南海の地方譲渡車と言えば大井川鐵道や一畑電車に渡った21000系ズームカーが有名ですが、熊本電鉄にも「角ズーム」こと22000系を譲り受けて運用しています。前面はベース自体はオリジナルのままですが、譲渡時に立ち寄った(…的な格好にはなるでしょう)西鉄の工場で塗装変更とライトユニットの増設が行われ、同社の6000形や7000形に似た雰囲気がします。ただ元のライトも残されているため、改造前の状態を思い浮かべることも可能です。
車内です。オフホワイトの化粧板にピンクのモケット、改造場所である西鉄っぽさが出ている気がします。
ドアです。すっかり忘れていましたが、こちらは中央のドアで筑紫工場にて増設されたものです。その割に元あるドアと何ら違和感無く存在しています(^^;; 整理券発行機も追加され、ワンマン運転に対応しています。
車端部です。2両編成ワンマン運転という環境なわけで、進行方向後ろの車両からの乗り移りが多いことも考えてか仕切り扉はありません。それ以外は南海時代と変わりませんね。
最前面です。なお、手前に見えているドアについても南海時代から乗務員室寄りに移設されています。ワンマン運転を考慮するとドアと運賃表示機はお互いに近い方が導線としては自然なんですよね。この辺りはワンマン運転のために運賃箱だけを設置したキハ47を所有するJR各社とは違います。
天井です。照明は南海時代と同様の蛍光灯で、冷房の吹き出し口がポツポツと配置されています。
荷棚は網棚から南海1000系のような板状のものとなっています。
吊革の留め具にはなんばCITYの広告が残されています。
窓です。手前に見える戸袋はもちろん3扉化により追加されたものです。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。
中央のドアを挟んだ向かい側の窓がこちらです。窓が二枚だけとなっており、中央にドアを開けたことが良く分かりますね。
座席です。かつては長いロングシートが設置されていましたが、ドア位置変更により分断されています。袖仕切りはパイプ式、この辺りはうまく従来のものに合わせています。座り心地は座面がゆっくりズブズブ沈み行く「ああ、南海だねぇ」と言った特徴的なものです(笑) 座面が変わっても中身は変わりません。
車椅子スペースとセットになった座席です。現状、立ち席スペースやチラシを吊った広告スペース的な使われ方がメインとなっています。
車端部の6人掛けです。座席がモケット以外一切いじられていないのはここだけでしょうね。