日本における高速電車初のVVVFインバータ制御車は大阪メトロ中央線の20系ですが、1500V用車両の始まりは近鉄の1420系となります。以降VVVFインバータ制御車が日本中に広がっていったのはご存じの通りです。
登場当初は1520系を名乗っていましたが、系列整理で1420系となりました。VVVFインバータ制御の試験的意味合いで登場したため、このトップナンバー1本のみの存在となっています。中には三重県にまで足を伸ばす運用もある近鉄大阪線で他の2両編成と混ざって走っているため、中々出会えない車両のひとつとなっています。
VVVFインバータのエンブレム。この編成だけは塗装ではなくステンレス板貼り付けとされています。そのため、近年このマークが順次塗りつぶされている中2018年現在も健在です。
車内です。技術的には革新的でもまぁ箱はそうそう変わりません。シリーズ21からすると二世代前の近鉄電車、と言ったところでしょうか。
車端部です。こちらは伊勢中川方で、座席は一般座席、向かい側にはフリースペースが備わります。仕切り扉は窓が小さいもの、窓の拡大はもう少し時間が経ってからですね。
こちらが大阪上本町方。座席は優先座席で、フリースペースには避難用はしごがデーンと置かれています。そう言えば、大阪線で妻窓があるのは少数派なような気がします。
最前面です。座席こそ置かれていますが、前面展望は難しいですね…。心なしか仕切り扉もコンパクトな気がします。
2両編成の1420系、4両編成との併結もままあり、運用が掴みにくい理由のひとつにもなっています。かつては併結時に車掌台側が開放されていたのですが、現在ではロープが貼られています。
天井です。三角形の照明カバーに網棚、この時期の近鉄らしい形態です。
窓です。一段下降窓、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプで、爪は一般的な横に付いたものです。長らく上げるか降ろすかしか無かった車両が多かった近鉄だけに、中間一つだけとは言え途中で止めることが出来るようになったのはこの趣味をしている人間としては嬉しい限りです。
座席です。ドア間は6~7人掛けとなっています。モケットの擦れ具合を見ると6人で座られていることが多いようですが、21m級4扉車であれば7人掛けが定石でしょう。モケットは更新され、明るい赤色となりました。
最前面・車端部の3人掛けです。袖仕切りはまだ簡易なパイプ式で、肘掛けを兼ねたタイプはもう少し後の登場となります。
優先座席です。灰色系ですが柄入りとなっています。座り心地は柔らかく、背ズリも高くて快適です。例え急行に5200系や5800系が来なくても、これならばまだいいか、とも思えるものです。とは言えそれなりに沈み込みますので、適度に座り直しがいりそうです。
最後にフリースペースです。先程触れた通り、優先座席向かいのブロックは避難用はしごが置かれています。付帯設備は握り棒に消火器、微妙に出っ張っているのはヒーターを仕込んでいるのもあるのでしょう。