電車と気動車、駆動装置の違いからどうしても両者で車体の構造が昔から異なっていたのですが、最近は電車も気動車も共通部品を使用していることから、どちらも似ているような車両が増えたように思います。「標準化」に敏感なJR東日本でも、電車に似た気動車が多数登場しています。
キハE130系、水郡線用として登場した気動車で、ここで使用されていたキハ110系列を置き換えています。こちらは両運転台車のキハE130形です。
ステンレス車体ながらステッカーの貼り付け面積が大きいため、銀色は割と少なくなっています。
そしてこちらが片運転台車両で2両編成を組むキハE131・132形です。
窓の上下部分のステッカーの色がE130形と異なっています。
車内です。車体の大型化、3扉化によりキハ110系よりもかなり広々しているように思います。それにしても、地方ローカル線に行っても首都圏と同じような車両が来るのは何だかなぁと思ってしまいます。
ドアです。黄色い化粧板を貼ってメリハリを付けています。ワンマン運転対応のため、整理券発行機が備わっています。
半自動扱い時に使用するボタンです。外側に開ける、内側に開閉両方のボタンを備えています。内側に関してはボタンの周りが光るとはいえもう少し目立つようにしてもよいと思います。
ドア上には地方ローカル線には似つかわしくない(笑)、開閉ランプも付いています。
足元はと言えば…あらら、ステップが残ってしまっています。同世代の電車であるE721系がステップレスを実現しているだけに、少し残念です。
キハ131・132に存在する車端部です。通り抜けを考慮してか両開きの仕切り扉となっています。ここは重要度が低いのか無塗装金属仕上げです。扉上にはLED表示機が備わっており、旅客案内のサービスも一層向上しましたねぇ。
最前面です。地方ローカル線と言えども多くの列車が2両編成以上で増結もしばしばなため、仕切り扉は引き戸式となっています。その仕切り扉と左側の壁とが微妙に被っており、何だか違和感を覚えます。そうそう、運賃表示機はまだ電光式です。
併結運転時の様子。車掌台側はなるべく入って欲しくない雰囲気がやんわりと伝わります。
こちらには助手席が備わりますが、普段は施錠され使えません。
窓です。首都圏でもよく見掛けるFRPユニットのもので、今時珍しくなった二段式となっており、上段は下降式で開くこともできます。で、日除けが無いんだなー。どんな自信を持って日射を完璧に抑えることが出来ると考えているのか全くもって謎です。眩しかったぞーーー!!
座席です。セミクロス配置、3扉のためクロスシートが二組配置されています。
2人掛けボックスシートです。水戸で(から)接続するE531系に似た色合いとなっております。それにしても、座席下がスルーになっているのはポジティブに捉えることが出来ません。半自動扱いとは言え、通路側の人は足元を通り抜ける寒風に晒されるわけで…。
続いて向かい側の1人掛け。偉いと思うのは、ロングシート部分は片持ち式ではなく従来の構造に近いことですね。
1人掛けのボックスシートです。殺人的な硬さのヘッドレストに張り出し方が謎な腰部分、先端がやけに硬めの座面ともう全体的に一から構造見直して来いと言いたい座り心地です。ダメ。
優先座席です。灰色の座面に赤と黒の斜めストライプとJR東日本標準モケットです。
優先座席はボックスシートにも設定されています。この座席、座面が硬いだけではなく組み付け位置自体もかなり高めです。足腰が弱いお年寄りには座るとき、座ってる間、立つ時、全てにおいて最悪な状況にあると言えます。あきませんで、これ。
車椅子スペースです。冬はそれなりに寒くなるだけにヒーターが備わります。その隣は2人掛けのロングシートとなっています。車椅子スペースと座席がセットになっているのはJR東日本ではあまり例が無いような気がします。そのノウハウの無さなのか、部品の共通化を図るためか(恐らく、後者)大型の袖仕切りが窓を無視するように設置されています。これ自体はJR四国1500形でも見覚えがあるので衝撃はありませんでしたが…。
キハE131・E132形の車端部のロングシートです。やっぱりこの座席の背ズリの変な張り出しは解せません。「現状維持は後退と同義である」、いい加減209系から基本線が変わらないのはどうにかすべきかと。ちなみに連結面はスロープとなっています。足元にご注意下さい。
ゴミ箱です。普通列車としては珍しく飲料系とその他で分けられています。
さて、ここからは番外編。とある編成に乗った際、窓下に何か金具みたいなものがあったので「これは何ぞや」と思っていたら・・
常陸大子の営業所でのイベント時、据え置き式のテーブルを取り付けて休憩車両として使用されていました。なるほど、このテーブルを取り付けるためのものだったんですね。
ロングシート部分もこの通り。