JRから引き継いだ115系を何とかしなければならなくなったしなの鉄道、令和の世になり、ようやく新型車両が導入されはじめました。
SR1系、系列名も新たに新しい風を吹き込んだ感がありますが、車両自体は新潟で先行投入されているJR東日本E129系をベースにしております。
なおしなの鉄道で最初に導入されたのは、ライナー等有料列車への投入も前提とした青いラッピングを施したグループで、後に普通列車用車両も導入し、115系を置き換えていく予定です。
窓回りの銀は仕方ないとして、フルラッピングにして沿線の風景に溶け込むようなデザインとしています。
有料列車、「軽井沢リゾート」を筆頭に、送り込みで普通列車にも入ります。それにしても、「軽井沢リゾート」って特別快速なんですね。
車内です。デュアルシートを搭載した3扉車両で、普通列車運用では基本的にこのロングシートモードで運転されます。
続いてこちらはクロスシートモード。有料列車(「軽井沢リゾート」では1号車)はこのように回転クロスシートとなります。
続いてこちらが「軽井沢リゾート」の軽食付きコースに充当される、2号車のボックスシートモードです。
ドアです。両開き式で、E129系ベースということも有り化粧板が貼られています。ステンレス仕上げばかりのしなの鉄道にして、冬場は多少ながら冷たさが軽減されるようになったことでしょう。
ドアは半自動式で、外側に開ける、内側に開閉両方のボタンが設置されています。ボタンは電光式、最近では当たり前になってきましたね。
ドア上には開閉ランプとLED表示機が設置されています。ここ、新潟のようにLCDディスプレイは搭載されなかったようですね。
車端部です。こちらは妙高高原方となります。ポイントなのが車端部の座席もデュアルシートになっていること。ここ、ロングシートにすることが多い中、極めて珍しいと思います。
こちらは軽井沢方。しなの鉄道の車両としては唯一トイレが使える車両となります。汲み取りは…どこでやるんでしょうね‥JRの長野に任せるのでしょうか。
最前面です。仕切り扉、ここだけはステンレス仕上げです。また、窓が左側に大きくなっているのが気になります。ワンマン運転での死角をなるべく少なくするためなんでしょうか…。
天井です。有料列車運用もこなしているのですが、照明はカバー無し、色調も蛍光色です。吊革も多数ぶら下がっており、2両で混むようになるから気を付けろ、ってことなんでしょうか。唯一配慮があるとすれば、広告が付いていないことですね。
窓です。ここも料金がかかる列車としては「どやさ」な日除け省略、着色ガラスで済ませています。
座席です。前述の通りデュアルシートで、ドア間は5列配置となっています。115系比で、着席定員は減っています。座れれば天国、立てば(略)を体現しています。
リクライニング機構はお約束のように無く、やや切り立ち気味の背ズリが長時間乗車ではしんどくなります。いつも思うのですが、デュアルシートにリクライニング機構を付けるのって、そんなに難しいんですかね? 乗り降りが多いだとか、色々制約はあると思いますが。
で、座席だけ変えて窓割りは相変わらずなので、柱が入っちゃう修行席区画もあります。
それより酷いのはここでしょう、戸袋窓で視界はほぼゼロ、またドア前の衝立があるため足元は非常に狭いです。それと、通路側にはドリンクホルダーが有りません。有りませんというより、これだけ足元が狭いと付けられませんね。なんにせよ、あまりいいところが無い修行席を通り越した理不尽席です。
座席の回転は黄色のレバーを引き上げて行います。この辺りは京王5000系と同一ですね。
もう一度衝立。これ、冬季は寒風が顔面直撃という光景が目に浮かびます(笑)
そして車端部のクロスシートです。同じ料金を支払うということで、乗客にフェアなサービスを提供するという点では良い選択だと思うのですが、足元がどうしても狭いということと、ロングシートを配置するよりもやっぱり定員減となるのがデメリット。
続いて軽食プランで指定出来るボックスシート配置です。
座席の片側には大きなテーブルが置かれています。・・今回は長野発軽井沢行きの軽井沢リゾート2号に乗車したのですが、このテーブルは奇数号でもそのままで運用されており、進行方向と逆向きで乗車することになります。折り返し時間はそれなりにあると思うので、可能であればテーブル転換というサービスがあってもいいと思います。
それと、窓割りはここにもちょっとした影響があり、アタリとややハズレがあります。2号の軽井沢方区画については、柱が手前に入るのが6A、奥に入るのが4D、その他は柱無しとなります。出来れば柱無しがいいですよねぇ。
ロングシートモードです。床面積こそ広がりますが、鉄道において着席というのは大きなサービスなので着席定員の減少は残念ですが、座れればゆとりのある占有面積は得られます。なお、軽井沢リゾート送り込みの朝の長野行き普通列車では、テーブル付きの先頭2号車はなんとそのまんまで突っ込ませています(笑) いや、もうあれは正直乗客がかわいそう…。
一部区画は列を潰してヒーターやちょっとしたテーブルのように使えるフリースペースがあります。着席定員減は、こういうところにも表れています。この台を無くすかもっと小型化出来れば、車端部区画の居住性もはもうちょっと悪く無かったんだろうにねぇ‥。
トイレです。バリアフリー対応で、開閉はボタン式です。繰り返しですが、ようやっとトイレを使える車両が出てきましたね(笑) それだけでも大きなサービス向上だと思います。
フリースペースです。ヒーターも長めにお送りしております(笑) 立ち席スペースとしての活用も十分に見込んでいると思われ、あちこちに握り棒があります。
さて、ここからは乗車した軽井沢リゾート2号の軽食プランの模様をお届け。
例のフリースペースには、消毒液が置かれています。普通運用では無かったので、長野駅でセットしたんですね。
座席のご様子。まぁ…何も知らずに座席を指定したらこのように柱が入る残念な席になります(笑)
沿線の観光パンフレット、そして軽食、りんごジュースと、ドライフルーツ(もちろんリンゴ)が並びます。
軽食はこのSR1系ライナー仕様車が描かれたかけ紙付きです。
中はこんな感じ。THE・朝食と言った感じで、中々オシャレです。欲を言えば、フォークが欲しかったですね(^^;;
沿線にはSR1系デビューを祝う横断幕もあります。そうそうこの「特快」、停車駅はかつて運転されていた“特急”あさま並に絞られており、何ならあさまが停車していた小諸駅は、1号を除いて通過します。軽食プランでなくとも、軽井沢-長野間を1時間程度で走破する速達性もありますので、かつての特急あさまを彷彿とされる走りを楽しむために乗るのも悪くないと思います。
軽井沢駅で、ろくもんと並びました。しなの鉄道の看板2列車ですね。