阪神淡路大震災後の急行系運用の救世主的存在と言えるでしょう、9000系です。震災により多くの車両を失った阪神ですが、急行系車両の不足は6両編成5本分と深刻なものでした。この不足分を半年で埋め合わさなければならない状態でしたが、当時車両を発注していた武庫川車両では30両の車両を半年で製造することは出来ない状態でした。そこで、川崎重工のステンレス車体製造ラインが空いているということで、この系列が誕生したわけです。阪神では久々の無塗装ステンレス車体だったので、阪神なんば線開業以前までは、なかなか異色の存在でした。
なんば線開業以降は、1000系 に合わせたオレンジの帯色に変更されています。前面は似合っているのか似合っていないのか・・。そして、唯一在来車からの近鉄直通改造が行われた系列となっています。なぜでしょうか・・。
改造に合わせて、方向幕がLED表示化されました。がっつり切れてしまってますが(^^;;
改造前はこのように点灯式マップを併設していましたが、なんば線直通以降は対応が利かなくなってしまったため、上のLED表示のみとなってしまいました。この表示、僕は結構お気に入りだったのですが・・。この改造以降、9000系に限らず5500系
や9300系
でも、このマップは次々と姿を消しています。いずれ全て消滅してしまうんでしょうね・・。
天井です。蛍光灯はカバーが掛けられたタイプで、本数も多いです。ラインデリアは全長に渡り伸びています。荷棚はバータイプです。
車端部です。仕切扉は窓が広く取られた大型のものです。全部が開くわけではありませんが・・。妻窓は小さくなっています。
車椅子スペースを有する車端部です。優先座席に指定されています。
最前面です。以前は他の阪神車同様、窓が大きく取られ、前面展望に配慮した構造でしたが、直通改造以降はATSなどの保安装置設置の影響で、窓が小さくなっています。ここは素直に残念です。仕切扉の窓まで小さくする必要無いじゃないですか・・。あ、この改造に合わせて、仕切扉は横引き式となっています。ますます車両の近鉄化が進んでいます・・。
窓です。1段窓で、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。
座席です。バケットタイプのロングシートで、ドア間は4+4で分かれた8人掛け、車端部は5人掛けと、車椅子スペース横は3人掛けです。改造以降、時期をずらして9300系タイプのものに改座されています。よって座り心地はイマイチです。背ズリ・座面共に薄く寸足らずなものでして・・。
最前面直後の2人掛けです。元々は阪神標準の3人掛けでしたが、保安機器張り出しのため1人分の座席を潰して2人掛けとなりました。ここの区画は、新たに作り直したこともあり他の区画よりいち早くこのタイプの座席になっていました。定員減は残念ですが、怪我の巧妙か、機器部分を肘掛や荷物置き場として使うこともできます。
ちなみにこちらが改座前のロングシートです。座面の底付き感はともかく、背ズリのホールド性というか食い付きは抜群でした。阪神のロングシートは背ズリが低いので、それをホールド性でカバーしている感じでした。この頃の配慮は一体どこへ消えてしまったのでしょうか・・。
機器の張り出しは実は天井部分にも及んでいます(^^;; やはり蛍光灯など設置できるわけも無く少し薄暗いです・・。
西は山陽姫路から東は近鉄奈良まで、広範囲をカバーする9000系、これからも頑張ってもらいたいものです。
オマケにWikipediaに載っていた旧塗装を。赤+白+黒は個人的に一番好きな組み合わせなので、当時小学生だった僕の心を鷲掴みにしたのは言うまでもありません(苦笑) たまにしか使わない阪神でこれが来ると嬉しかったなぁ・・。