紹介するのは、見た目はほとんど一緒の右側の…間違えた、左側の5代目新快速用車両、223系1000番台です(^^;;
1995年登場で、新快速130km/h化の立役者でもあります。阪神淡路大震災からいち早く復旧したJRが、私鉄に乗客を取られまいと開発した車両でもあり、その後のJR西日本の躍進振りを見ればほんとにこの車両が各方面に与えた影響は大きいと思います。ただ、圧倒的に2000番台のほうが多いため、敦賀-播州赤穂256kmの間、どこを走っているかを掴むのは至難の業ではあります。当たれば色んな意味でラッキーですね(但し、座れればの話)。北は北陸本線敦賀、南は赤穂線播州赤穂まで、新快速から緩行線区間を除く普通電車まで幅広く運用されています。
2000番台との違いといえば、前照灯と尾灯が分離されているため目つきが悪いこと(オイ)、側面にビートがついていることなどでしょうか。この系列、他番台に比べるとパンタグラフの架線からの離線が多く、よく停電する印象があります。一応改良はされてるみたいですが…。そして騒音がものすごいです。モハ車に乗っていると、130km/hでの爆走時はまともに会話ができません。
車内の様子です。伝統のブラウン系のオールクロスシートの車内です。
ドアです。半自動機能が搭載されています。外側には開けるボタンが設置されており、半自動扱いでは「ドア」の文字が出てきます。車内には開閉どちらのボタンも設置されています。ドア自体は化粧板が貼られた窓の大きいもので、これは関西標準ですね。ドア上には電光案内があります。号車表示も併設されています。ですがこの位置では着席者からは見えずらいんですよね、サイズも少し小さいですし…。
天井です。照明カバーがかけられているこちらも関西では標準のものです。画像ではまったくわかりませんが、指定席導入も視野に入っていたのか、荷棚の縁に座席表のステッカーが貼られています。この辺は各会社の近郊型電車全てに貼り付けられているので、恐らく伝統なんでしょうね。
天井をもう一枚。照明カバーがやけに黄色く見えますが、フラッシュを焚いた関係です。1000番台に関しては、荷棚先端や冷房吹き出し口に、大理石調の化粧板を貼り付けています。目立ちにくい所ですが、細やかなところに高級感を織り込ませた作りとなっています。
最前面です。JR東海もビックリするほどの窓が大きく取られたものです。
トイレのある車端部です。トイレが無い場合はどちらも座席があります。この車両が登場した頃はバリアフリー云々にはあまりうるさくない時代だったため、トイレは和式でコンパクトなものです。この車両で2000番台と比べてハズレな部分というと、トイレが和式なだけではないかと思います。
それでは座席へと参ります。
まず転換クロスシートから。2000番台と違い背ズリ部分が分離していて、窓側に肘掛も設置された気合の入ったものです。背ズリに詰め物がしっかり入っているので、ホールド性は抜群です(ともすれば「突っ返す」が正しいほどに)。逆に姿勢よく座ると仰け反る勢いなので、少しラクな体勢で座るのがベストかな、と思います。窓の桟が広く取られていて、飲み物などは置けるようになってます。
こちらは固定シート。転換クロスシートも比較的座席形状に工夫が見られますが、こちらの方が転換する必要が無く、形状に自由が利くということで、自然な形になっています。狙って座るのも悪くないでしょう。ヘッドレストカバーは、223系共通の分離したビニール製で、少し安っぽいものです…。
車端部のボックスシートです。戸袋窓があるせいで、ドアが開くたびに少し鬱陶しくはあります…。背面は立ち席のお客様を考慮してクッションが設置されています。クッションより下にはモケットではなく化粧板が貼られています。
この戸袋窓が張り出す区画には小さなテーブルが設置されています。これは窓の桟がとれないための処置と思われます。このような気配りがうれしいですよね(^^) 2000番台ではその気配りはどこへ行ってしまったのやら・・(苦笑)
さてこちらはトイレ向かいのボックスシートです。優先席に指定されていて、カバー上部が緑色にされて区別してあります。
さてこのボックスシート、どういうわけか肘掛があがるようになっています。そして背ズリもヘッドレストが分離されたものです。それが上の画像です。肘掛をうりゃぁと上げてみました(^^;; 車椅子スペース確保のためなら座面も上がると思うのですが、どうがんばっても座面、上がりません。ロックされているのかどうかはわかりませんが、もしそうだった場合跳ね上げた状態のこの座席を見てみたいものです。
最後に補助椅子です。混雑時間帯にはロックされて、表示灯が光るようになっているカネのかかったものです。
引き出せば背ズリがしっかり出てきます。2000番台以降ははコスト削減のためにこの辺は手抜きされているので残念なところです。
最近では座席モケットを225系と同様のものに交換した車両も多くなってきました。画像はその車両の車端部です。色が濃い目になった分、クロスシート背面の化粧板の白が一層浮きますね。
その優先座席バージョン。ヘッドレストカバーと窓に貼られたシールのみでの区別なので、正直判別しにくいですね。
座席です。モケットの触り心地としては先代の方が高級感があり遥かに優れていましたが・・。
固定クロスシートです。モケットを変更しただけなので、座り心地は変わりません。
ボックス配置をどうぞ。2000番台以降の車両と比べると、やっぱりカネかかってますよねぇ。
車端部のボックスシート区画です。壁際の座席が若干狭いのは国鉄時代から変わりません。これでもかなり努力はしている方ではあります。
そして優先座席です。ここだけなぜか戸袋窓が残っており、JR西日本でも最後の戸袋設置車両となっています。
こちらはモケット変更車の補助椅子です。
さて、歴代最長就役期間を誇る223系1000番台、製造から25年が経過し、体質改善工事が施された車両が出てきました。
行き先及び種別表示はフルカラーLED表示機となり、前照灯もLED灯となりました。またスカートが強化版になっていますね。
また尾灯があった部分は埋められ、前照灯の横に移設されました。照明を小型化しても、シールドビームと同等かそれ以上の照度を得られるようになるとは、25年も経つと技術も進歩するものです。
車内です。まぁ例に倣ってといいますか、座席の色調が濃くなった半面、黄色が目立つようになりました。
ドアです。握り棒は黄色で径が太く、代わりに長さが短いものになりました。
それよりもこっちですね、LED表示機はLCDディスプレイに置き換わっています。全ドア上に片面が設置されていますが、片側は次駅等の運行案内、向かい側はCMを流すような方式としています。同じロットを量産すればよい、ということなんでしょうね。
車端部です。仕切り扉はやはりステンレス仕上げ化されています。その割に周囲の化粧板はブラウン系のままなので、仕切り扉だけが浮いちゃってます。ここも灰色の化粧板にしておいたらまだよかったのに‥。
こちらはトイレを有する区画です。ここも体質改善工事前からするとガラッと変わっちゃってますね。
最前面です。握り棒が黄色になった以外は特に変わりはありません。
天井です。吊革が黄色になった以外特に変化なし、小洒落た荷棚の前飾りもそのまま残されています。これも223系1000番台だけの特徴です。
窓です。日除けの生地だけが交換されています。
座席です。まずは転換クロスシートからです。
持ち手は他と同様黄色に塗り替えられています。221系と異なる点としては、窓側にも肘掛けが残されていることです。やろうと思えば出来たとは思いますが、わざわざ撤去するのは面倒だったんでしょうね。
優先座席については、ヘッドレストカバーのデザインが変わっています。緑の部分に一列に配置されるようになりましたね。
ドア横の補助椅子です。元々使用中止時はランプが点灯する仕様でしたが、メンテに負けたようでプレート式に変わってしまいました。
展開の図。背ズリが出て来る仕様のままで安心しました。
車端部のボックスシートです。戸袋窓は引き続き残るため、ミニテーブルも残っています。
優先座席のバージョンです。こちらはヘッドレストカバーがそのまま…。多分、転換クロス側は持ち手の塗り替えに併せて交換をしたのだと思いますが、こちらは交換の必要が無かったんでしょうね。
トイレです。JR西日本では最後の和式トイレで製造された車両でしたが、バリアフリー対応の大型タイプの洋式トイレに生まれ変わりました。比較的更新メニューを絞って来たこの系列ではありますが、こういうところはケチることなくしっかりやっています。
向かい側のフリースペースです。元々はボックスシートがあった区画ですね。握り棒、非常通話装置、ヒーターがある一方で、荷棚は撤去されています。
223系の中ではどの車両よりも完成度が高い223系1000番台。当たって座ることができればいつもと違う移動ができるかも。新系列車両が入ってもまだまだ元気に走りそうです(@新大阪で「普通」表示はご愛嬌!)。
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