元々は滋賀県と福井県の資金援助により導入されていた521系ですが、2009年から運用線区が金沢まで延伸するのに伴い、なんとJR西日本自前で増備が行われました。いよいよ滋賀県と福井県が資金援助した意味が分からなくなってきた気もします(^^;; そして、登場当初は3両編成でやってきたところを2両編成で乗り切ろうとするので混雑が甚だしかったものの、近年は後期車導入により敦賀-金沢直通便や利用の多い列車を中心に増結が図られ、混雑も幾分緩和されてきた感があります。
新快速も遂に福井方面へ・・。と言いたい所ですがそんなわけありません(^^;; そんなジョークが通じるJR西日本近郊型標準幕は怖い・・。画像はM編成で、2010年から増備された敦賀地域鉄道部敦賀運転センター車両管理室所属編成です。
なお、後期車導入後に併結時の隙間を埋めるべく転落防止幌が常時取り付けられています。今や多くの併結対象車両に取り付けられてきたため目が慣れてきましたが、常時取り付けと言った辺りに現場の工数省略という環境改善が図られると共にやっつけ仕事感満開です。
北陸新幹線延伸に伴う平行在来線の3セク化により、一部編成が新会社に移籍しています。移籍決定後新会社にスムーズに移行させるためか、晩年金沢以東ではワンマン運転を実施した列車が出ていました。
そして、新会社移籍を前にして既にJRマークが剥がされていたのは仕事が早いと言うか何と言うか・・。
車内です。やったらと黄色が目立ちます(^^;; 丁度223系と225系を足して2で割ってワンマン機器を足したような車内です(笑)
ドアです。構造そのものは前期車と似たものですが、ドア両端に注意喚起用のイエローテープが貼られたこと、ドア横の手すりの形状が変更されたことなど、若干の変更点が見られます。
整理券発行機が設置されたドアです。台座が片持ち式で厚みも増やされています。現状では使用されていませんが、金沢以東3セク化後に日の目を見ることとなるでしょう。ドアの半自動機構も備えられており、通年半自動となっています。
車端部です。変更点としては、ロングシートの袖仕切りが大型化されたことですね。
トイレのある車端部です。円筒形に改良されたもので、最近の車両ではお馴染みとなってきました。
最前面です。仕切り窓は大型ではなく、一般的によく見られる大きさです。そして仕切り扉は横引き式で、ワンマン運転が始まるとここを開けっ放しにして、乗務員室に収納された運賃箱を引き出してくるようになると思われます。上部には小浜線と北陸本線全線の駅名が書かれており、いつワンマン運転が始まってもおかしくない環境にはしてあります(^^;;
天井です。蛍光灯にカバーがかけられているのは、車両の関西化(ある意味の標準化)の産物です。つり革が黄色で径が太いものになり、ラインデリアの羽が枕木方向になったりと、後に導入された225系の元となったと言っても過言ではありません。LCDは無いにせよ。
窓です。一段窓で、一部は下降するようになっています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。テーブルはありませんが、広く取られた桟にペットボトル程度の物なら置けるようになっています。
座席です。まずは転換クロスシートから。やはり223系2000番台の後期に導入された座席と同形状ですが、持ち手が緑から黄色となっています。座り心地はもう言わずもがな、扁平で体に沿った形状とは言い難く、敦賀から金沢まで通しで乗車した時にはやはり腰に違和感が・・てそれは当たり前か(^^;;
ドア横の固定クロスシートです。座面角度がしっかり付けられている点や、背ズリの形状などもこちらの方が優れているのかな、とは思います。微々たる差でしょうが・・。
整理券発行機が無いドア横に関しては、補助椅子が設置されています。勿論223系2000番台以降の大穴が空いたタイプです。従来このようなタイプの車両が存在しなかったためか、補助椅子があるにも関わらず立っている乗客をよく見かけます。
車端部のロングシートです。優先座席となっています。モノとしては321系と同じもので、背ズリが短い上にクッション性も低く、座り心地はお世辞にも褒められたものではありません。「お年寄りが立ち上がりやすいように」硬くしているようですが、妻面の手すりにそのような配慮が見られるものの、硬い+「鉄道」という揺れが大きい環境下では地獄以外の何物でもないような。評価の声も聞こえませんし。優先座席ではありますが、長距離走行を前提とした車両に、京阪神緩行線のように短距離移動を主眼に置いた座席を持ってくるのは如何なものかと。125系辺りの座り心地のロングシートを持って来ておくれ!
大型化された袖仕切りです。前期車と比べると格段に改良されていると思います。ここなど のものと比べると、縦方向の長さを大きく取っており、もたれ掛かりなどがしやすい形状になっていると思います。そして、何より評価したいのはモケットが貼られていること。これが北国を走る車両としては嬉しいですよね。ただその犠牲として、肘周りに余裕が無いのが残念です。この袖仕切りと座席の間に、肘掛の類を挟めば、ある意味最強の袖仕切りが出来上がると思います。後は・・ロングシートの軟化。これ本当に何とかしてください(^^;;
トイレ横の車椅子スペースです。手すりの追加や、非常通話装置などが設置されています。ヒーターも薄型のものが設置されています。ただ、金属地剥き出しなのが少し残念ですね・・。