運用には投入しないようですが、それ以外の種別には運用固定もされず、ランダムで入っているためなかなか神出鬼没です。狙っての乗車は不可能ですね。
側面の表示は9000系同様LED表示ですが、神戸線では5000系以来の一体式となりました。分離しているほうが文字を大きく表示できるので良いと思うのですが・・。メーカーからの横槍でも入ったのでしょうか。
組成はTc+M+M+T+T+M+M+Tcと、2200系や6300系以来の組成方法となっています。しかし何を思ったのか、先頭車がTcにも関わらず1050ではなく「1000」とは・・。付番法則を思いっきり無視しちゃってます(^^;;
車内です。プレスリリースの時からおおよそ車内の様子は分っていたのですが、とうとう阪急でも出たかと・・。9000系が登場した当時、私は中学生でしたが、9000系の時ほど出くわした時のワクワク感というものを感じませんでした。大人になってしまったせいでしょうか・・。
ドアです。窓の縦の幅が8000系以前と同様のものに先祖返りしました。
握り棒は従来品に近いながらも、やや長いものになっています。形状もなかなかかっこよくなっていると思います。
さて、この系列のウリの一つである32インチハーフサイズのLCDディスプレイを搭載したドアです。相変わらず千鳥配置となっていますが・・。
停車中はこのように、全面で運用上の案内を行います。
停車駅となるとこのようになります。登場当初は不具合が多かった印象ですね。最近は大分克服したようですが・・。上の画像は梅田駅での撮影。西宮北口と位置情報を誤認しておりました。園田駅通過後に赤地に白抜きの阪急マークの画面に変わり、その後に修正されましたが・・。
発車後は左側に広告や天気予報、時事ニュースなどを流します。
宝塚線所属のLCD表示機です。路線カラーに合わせて、色調がオレンジとなっています。
天井です。9000系では半間接照明としていましたが、この系列では8000系以前の系列に近い形となりました。天井に埋め込む形でLED照明を設け、それをカバーで閉じています。あくまで蛍光灯タイプとしない辺りが阪急の良さというか、伝統であり意地でもありますね。ですがコストカットを図った結果でしょうか、ラインデリアに関しては8000系以降の様に着色されていません。結果つり革のバンドの色も手伝って極めて味気ないグレートーンな天井となっています。
つり革は、携帯電話の電源オフ車両とその他では使用している留め具の形状が異なっています。電源オフ車両はステッカー貼り付けを考慮して完全な立方体となっています。しかし、2014年7月中旬からはこのステッカーも見られなくなりますね。恐らく留め具の形状はそのままになると思いますが・・。都合、この留め具を持つ編成は1000F・1001Fのみとなりそうです。
車端部です。従来車と共通した見付けとなっています。
そしてこちら車椅子スペースを有する優先座席の車端部です。画像は現時点での優先座席です。2014年7月中旬から、このモケットは見られなくなってしまいます。この系列とゴールデンオリーブ色のモケットの組み合わせは、かなり短期間で見納めになることになりますね。
9000系に引き続き、戸袋になっていない妻面は2重窓になり埋められています。よって腕を逃がすスペースが無く居住性に難が出ている点も変わっていません。厚みは9000系に比べると増やされていて、騒音の低減は図られているようです。
仕切り扉です。9000系ではセンサーによる自動ドアとなっていましたが、手動式に戻されてしまいました。これが本来ある姿なのでしょうが、あったものが無くなるとどうしても不便に感じるわけで・・。ですがこの扉もただの手動扉と侮るなかれ。阪急で仕切扉が設置されたのは3000系からですが、この時から錘による半自動化(要するに最後まで開けて固定しないと勝手に閉まるようになっている)されていました。この仕切り扉はその半自動機構を進化させた形となっており、半分辺りまで閉まると勝手に減速し、閉まりきった時の衝突音をほぼゼロにしています。静かさを追求しているだけあって流石だなと思った次第。ちなみにこれ、公式サイトにも載っていない配慮だったり・・(苦笑) 乗り合わせたら是非見て欲しい所。神戸三宮方を向いた仕切り扉は開けたまま固定できますが、梅田方に関しては固定機構を省略しているようです。乗客としては閉まっているほうが静かで良しと考えている方が多いと思うのであまりどうってことはないですね。
最前面です。伝統として仕切り窓は大きく、直後に座席が設置されています。
珍しく運転台をご覧いただきます。形状としては6000系や7000系に近いですね。タッチパネルが付いているのは最近の新型電車のトレンドですね。
1000系からは終点到着時の外部表示切替に関しても運転台のタッチパネルから行うようになったようです。以前表示幕の切り替えといえば、車掌台の中に仕込まれていました。青のキーをタッチすると切り替わるみたいです。
窓です。車体強度を高めるためか、大型2枚から8000系以前の3枚に戻っています。中央が固定式、両端が開閉可能となっています。・・そして自動昇降スイッチは省略、窓間柱に至っても銀色のままと、やはり9000系に比べると露骨なコストカットとなっています。日除けはフリーストップ式のロールカーテンで、立ち席の方がなるべく外の風景を見ることが出来るよう、上部が薄くなっています。これはアルミ鎧戸時代からの伝統的思想ですね。日光の進入度合いは大きくなるわけですが・・。ロールカーテン自体も、リニューアル車などと比べるとかなり軽く仕上がっており、大きな力を加えなくても上下することが出来ます。
座席です。ドア間は8人掛けです。阪急最近のトレンド、3+2+3で仕切られた座席となっています。
車端部は3+2の5人掛けです。座席自体の座り心地としては、少し硬い印象です。これは最近出場した7010Fなどにも共通することですね。時間をかけてほぐして行くのでしょうか。
・・さて、とうとう阪急でもこのような仕切りが出てきてしまいました。近似例がなかなか思い当たらないですが、言ってしまうと「中途半端」なんですねぇ。理由としては緊急停車時の乗客同士の接触防止だそうですが、9000系まで従来通りの仕切りとしておいて今更感が否めません。また大型化されたとは言え乗客との干渉を考えてみてもまだまだ大きさが足りません(※体験談)。居住性に関しても「?」。内側はここ やここ と比べると奥行きはやや深く取られていますが、こうした面でもそもそもの大きさが大きさですのでなんとも・・。外側には木目の化粧板を貼り阪急らしさがありますが、内側はFRPのプラスチッキーな安っぽさをダイレクトに伝える仕様これいかに。仕切りの大型化は日本の鉄道では一般的になりつつありますが、なぜ大型化するのに着席側では今まで通りのままの使用感で、立ち席との分離を図れ、阪急の持つ高級感を更に引き立てることが出来ていた9300系 のような仕切りを持ってくることが出来なかったのでしょうか・・。あ、あちらは一応速達種別用ですかそうですか(^^;; さすがに不評の声も多かったようで、後述の1002F以降では内側が違うタイプのものになり、このタイプのものも交換され現在では見られなくなっています。
車椅子スペースです。付帯設備は握り棒のみで、ほぼスペースだけの提供です。直近のリニューアル車から車椅子スペースの拡大が行われていましたが、この系列に関してもそれに倣っています。戸袋の広告上の手すり、需要があるのか無いのか・・(^^;;
スペース横の袖仕切に関しては小型化されています。居住性としては明らかにこちらの方が高いわけですが、見事に優先座席指定となっています。
さて、2014年も折り返しを迎えまして、1000系は三本目が導入されました。関西では優先座席における携帯電話の電源オフについてのルールが変更になったこともあり、この編成からはちょくちょく仕様が異なっています。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20140724/15/seventhheaven1992/c6/94/j/t02200165_0608045613012830813.jpg)
一番変わったのがここ、車端部です。阪急ではこれまでの携帯電話の電源オフ車両は廃止し、他社と同じように神・宝・京寄りの車端部を混雑時のみ電源オフとするように改めました。そして、これまで「木目調の化粧板+ゴールデンオリーブ色の座席」というイメージを崩さないために、優先座席復活後もステッカーによる表示のみだったのですが、ここに来てとうとう優先座席のモケット色を変更し、ワインレッド色のモケットになりました。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20140724/15/seventhheaven1992/9d/58/j/t02200158_0615044313012830998.jpg)
最前面です。以前運転台直後に関しては、座席数の問題からか優先座席指定から外しており、その反対側を指定していたのですが、2014年7月からは全車両が神・宝・京寄りに変更されました。そのため、運転台直後の2人掛け座席に関してもワインレッド色のモケットとなっています。仕切り窓は大きく、仕切り扉の窓は更に下へ引き下げられています。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20140724/15/seventhheaven1992/51/d7/j/t02200165_0608045613012830814.jpg)
その優先座席です。ワインレッド色のモケットは予想外に高級感を醸し出しています(苦笑) そして、優先座席のステッカーも細長いものになっています。
![](http://stat.ameba.jp/user_images/20140724/15/seventhheaven1992/2e/0b/j/t02200267_0552067113012830812.jpg)
そして、大型袖仕切りについても若干の改善が見られます。内側に関しては、以前とは異なりツヤが抑えられたものとなっています。ダイレクトにプラスチックの冷たさを受けるものでは無くなりました。ただ、やはり9000系以前の「肘掛」としての機能を果たさないことに変わりは無く、大きさもそのままなのが残念といえば残念です。
1000系
優先座席部分の日除けです。指定位置変更以降、ロールカーテンについては全系列がこのタイプに置き換えられています。これで日除けを降ろした状態でも優先座席であることが認識できるようになっています。
走りに関しては大変素晴らしいものがありますが、それ以上にグレートーンな天井など、8000系や9000系辺りで感じられた気品を感じられなくなったようにも思います。やはり「廉価版」として見ざるを得ないなというのが感想です。とはいえ、割と早い段階で改善を行った車両を送り込んでくる所が、阪急の良さでもあると思っています。おかげでどの系列を見ても何かしらの違いがあるという、かなり趣味泣かせな会社でもありますが(^^;;
さてここからはオマケです。
宝塚線所属の1003Fは、車体側面に手塚治虫のキャラクターが描かれています。現在はヘッドマークが装着されているので、この姿も見られなくなりました。
先頭車両は宝塚をイメージしています。
中間は箕面・豊中です。
オマケ
バグ第二弾。
下辺に、何やらダイヤログボックスが出ていますね(笑) LCDって、PCのソフトを使用しているのですね・・。名前も「hankyulcd」となっていますし。分かっていながらですが、試しに押してみましたが消えませんでした(そりゃそうだ)。