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JR北海道50系「富良野・美瑛ノロッコ号」仕様車

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北海道でも有数の観光地として知られる道央地区。富良野や美瑛はその中心を担っており、この二つの観光地を結ぶ富良野線には春から秋にかけてトロッコ列車が運転されています。


列車名は「富良野・美瑛ノロッコ号」で、ノロッコとは速度が遅い(のろい)とトロッコをかけあわせたものです。機関車も専用塗装のものが用意されています。

 

かつては4両編成でしたが、中間のナハ29000形が廃車されてしまったため現在は3両編成で運転されています。

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さて、毎度のことながら当日記での主役は客車でございます。使用されているのは全国でも絶滅危惧種となった50系一般型客車で、北海道に配置された車両は51形を名乗り、その中でもトロッコ列車に改造された車両は510の形式名が与えられています。またトロッコ列車化に際して形式名に展望車を表す「テ」が追加されており、この車両の形式名は「オハテフ510-51」となっています。普通車を表す「ハ」との組み合わせは全国で初めての事例だそうな。

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そして、ノロッコ号には機関車の機回しを省略すべく、運転室が追加された車両が存在します。

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その名も「オクハテ510形」、こちら側の運転台から最後尾の機関車を遠隔制御しており、オクハテが先頭になる時は推進運転となります。

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側面にはノロッコ号のマークが掲出されています。機関車寄りの1号車オハテフ510-51は指定席で、それ以外は自由席で運転されます。日本に数あるトロッコ列車の中で自由席の設定があるのも珍しい気がします。

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自由席車車内です。もとが20m級の客車だけあって、貨車由来のトロッコ車両よりも広々としています。

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ドアです。ここは一般型客車時代の面影を留めており、金属仕上げの片開きドアにステップの組み合わせは健在です。

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車端部です。ノロッコ化に際してデッキは撤去され、化粧板も剥がされた上で塗装仕上げとしています。右側にはゴミ箱と非常梯子がありますね。

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最前面です。中央と右側は客室とスルーになっており、ボックス席からは富良野行きの際に前面展望が楽しめます。向かいに人が来なければの話ですが…。

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天井です。こちらも化粧板は剥がされ塗装仕上げとなっています。おかげで骨組みが露出して少し厳ついですね。そんな改造が行われているわけですが、荷棚は恐らくレッドトレイン時代のものかと思われます。ほのかに香る国鉄っぽさ…。照明はちょっとした電球がまばらにあるのみです。昼だったので特に少なさは気になりませんでしたが、夜は薄暗くて良い雰囲気になりそうです。星が綺麗な美瑛、星空列車として運用してみてはいかがでしょう?

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窓です。ええ、間違っていません、「窓」です。雨天時にも走行出来るように設置されているものですが、私が乗車した時点ではこの窓は検札があるまで全閉のまま、非冷房なこともあいまって車内は蒸し風呂と化していました。暑かったぞ~!窓自体は二段式で、下降式の上段窓を開けることでようやくトロッコ列車らしくなります。

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座席です。まずは旭川方を向いて右側のボックスシートから。

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片側3人掛けの6人組ボックスシートとなっており、キッチリ座ると結構狭いです。そのせいかこれと言って肘掛けもありません。中央にはテーブルがあり、食べ物を広げてピクニック気分を味わうのもありですね。え、座り心地?そんなもの求めちゃいけませんぜ。ただ元がコイルバネ台車を履いた客車だけあり、板バネを重ねた貨車由来のトロッコ列車よりは快適かと思います。

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旭川方を向いて左側の座席です。こちらは窓側を向くことが出来るロングシートタイプで2人掛けとなっています。

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ちなみにこの座席、地味に転換ロングシートとなっており、ボックスシート方に向けて8人グループで使用することも出来ます。しかし、8人グループ以外に使用する機会が一切無さそうです(^^;;

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側面柵部分にはミニテーブルがあります。ボックスシート程の余裕はありません。

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そしてこちらは1号車、オハテフ510-51の指定席車です。都合により自由席と全く変わらないような撮し方をしていますが…。

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ドア横には車椅子スペースがあり、固定用のロープがあります。

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その横にはゴミ箱とスタンプ台などがあります。乗車記念にもらえる証明書裏にスタンプスペースがありますので、こちらでどうぞ。

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その向かい側の車内販売スペースです。アルコール類やソフトドリンク、おつまみや車内限定グッズなどが販売されています。

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車内中ほどにはこんなアイテムが。だるまストーブで、横には石炭も置かれています。石炭ストッカーの横には中型のスコップもあり、ちょっとした蒸気機関士気分が…初夏でしたので味わえませんでした…。ちなみにだるまストーブ上には網が張られています。確実にスルメ用ですね。

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トイレです。中は和式のまま、壁に主要三か国語で使用方法が記載されています。アジア圏以外にも多くの外国人が訪れる富良野・美瑛地区であろうが問答無用、郷に入りては郷に従え。これが「富良野・美瑛ノロッコ号」クオリティ。

 

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なお普段の運転では、釧路地区で活躍している車両が応援に入っております。数回に分けての取材で最後にこの車両をと思っていたのですが、中富良野から乗車予定だった富良野・美瑛ノロッコ5号が折り返し先である美瑛で故障したため富良野折り返し6号もろとも運休、結局撮り逃してしまったちょっとした曰く付きの車両となってしまいました(苦笑) この時はラベンダーも見ごろ前であったため、翌年にリベンジした次第。

 

車内です。座席配置等は変わりませんが、内側も塗装が異なっています。

 

それがよく表れているのが天井です。他の車両同様、ラベンダーの飾りつけは漏れなくされてます。

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ラベンダー畑駅にて。初夏の時期に忽然と姿を現し冬になると消滅する、ハイシーズンを除いてノロッコ号しか停車しない臨時駅です。ノロッコに乗りながら、雄大な大地を眺めるのも中々乙なものです。

 

 

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