全国的に観光列車が増える昨今、秋田県の第三セクター、由利高原鉄道に、既存のYR-2000形を改造した観光列車が登場しました。
塗装も一新され、晴れた空に映えます。それにしても、塗装が近鉄特急に見えてしまうのは関西人やからやね…。
愛称は「なかよしこよし」、この愛称からしても子ども向けであることが分かりますね。
沿線にある旧鮎川小学校の木造駅舎を改装した木育美術館、「おもちゃ美術館」のオープンに合わせたかのように匿名の篤志家から寄付があり改造費用に充てたとのこと。その他、クラウドファンディングによる駅舎の改造や美術館からのシャトルバス運行など、由利高原鉄道各駅から美術館へのアクセススタイルが整い、親子でのおでかけの足として使われるようにもなったんだとか。
行き先表示はサボ、レタリングがやたら多いですが某九州をメインに荒ぶる某デザイナーではないようで。
車内です。ええ、秋田杉の無垢材をふんだんに利用しており文字通り木育列車となっています。
ドアです。化粧板まで秋田杉というわけではなさそうですが、ここも手を抜くこと無くしっかりと木目調としています。足元のステップを照らすためか、天井にはスポットライトが追加されました。
運転台です。半室構造は変わらず、運賃表はLEDタイプのままですね。
半室構造で反対側は客室として開放されているわけですが、車掌台にはグリップが付いています。ええ、なぜだかミトーカチックですよねぇ…。
天井です。照明は1列配置に変更はありませんが、暖色系LEDのスポットライトに交換されています。蛍光灯だとどうしても青白く寒々しい印象になってしまうので、この辺りも観光列車としての側面を重視したのでしょう。
また飾り照明が各柱に設置されています。窓は二段式で開閉可能、今となっては珍しいですね。
土台は木材、ガラス細工も美しい仕上がりですね。
座席です。まずはクロスシートからですが、フレーム自体はオリジナルのもので、JR西日本キハ120形の初期車やJR九州キハ125形などで見ることが出来るものです。異なる点と言えば、モケットが変わった他には持ち手がグリップになり、ヘッドレスト部分にクッションが付いたことですね。またテーブルも追加され、軽くお弁当や軽食を楽しめますね。
で一方のロングシートはと言うとですね…私、あなたのフレームはミトーカプレゼンツでしか見たことがありません…。まさかこんなところで出会うとは…。
タイプ違いだとこんなL字形をしたものもあります。真ん中には円形の固定式テーブルが追加されました。
でモケットを見ると…まさかのプヨプヨ柄、もう完全にJR九州を初めとするミトーカ系列にしか見えませんわ、どこまで似せてくるのやら…。
車両中央部にはカウンター席があります。テーブルにはやはりグリップとカップホルダーが付いています。
向かい側。決して恵まれていないローカル軌条にしてクッションレス・格子状の背ズリとは拷問かなんかでしょうかと…。
トイレです。この手の地方ディーゼルカーでよく見られるスリムなタイプ、バリアフリー全盛期となった今では今後このタイプは出てこないでしょうね。中は洋式となっています。
トイレの壁にはイラストが入れられています。
その下には地味に英字が入っています。
入り口には簡単なアーチがあり、うっすらデッキの役割を果たしています。
で、おもちゃ列車というからにはこんなものがあるわけで。
木のプールやおもちゃで遊べるようになっています。発想としては「あそぼーい!」のようなものですね。
更にベビーサークルならぬベビースクエアがあります。床面のクッションは座席と同じ素材となっています。
煙突部分にはロゴデザインが描かれています。
カウンターです。私が乗車した列車では使用されていませんでしたが、「まごころ列車」では車内販売が実施されるようです。
ゴミ箱を見つけましたが…なんと専用デザイン(笑)
この手の趣味をしている人しか得をしないだろう改造ステッカー。ええ、一応ドーンデザインではないようで…。
新たな需要開拓のため走り出したおもちゃ列車、鉄路を守る切り札となることを祈ります。