「ご乗車された時から京都気分」をコンセプトに走り出した、7000系を改造して登場した「京とれいん 雅洛」です。1両ごとに異なるテーマを持った内装のとんでもない列車なので、数回に分けてご紹介。
今回は「賑わいの時間を楽しむ」をテーマとした両先頭車をご紹介。まずは梅田方の1号車から参りましょう。テーマは"秋"と"楓"で、『紅葉文様を代表する図柄「流水に楓」を用いた、秋の京都を感じる車両』だそうです。
車内です。これが元々ロングシートの通勤電車とは思えません。デッキは有りませんが、障子をイメージしたと思われる仕切りが取り付けられています。
デッキは有りませんが、ロゴが入った暖簾がかけられています。これはこの車両だけではなく全車両に設置されています。
車端部です。先頭車は両側の座席を合わせてL字形になるような座席配置となっています。
こちらの仕切りには「京とれいん」から引き続き京都のパンフレットが備わります。
最前面です。座席配置自体は変わってませんが、仕切りが付いたため半個室のようになっていますね。前面展望は変わらず可能ですが、仕切り扉の大きさはそのままとなっています。
ドア間はこちら。明るい化粧板と、黒をベースに「流水に楓」の模様を散りばめた座席の二重のコントラストが目に飛び込んできます。個人的にはこの車両の色調が一番お気に入りです。
ドア間の天井です。照明は間接照明とダウンライトを組み合わせた事実上の半間接照明で、灯具は天井の骨組みをイメージしたものと思われます。なお空間の広がりを重視してか、荷棚は有りません。荷は軽くして乗車しましょう。
車端部の天井です。こちらは中央にダウンライト、その両側に間接照明を配置しています。観光用途とは言え料金不要列車にしてここまでやるのは中々例を見ませんが、ロングシートということもあり吊革が設置されています。ただ数は間引かれ吊り輪や留め具は木で作るなど、通勤仕様とは様々な点で異なっております。そうそう、こちらには荷棚がありますね。
最前面の天井です。こちらには吊革はありません。冷房の吹き出し口は従来よりも細いラインフロー式になっています。
窓です。かつて中央の扉だった部分は丸窓風の窓を取り付けています。それ以外の窓は通勤電車時代と変わりませんが、まぁそれも少なからず良くない影響を与えておりまして…。戸袋(跡)部分には飾り照明が設置されています。
座席です。6300系「京とれいん」の3・4号車と同タイプのボックスシートが並びます。こちらは4人組ボックスシートとなります。
座面・背ズリに畳を仕込んでいるのも引き続きですが、背ズリ上にパーティションが無いのが異なる点ですね。
続いて向かい側の2人組ボックスシートです。
で、窓配置がそのままの影響はここに出ておりまして、元戸袋の壁や柱がガッツリ視界に入ってきます。この会社はこの辺が無頓着なのか、8000系から全然変わりません。どうしようもなかったのかもしれませんが…。進行方向で柱や戸袋跡が被らないのは進行方向最後列だけなんですねぇ、戸袋跡くらいならまだ我慢出来ますが…。
中央には半月状のテーブルがあります。縁取りが無いのが危なっかしいですが、9300系ほどじゃじゃ馬のような走りでは無いのでそれほど問題でもなさそうで。
車端部のソファシートです。手前4席はこれまでのロングシートですが、何を思ったか奥の1席をL字形にしています。グループ利用を想定しての配置と思われますが、自由席につきご利用は計画的に。
向かい側はフリースペースとなっており、一番奥には1人掛けのクロスシートが設置されています。先述の通り向かい側のソファシートからの連続性を持たせたものと思われますが、実際はお一人様の恰好の的となっていますね、テーブルも有りますし(^^;; 優先座席に指定されちゃってますが、多くは語りませんがミスマッチな気もしています。
最前面の2人掛けです。左右を仕切りに挟まれた少し窮屈な区画ですが、前面展望が出来ることやその狭さからニッチな(いや、昔からの?)ニーズを掴んでいます。
続いては反対側、河原町方の先頭車である6号車です。テーマは"早春"と"梅"で、『新春を迎えた京都を感じさせる煌びやかな車両』だそうです。
車内です。仕切りに貼り付けられた化粧板が1号車とは異なり、その他も色々と違う模様です。
ドアです。内側はこの通りで、サイドの握り棒は北大阪急行9000系のような木目調化粧板を貼り付けたものとして冷たさを軽減しています。
ドア上には千鳥配置でLCDディスプレイが設置されています。あくまでエントランス、1000系のような大型のものではなく「パッとビジョン」を採用して明るくし過ぎないようにしている…と捉えておきましょう。なお、バックの柄は季節により変更されます。
車端部です。1号車との色違いで、妻窓は片面のみ残され、残された側も柄入りのすりガラスとなっています。
最前面です。貫通扉同様、仕切り扉の窓は改造前のままの大きさとなっています。
ドア間がこちら。1号車とは異なり、化粧板は暗めですが座席モケットはポップで明るいものとなっています。
天井です。間接照明のカバーの色調が暗いものになっている以外は大きく変わりません。
座席です。まずは4人組ボックスシートから。
モケットだけでなく、照明カバーと同様フレームや窓側の肘掛け、中央のテーブルがシックな色合いになっています。モケットはその対比を狙ったものなのでしょう。
元ドアがあった部分はこの通りで、丸窓風の窓の横には鶴の日本画が描かれています。ここ、人気席と言えばそうなのですが、展望自体はあまりよく無かったりします。日本画と共に楽しむのが良いでしょう。
続いて2人組席です。両側で絵のデザインは変わりませんね。座席に関して言えば、背ズリの腰部分とヘッドレスト部分が微妙にミスマッチな気がしており、ヘッドレスト部分は役に立っているようないないような…と言った感じで、無理に使おうとしない方がいいと思います。
ロングシートです。クロスシートと異なり、座席モケットもやや暗めの色調を用いています。
そして向かい側のフリースペースです。フリースペースには一応ヒーターも仕込まれているみたいです。
最前面の2人掛けです。こちら側は阪急のルール通り優先座席となっています。
向かい側から。6300系「京とれいん」とは異なり、肘掛けが無いのが少し残念な点と言えばそうでしょうか。