富山地鉄の市内電車で、平成を代表する主力車両だったのがこの8000形です。
市内電車では約30年ぶりの新造車両で、この電車の導入により市内電車の冷房車率を100%にすることが出来た記念すべき車両です。
ほとんどの車両が広告車両となっている感じがしますね。近年は低床車両が席巻しつつありますが、変わらず市内電車で活躍しています。
それでは車内です。生まれがそこまで昔では無いとは言え、まだまだバリアフリーにはほど遠い時代の車両であることが分かる高床式のパッケージです。これでも、7000形以前の旧型車と比べればスッキリもしてますし、車内の雰囲気も明るいです。
ドアです。こちらは中央の入口のもので、中々見かけない両開き式の折戸となっています。中央には手すりを配置しており、乗り込みの補助と分散乗車…という意図を勝手に想像します。窓が大きく取られており、見通しを良くしています。ステップがあるということもあるんでしょうね。
運転台です。中央の仕切りは広告枠しか設けられていません。近年ならばLCDディスプレイとかがあってもおかしくはなく、均一運賃と言えども、次駅案内などはあってもいいんじゃないかなぁ、とは思います。
天井です。製造当初から冷房を搭載しているだけあって、非常にスッキリしている印象です。黒の冷房吹き出し口のラインが2本走り、照明と吊革が並びます。化粧板が白系で明るみを上げてはいるものの、照明は少なめです。
で、吊革と握り棒が干渉する部分をクローズアップ。時折ビビるほどに揺れることがある市内電車、横揺れでポールや吊り手が傷つかないようにクッションが巻かれています。でも、しっかりヒットしないと「カチン」と音が鳴ります。
窓です。4枚の窓が配置されており、両側は固定窓、中央2枚は二段式で上段が内折れ式で開閉可能です。で、固定窓は端となる部分が地味に隅が丸みを帯びた処理とされています。降車ボタンはこの時期らしいボタンの面積が小さめのそれです。
座席です。ロングシートで、クッションが分かれている以外は特に着席区分等はありません。特筆すべきは座席ヒーター部分にモケットを貼っているところで、(普通に座れば当たらないとは思いますが)触れても冷たくないようにという気配りが見えます。袖仕切りは肘掛けを兼ねた板、登場時期らしいと言えばらしいですね。モケットの色が座面と背ズリで異なりますが、交換時期の問題でしょう。
最前面の3人掛けです。座り心地は、ここ最近乗車したフツーの路面電車の中ではトップクラスにイマイチです。背ズリが短いうえに薄く垂直と言う、ほとんど使い物にならない仕様なのが大きいです。いや、恐らく平均的な乗車時間は短いですけど‥。
最後に‥特に表示は無いですがフリースペースです。付帯設備は握り棒のみ、当初は立ち席スペース想定だったのかもしれません。ヒーターもありますので、寒い日も多少は安心です。