山陽地区は、115系3000番台や117系、213系など、比較的2ドア車が多く走っている場所でもあります。今回はその2ドア車両群の一角をなしている115系3500番台を紹介します。今でこそ115系を名乗っていますが、元々は117系のモハユニットで、関西地区から地方線区へ転属する際、短編成化のために余剰となった車両を115系の非冷房モハユニットと差し替えるために改造が行われました。このような経緯から、3500番台には先頭車は存在しません。そして、岡山所属車は先頭車は3ドア、中間車は2ドアというチグハグな編成になっています。また出自がそれぞれ違う車両ゆえ、制御回路の応答速度が違うため、発車時の衝撃が大きくなっています。
車内です。かつては117系 300番台
のような車内でしたが、体質改善工事が施され印象が変わっています。
ドアです。かつては化粧板が貼られた117系本来のドアだったのですが、体質改善工事後はステンレス地のままのドアに交換されました。改善・・か・・? しかし新しく取り替えただけあって、他の115系のドアよりもスッキリしている印象ではあります。そして、117系時代にはなかった半自動ボタンが設置されています。
天井です。元々つり革がドア付近にしか設置されていませんでしたが、編入時につり革が増設されています。増設部分は吊り輪高さを下げなければならないため、荷棚からパイプを伸ばして高さを下げています。おかげでエラく厳つく見えます。これ、ドア上と同じ設置方法にして、つり革のバンド長さを伸ばせばこのような大掛かりな改造をしなくても良かったと思うのですが・・。バンド長さをどうしても揃えたかったのでしょうか。蛍光灯カバーは撤去されず存置されています。
車端部です。117系の特徴の一つであった濃い木目化粧板が、西日本リニューアル車でお馴染みのベージュ色のものに交換されてしまっています。ここは少し残念ですねぇ・・。仕切り扉は窓が細長く軽いものになっています。ここは少し進歩。
窓です。田の字窓や、爪を引っ掛けるタイプのロールカーテンなど、原型を保っています。
座席です。まずは改造で誕生したロングシートから。6人掛けです。2ドアで詰め込みが利かないという理由で設置されたのは117系300番台と同じです。座り心地も117系300番台同様、座面は程よいバウンズ感を持っているものの、背ズリは底付き感のするものです。袖仕切りも同じタイプを使用しています。固定クロスシート背面の肘掛を兼ねたボックスも忘れず設置されています。このロングシートの壁際の処理方法、今時の車両ではとんと見ませんね。ちょっとした窪みを付けて、「どう、配慮したでしょ?」なんて言われても・・ねぇ・・。
中央に存置されているクロスシートです。左右4脚が残されています。青春18きっぷシーズンでは、一般客と混じってこのクロスシートの争奪戦が繰り広げられます。座席自体は種車のままとなっています。
車端部の固定クロスシートは、例によって例のごとく幅が狭められています。
幅の違いです。こうしてみると違いが明らかなんですねぇ。
中々中途半端な存在となっている3500番台ですが、これ以上に(色々な意味で)曲者がまだゴロゴロしている山陽地区ですので、まだまだ継続使用が見込まれます。