京都の出町柳から北部の観光地を結ぶ叡山電車。鞍馬線系統の看板列車となっているのがこの900系です。
京都市営地下鉄烏丸線の延伸に伴う乗客減少が予想されたため、通勤通学中心路線から観光路線へと転換するに当たって導入した系列です。
トップナンバーは赤色塗装となっています。鞍馬の紅葉をイメージしています。
第二編成はオレンジ色の塗装です。
2編成とも「きらら」という愛称が付いています。下部にはこのようなプレートも貼られていますね。
そうそう、製造は今は無き武庫川車両が行いましたが、設計自体は近畿車輌デザイン室が行ったものだそうです。インセンティブは支払っているとは思いますが、近畿車輌としては自社で製造もしたかったでしょうね(笑) それだけ武庫川車両との縁が厚かったからかもしれませんが、そのせいかこの系列を最後に叡山電車では新規系列の新造が途絶えています。
肩部には親会社の京阪のCIが貼られています。事情を知らなければ「なぜ京阪?」となるでしょうね。そういえば、元親会社で現在は兄に当たる嵐電こと京福電鉄でも、同じ事情から新造が途絶えていますね。両社とも、早急に置き換えが必要な車両がいなくなったというのもあるでしょうが‥。
運用は基本的に固定されているので、狙って乗車することも出来ます。運が良ければこのように並びます。
車内です。観光用列車として導入されたこともあり、窓が非常に大きくなっています。
ドアです。片開きの引き戸は幅が広いもので、窓は二分割ながら一体的なデザインとなっています。とにかく窓の面積を増やしたかった意図を感じます。
車端部です。こちらのテーマは「後面展望」。進行方向反対側を向いていても展望が楽しめるようにパラミックウインドウとなっています。前面窓に使用されることは多いですが、車端部に採用されるのは珍しいですね。ちなみにこのような構造なので、仕切り扉はありません。基本的にワンマン運用なので、通り抜けも考慮すると必要ないですね。
車端部は立ち席スペースとなっており、窓際にテーブルも設置されています。
上部には「きらら」のステッカーが貼られています。
向かい側は車椅子スペースとなっています。付帯設備は握り棒のみです。
最前面です。前面窓・仕切り窓共々大型で非常に気持ちがいいです。紅葉の時期は非常に混雑する鞍馬線、車掌台側には握り棒が設置されています。基本的にはワンマン運転のため、運賃箱・運賃表が設置されています。
運賃表の上には、さりげなくローレル賞のプレートが。鉄道業界では栄え在る賞なのですから、もうちょっと目立たせてもいいと思うのですが…。
その最前面からの展望の様子。かなり山奥にまで入っていきますから、かなりの迫力があります。ちなみに、秋の季節には紅葉のトンネルにて夜間にライトアップを行っているのですが、この系列を目当てに乗車する人々でとんでもないことになるそうです(^_^;)
天井です。照明はカバー無しの蛍光灯となっています。空調とラインデリアは連続調のデザインです。
窓です。非常に大きい窓で、開放感も抜群です。これで紅葉のトンネルもしっかりと見れますね。ちなみにこちらは座席が窓側を向いた方のものでして、固定窓となっており、日除けも有りません。まぁきららに乗ってまで日除けを降ろすのは愚行ともいえます。
肩部にも窓が設置されています。立っていてもしっかりと景色を見ることが出来ますね。こちらには日除けが設置されており、朝のラッシュ時などには乗務員さんの判断で降ろすことも有るそうです。そうそう、荷棚は窓がある部分は設置されていません。扉付近にのみ荷棚があります。
こちらはクロスシート部分の窓です。こちらは窓は開閉可能で、日除けも設置されています。
紅葉のトンネル付近を走行中です。深緑の季節もまた乙なものです。
窓枠には紅葉のイラストを施したプレートが設置されています。
座席です。まずはクロスシートから、画像は1人掛けです。固定式となっており、背ズリのヘッドレスト部分は垂直方向を向いています。京阪系列ということも有るのでしょうか、エクネス社製のものに似ている気がします。通路側には大型の持ち手が設置されています。かつては赤色に塗装されていましたが、現在は金属地そのままとなっています。
ドア横に関しては衝立が設置されています。足元は埋まっており、更に何故だか機器が張り出しているために足元はちょっと窮屈ですね・・。こちら側は1人掛けがズラッと並んでいるのですが、出来れば転換クロスシートにしていただきたかった気がします。ちょっと贅沢な注文ですね(^^;; そして背ズリは上辺が通路側へ向かって弧を描いて切り落ちる形状になっています。少しばかり気になりますね。
こちらは2人掛けです。1人掛けのあのデザインは2人掛けでこそ生かされるものなんですね(^^;;
こちらは4人掛けのボックスシートです。座り心地は大したものではなく、バスの座席に近いといえば近いかもしれません。鞍馬まで乗車しても30分そこそこ、必要十分と言えるでしょう。
そして窓側を向いた展望席です。座席はそれぞれ運転台側へ向けて少し傾けてあります。大きな窓にこの座席。うーん、とても贅沢です。
ここ最近、京都の二郎を訪れるために京都を訪れました。何とか完食したものの、色々と身体に異変が見られた中やって来たきららに乗り込んだ瞬間・・何とか胃に収めたものが暴れ回る気がする位の変化が起きていたのでした‥!
最前面です。まず変化があったのは左上ですね。
運賃表示機がLCDディスプレイに変わっています。ローレル賞の記念プレートはそのまま残されています。
座席は落ち着いたグレーのモケットから鮮やかなブルーに変わっています。座席配置自体は変わらず、このようなカウンター席はそのままです。
1人掛けクロスシートです。
上にあげたものと同じ位置で撮影してみました。ドア横の座席はやっぱり窮屈ですよね‥。
続いて4人掛けボックスシートです。
今見てもシートピッチはやや狭いので、それこそ4人グループで利用する方が幸せなんでしょうね。
立ち席スペースのカウンターはそのままです。
ただ向かい側はベビーカーマークが追加されフリースペースとされています。
しかし‥床はそのまま、せっかくモケット変えたんですから、ここもしっかり変えて欲しかったかなぁ‥。
鞍馬駅には、この系列のローレル賞受賞を記念した植樹があります。
折り返しまでの時間、生首状態ですが長老とも顔を合わせます。
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