長年5000系4両編成2本を除いて普通車の運用は3000系列ばかりだった山陽電鉄ですが、2016年、ようやく平成・令和生まれの電車が登場しました。
名を6000系と称し、最初は3両編成×2本の6両が登場しました。登場当所は乗務員訓練が行われていないためか3両編成の普通車運用となっておりました。
2000系以来続く山陽らしさが漂うアルミ無塗装車体で、山陽のシンボルカラーでもある赤を中心としたステッカーが彩りを添えます。誰ですか、「姫新線」なんて言ってる人は(^^;;
行先表示は山陽では初となるフルカラーLED表示機が採用されています。何気に号車表示付きですね。
最近は本数も増え、直通特急に入る姿も時折目にするようになりました。
中間に入る場合は転落防止幌が設置されます。必ず6両編成になると決まっているわけでもないのに、毎回取り外しするのは大変そうです。一応、連結する向きは揃えていそうですが・・。
車内です。3000系までの暗くて野暮ったいイメージから脱却するかのように明るい車内になったのには拍手ですね。
ドアです。化粧板仕上げで、イエローラインが入っています。ドアのそれぞれ両側にイエローラインが入っているのも結構珍しいような気もします。
ドア上にはこちらも山陽では初となるLCDディスプレイが設置されています。片面のみの設置で、次駅案内などの表示に徹しています。
向かい側のドアです。LCDディスプレイは千鳥配置となっています。車端部側は多少ドア横の空間が広くなっておりますが、立ち席として使える程ではありません。
広告枠が備わっており、その下にはやはり山陽初の戸閉表示ランプが設置されています。
ドア横にはまたまた山陽初、半自動ボタンが備わっており、通過待ち等の長時間停車時には半自動扱いとなります。直通先の阪神の5700系にも採用されており、私鉄では珍しい存在ではあるものの、今後半自動ボタン装備が標準化される日が来るかもしれません。
車端部です。全国的に妻窓付きの新型車両は少数派なような気がしますが、関西では割とポピュラーですね。やはり採光性を重視するならばあってほしいですね。
フリースペースを有する車端部です。仕切り窓はガラスが大きいものを使用しています。8000系から5550系までの阪神電車みたいですね。
優先座席とフリースペースを有する車端部です。モケットの色が反転しており、化粧板が寒色系であることも手伝って少しお寒い状態となっています。
最前面です。3000系からの伝統である運転席部分が客室側に張り出したスタイルはこの系列でも健在です。5000系までは運転台側の窓は高めになっていたのですが、この系列からは車掌台側と同じ窓となっていますね。その下には握り棒が設置されています。5000系の中期車から5030系まではモケット張りのクッションが設置されていただけに、少し先祖返りな感もあります。
優先座席を有する最前面です。高運転台は引き継ぎながらも、前面展望に配慮するように車掌台側の窓は引き下げられ、直後には座席も設置されています。うれしい配慮ですね(^^)
天井です。荷棚は前時代的なバータイプ、ラインフロータイプの冷房吹き出し口に、所々にラインデリアが設置されています。
照明は反射式のLED灯となっています。中央よりも肩部の方が奥行きがあり高くなっているのですが、その傾斜に合わせる様に照明が設置されています。そのせいで、せっかくの反射式照明なのに座っていると光が直撃します。反射式照明は並行に設置して然るべきです。
窓です。一枚窓を3枚配置しています。日除けもしっかり備わっており、フリーストップ式のロールカーテンとなっています。
座席です。まずはドア間の8人掛けから。支持方式が片持ち式となり、山陽の伝統であったチェックのモケットをやめ、地元兵庫県の花である"のじぎく"をあしらったものにしています。座面は緩くバケット形状になっており、空いていればゆったり座ることが出来ると思います。
車端部の5人掛けです。この車端部のみ、なぜか座席間に仕切りが入っています。袖仕切りは何やら東京メトロあたりで見たことがあるガラスを組み合わせたものです。この仕切りの利点としては見映え程度ではないかと思っており、立ち席分離にしては大きさが中途半端なのと、肘回りの余裕が一切ありません。オマケにガラスは触れると冷たいですよねぇ。そう言えば、車端部の座席下は旧来通りの形態としていますね。こちらの方が暖房の保温性は高いと思いますが…。
優先座席です。こちらは視認性を高めるため水色のモケットになっています。
フリースペースです。握り棒と非常通話装置が備わります。隣には2人掛け座席が備わります。袖仕切りが従来の形状に近いのでさっさと埋まってしまう傾向にあります。
優先座席バージョンです。やはり化粧板が白系となっているため、かなり寒々しい印象を受けますね。
最前面の2人掛けです。前面展望はこちらからとなります。袖仕切りが大型になったため、かなり狭い印象ですね。
そして優先座席バージョン。座り心地ですが、座面は程よい柔らかさなのに対して、山陽電車の長年のウィークポイントである背ズリの直角さが今回も気になりました。もう少し角度を付けるなりクッションを厚くするなりすれば…と惜しく思います。
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