地域ジョイフルトレインが多数走る東北、海沿いの風光明媚な区間を走る八戸線にも地域ジョイフルトレインが走っています。
「リゾートうみねこ」、沿線にウミネコの繁殖地、蕪島があることからこの名前となっていますが、かつては原型のキハ48形にリクライニングシートを取り付けたお手軽?お手抜き?列車、「うみねこ」が運転されていたためその名前を受け継いだとも言えますね。
車両はリゾートしらかみにデザインの起源を持つキハ48形を改造したもので、元々は東北新幹線八戸延伸時に登場した地域ジョイフルトレイン、「きらきらみちのく」に使用されていた編成を改造の上転用しています。
側面にはうみねこが飛んでいます。
鮫駅にて最新の後輩と並びました。この編成は、八戸線に残った最後のキハ40系列となりました。
種差海岸にて。この駅ではうみねこからうみねこへ乗り継げます(笑)
終点、久慈駅でレストラン列車「TOHOKU EMOTION」と並びました。今回乗れなかったので、次は乗れたらいいなぁ…。
そして三陸鉄道車両とも並びます。こちらもまだ乗れていないので、南北統一後に乗りに行くとしましょう。
八戸駅の乗車口案内です。この手の観光列車としては珍しく自由席が設定されていますが、定期の普通列車を置き換えて運転されることと、初代「うみねこ」が全車自由席で運転されていたためなんでしょうね。
さてさてデッキドアです。化粧板が貼られたのは観光列車だからなんでしょうね。とは言えホームは低床タイプ、ステップが残ってる辺り「あぁ、キハ40系列だなぁ」と思わずにはいられません。
トイレです。バリアフリー対応の大型トイレで、扉が大きいため車椅子の方も大きな支障なく使うことが出来ます。
男性小用トイレです。折戸式、面積は広く有りません。
洗面台です。蛇口は石鹸共々自動化されており、寒冷地東北を走るためか温度調節のつまみも有ります。普通列車にしてこれは中々無いですね。
くずもの入れです。燃えるゴミ・燃えないゴミで分別されていますが、ここで言う燃えないゴミとはビン缶ペットボトルなど飲料系の類いかと思われます。
3両編成の両先頭車の車内です。「リゾートしらかみ」をベースにしつつ、更に片側の展望を重視したものとなっていますね。なお、「リゾートうみねこ」運用時は先頭車が指定席となります。
デッキとの仕切りです。仕切り扉は自動化されています。それにしても、冷房化等々行った影響で断面積がオリジナルと全く異なるものとなってしまいましたね…。
天井です。形態としては「リゾートしらかみ」くまげら編成と同形態のものですね。キハE130系が導入されるまでは、同線唯一の冷房車だったそうな。恐ろしい…。
座席です。両先頭車はリクライニングシートとなっており、最後尾車両は自由席ですので非常に乗り得な車両とも言えます。
まずは山側の2人掛けから。座席自体は何だか見覚え有るなぁと思ったら、JR西日本の683系0番台やキハ187系で見られたものですね。タイプとしては灰皿設置を前提とした金属蓋が残るタイプ、オマケにサイドアームテーブルが無いので何だかバランスが悪く見えてしまいます。
セミハイデッキ構造となっており、海側を出来る限りよく見えるようにしています。座席脚台に目を向けると、足を掛けられるように五角形のバーが取り付けられています。この辺りもJR西日本で見られるものですね。
続いて海側の1人掛けです。猫耳のように持ち手が付けられていますね(笑) ここがオリジナルと言えばそうなります。
こちらもJR西日本車の車椅子対応座席をベースにしたものですね。が、左側のアームレスト、リクライニングボタンを塞いだような穴があります。オリジナル座席では見られないだけに、パーツ共通化によるコスト削減もやり過ぎると何だかなぁではあります。どこぞの会社は特急型車両のグリーン車でこれをやらかしていますが…。
リクライニングの図。モケットが滑りやすいビニールチックなのが何だかとは思いますが、座り心地はJR西日本車同様、見た目の薄さによらずしっかりしています。
なおこの座席、斜めに向けて固定することも出来ます。ただ、これをやっても視界には多かれ少なかれ右側に見えるぶっとい柱が視界に入ってくるというオチ…。多分こうしないとキハ40系列のへヴィ車体を支えきれないのでしょう。
リクライニングも出来ます。ただ中々の確率で通り抜ける人からの特攻を食らいます。乗車時間や沿線のグルメの豊富さの割に車内販売が定期的に行われていないのには、この辺りの理由もあるんでしょうね。
1人掛けの後ろ側にはシートバックテーブルがありません。実際問題、みんなして嬉しがって座席を斜め固定にするので使う局面が少ないのですが…。
その代わり、窓側には固定テーブルが備わります。
よくよく見てみると、2人当たり席と1人掛け席はややずらして設置していることが分かります。こうすることで、2人掛けからの展望をなるべく遮らないように考えているんですね。
デッキ仕切り際の座席は「まごころシート」なる優先座席となっています。車椅子の固定用具も備わっていますね。
2人掛け側を見ると、固定テーブルが設置されています。
最前面です。仕切り窓が大きくなっており、乗務員室との仕切り扉の窓が丸くされているなど遊び心があります。
直後は展望スペースとなっており、簡易なパイプベンチがあります。長居は無用ですね。
久慈方先頭車には更に海側を向いたパイプベンチもあります。窓側の席が取れなかった時はここを陣取ると良いでしょう。但し、指定席運用時は必ず指定席券を持ちましょう。
お次は中間の2号車です。大きくうみねこが描かれているのがアクセントですね。
運転台です。ここは限りなく原型に近い状態で残されています。
で、海沿いを走る八戸線らしく津波警報発令時の避難方法が記載されています。かの震災では、八戸線も大きな被害を受けました。
旧喫煙室です。現在は編成全体が禁煙化され、器材室となり施錠されています。
車内です。この車両は両方向とも自由席として運用されており、ボックスシートが並んでいます。
というわけで座席です。基本は四人掛けのボックスシートとなっております。背ズリ高めで通路側は少しだけ張り出すように板が付いているため、ちょっとしたセミコンパートメントとなっています。
ヘッドレストの下辺よりも奥から出ている背ズリ下部から分かるように、形状が良く無い上にクッション性もあまりありません。また座面には畳が敷かれ座布団が置かれていますが、まぁ気休め程度、蕎麦屋のテーブル席をイメージして頂ければ良いかと。乗車時間を気にせずグループでわいわいやるにはいいでしょうね、テーブルもありますし。
運転台の反対側には通路幅を考慮し3人掛けとなっています。肘掛けが通路側とを仕切る程度の実用性に乏しいデザインなのは…。
かつては土足禁止だったようで、下駄箱があります。
ちょっくら失礼。中は二段式で、スリッパが備わっていたそうな。
運転台寄りの仕切りはフリースペースとなっています。その気になれば各種イベントが開催出来そうな勢い。
窓側にはジャンプシートが備わります。地元民からはロングシートとして使われているようで…。
デッキ仕切りに設置された謎の箱。上には乗車記念スタンプがありますが、何に押せばいいのでしょうか…。
自動販売機と非常用ハシゴです。自動販売機は残念ながら既に営業を終了しています。「リゾートうみねこ」のダイヤって、久慈行きは全駅停車時間が僅かで、八戸行きも階上駅で4分停車がある以外は長時間停車が無いという観光列車としてはイマイチなダイヤとなっているので、車内販売は多少なりとも行って欲しいと思います、乗車時間も長いですし。
連結面付近にはくずもの入れがあります。こちらは飲料系とその他で分別されています。
壁には温度計や非常通話装置、懐中電灯などの設備が集約されています。
沿線からは太平洋の大海原が見渡せます。お天気が少々残念でしたが…。