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JR東日本E3系700番台「とれいゆ」仕様車

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秋田新幹線にE6系が導入され、「スーパーこまち」として運転を開始し所要時間が大幅に短縮された傍ら、それまで「こまち」として活躍したE3系に余剰が発生したわけですが、これを活用すべく新幹線用車両初のジョイフルトレインが登場しました。


その名も「とれいゆ」、愛称に関してはトレインとソレイユを組み合わせたものなんだとか。

 

活躍の場は秋田…ではなくなぜか山形、装いも新たに新天地で再スタートを切りました。

 

番台区分はジョイフルトレインらしく700番台、改造に際しては生まれ故郷である川崎重工業へ戻って実施されているため、メーカーズステッカーは2014年となっています。

 

新庄駅にて乗車位置を。座席区分の「足湯」にジワりを隠せませんが、新幹線用車両初の足湯車両となっております。

 

運転される区間の各駅には新幹線初リゾート列車として大々的にPRしております。なお、運行区間は特急「とれいゆつばさ」として、基本的に在来線区間である奥羽本線の福島-新庄間となっており、福島駅では在来線ホームから発着します。時おり、思い出したかのように新幹線区間へ乗り入れることもありますね。

 

山形駅、何がすごいってレゴで作られてるとこもありますね(笑)  ちなみに、「とれいゆつばさ」はあくまで特急列車名でして、列車自体の愛称は「とれいゆ」ですのでご留意の程。その気になれば「とれいゆこまち」にもなれるわけです(笑)  ジョイフルトレインらしく様々なスタイルに改造されておりますので、順を追って見ていきましょう。

 

まずは中間の12~14号車から行きましょうか。一般販売される中でも一番席を取りやすいのがこの席種かと思われます。

 

まずはデッキドアからです。化粧板が貼り換えられていますが、それ以外は大きく変わっておりません。一部号車にこのようにAEDが備わっています。

 

「とれいゆ」用の車内のご案内。新幹線ではあり得ない表記がいっぱいありますね(笑)

 

トイレです。0番台から特に変わらずですね。

 

男性小用トイレもこの通り。

 

荷物置き場です。デッキにあるのが少々不安ですが、そんなことを言ってられないくらい大きな荷物を持ち込む人は多くなりましたからねぇ…。

 

さて車内です。営業用車両としては(恐らく)初の新幹線用車両にして全席開放式固定式ボックスシートで構成されています。また、ジョイフルトレインだけあり色使いも派手ですね(笑)  あ、ちなみにこれは2018年に乗車時点での様子です。2019年からは一部リニューアルが行われているとのこと。

 

デッキとの仕切りです。「こまち」時代から配置を変えていないため、座席とデッキの間はちょっとしたクランクとなっております。カラーコードは黒と白でメリハリを付けたものとしております。

 

天井です。この辺り、フツーの新幹線では出来なかったことをしてやろうとした意欲が見られるところでして、中央に装飾がなされていますね。

 

窓です。E3系ならではの窓の大きさとなっており、眺望もこれなりに良いかと思います。とはいいつつ、眺望の良さではE2系1000番台には叶うまい。

 

座席へと参りましょうか。新幹線では異例中の異例とも言えるボックスシートが並びます。この席はマルス上「お座敷指定席」として販売されておりますが、乗車した時は1両は丸々「びゅう」などの旅行商品専用としてブロックされており、一般販売されていても席ごとの指定となるため、満席の際は気まずい相席も考えられます。

 

都合上斜め上から。こちらは4人組ボックスシートで、普通車時代よりもゆとりを持った座席幅となっております。また普通車の窓二枚分を使っていることもありシートピッチは中々の広さで、普通に座っていれば向かい側に人が来ても足がぶつかることは無いかと思います。

 

こちらは2人組ボックスシート。中央には折り畳みによる面積可変式の固定テーブルが付いており、出入りを考慮して通路側に肘掛けがありません。座り心地…をこれで求めるかと言われそうですが、背ズリの形状からして「ゆったり」視点での工夫はされておらず、座面も畳におざぶを敷いただけなので多くを求めてはイケません。乗り通すと下り2時間15分、上り2時間40分となりますが、山形駅基準で乗客が入れ替わることを想定しているのかも。

 

大型の荷物置き場兼イベントスペースです。ここ、「こまち」時代の仕切り扉からの出入りを考慮した緩衝地帯的な使われ方をしているのかもしれません。車内販売のカートも通りますしね…。


お次は座席車としてはちょっと異端な福島寄りの先頭車、11号車へと参りましょう。

 

デッキから客室方向へと向くと、仕切り扉に窓がありません。

 

トイレは車椅子対応の大型タイプです。

 

向かい側には多目的スペースがありますが、もちろん普段は施錠されています。近くに乗務員室もありますので、ご利用の際は車掌さんにお声かけを。

 

洗面台です。ここも「こまち」時代と大きく変わりません。

 

蛇口は液体石鹸・乾燥共々自動で出来るタイプです。デザイン的にスタイリッシュではありませんが、これらがまだ一般的では無かった時代なので、当時としては先進的な装備としてお客さんに迎えられたことでしょう。

 

かつて公衆電話が設置されていたスペースでさ。基本的に奥羽本線内という電話が使い物にならなくなるケースが多くなる区間のみを走ることを想定したのか、公衆電話が撤去され体の良い荷物置き場となっております。

 

車内です。かつてグリーン車として使われたこの車両ですが、設備はほぼそのままに普通車指定席として運用されています。シートピッチが他の車両と異なるわけで、ボックスシートでは使いづらいからいっそそのまま使っちゃえというヤッツケ感は否めませんが、お一人様や通し乗車かつある意味「知っている」方を中心に指名買いもあるようで、早々に満席になっている印象です。

 

天井です。構成はそのままに、照明の色が普通車らしく(苦笑)普通の蛍光灯に交換されています。


とは言え、読書灯はそのまま残されており、スイッチを押すとしっかりと点灯します。

 

はたと気付きましたが、座席番号はフルーツをデザインしたものとなっていますね。

 

座席です。座席自体はそのままに、床面のカーペットや座席モケットを貼り換えて使用しています。

 

付帯設備もそっくりそのままではありますが、それまで(…「つばさ」では今も(笑))個人的偏見を加味した視点で見て、座り心地は良いにしてもカタログスペックが全国的に見て「普通車以上グリーン車未満」な状態を考えると、格下げによるお得度も数割減な感が無きにしも非ず…。

 

デッキ仕切り際の座席は固定式テーブルとなります。

 

車椅子対応の1人掛けです。普段は他の定期列車同様発券ブロックが掛けられており、とあるタイミングで解除される席となります。

 

展開の図。元々通路側の別席を指定されておりましたが、全区間空いておりましたのでとある事情も有りここにお邪魔させて頂きました。もちろん、面倒なことにもなりかねませんので推奨しません(苦笑)

 

続いてメインとなる足湯車両へと行きましょう。ここへ立ち入るためには、後述する「湯上がりラウンジ」車両にて足湯券を購入する必要があります。

 

と、デッキにも記載されております(笑)  そのような事情もあって、ドアにチェーンが掛けられており各駅では開きません。

 

デッキを抜けると、木目格子でデザインされたクランク状の通路を抜けていきます。車内に湯守りさん(この方がまた敢えてなのか山形弁全開で非常に地域ジョイトレ感が出ておりました)がいらっしゃいますので、足湯券を渡して中へと入ります。

 

いよいよメインとなる車内です。画像では当たり前に伝わりませんが、中はかなり塩素臭が立ち込めておりまして、衛生面では中々気を使っておられる模様。

 

天井です。反射式の暖色系LED照明に、飾り模様を付けて間接照明の役割も持たせています。一見するとこれは新幹線用車両とは思えません。

 

一番気になるのがやはりこの足湯です。両側点対象に一据えずつ設置されているため、二回で両側の景色を楽しむことが出来ます。一据えに4名入ることができ、それぞれ1+2+1で区切られています。この仕切りは防波の役割も兼ねており、座面となる縁も少し深めに取られており、加減速時に湯が溢れないように工夫されています。そりゃあ、溢れてしまっては電子機器が多用された新幹線用車両としては致命傷になりかねません(^^;;

 

湯船の横にはデジタル式の時計が置かれています。足湯券1枚につき与えられた時間は15分ですが、この15分には着替えの時間も含んでおります。一応の営業時間は列車の発車時点から到着までの時刻となりますが、始発駅に関してはドアが開いてからの一番風呂は発車前から足湯に入れてもらえます。早乗りは三文以上の得を得られそうです。なお湯の温度は少々温め、冬に乗車したこともあったのか汗が流れる程のものではありません。また温泉では無いものの、湯は1運用ごとに入れ換えているとの事。

 

先述の通路がなぜクランクしているかと言うと、ここに更衣室があるからでございます。女性には嬉しい設備…だと思われますが、あまり使われていないのが何とも(^^;;

 

中は床面が畳敷きで、ちょっとした腰掛けがあります。

 

最後に15号車の湯上がりラウンジ車両です。一応このような名前ですが、足湯を利用していない方でも自由に利用が出来るフリースペースとなっております。

 

反対側からもう一枚。足湯車両側に車内販売カウンターがあります。

 

デッキとの仕切りです。ここも席の関係でクランクになっており、木の格子が目隠しになっています。これ、LED表示機が何の役にも立ってませんね(^^;;

 

天井です。こちらは足湯車両に準じていますね。

 

座席はお座敷っぽく見えますが土足で入れます。お座敷指定席と同じく座面は畳敷きとなっています。

 

で、この手の車両らしく地元工芸品が展示されています。

 

記念撮影…ボード?です。二枚用意されているのは珍しいですね。

 

車内販売カウンターです。駅弁やアルコールを含む飲み物など、種類は豊富です。

 

乗車した季節はクリスマス、それらしい飾りつけがされています。その隣には常設のスタンプ台があります。

 

横のけん玉…は置いておきまして、足湯券はここで購入することになります。「びゅう」などの旅行商品から優先して販売され一般販売はその後からとなりますが、基本的にはどこの枠も問題なく買えるかと思います。

 

料金は2018年時点で380円と15分の入浴時間にしては少々高めですが、専用のビニールサックに入ったタオルが付いてきます。

 

車内販売にて山形ビールを頂きました。さすがピルスナー、中々の辛口です。

 

また車内販売カウンターだけでなく、ワゴン販売も行われています。こちらも「とれいゆ」専用のワゴンが使われています。


最後に、足湯からの雪景色をどうぞ。


 


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