阪神なんば線開通に合わせて導入された1000系です。9000系に次ぐステンレス車で、色に関しては9300系での反省を生かして、オレンジをベースにして前面をブラックフェイスとすることにより、阪神タイガースを思わせる車両にしたということです。しかし、今度は「ホークスか!」との文句が一部から出たようで・・。そうすると青胴車は一体・・。そして前面はなかなかシャープに仕上げているのですが、ドアをオレンジで貼ってしまったばっかりに、鉄道に詳しくない利用者からも「安っぽい」との意見が。9000系とは違いビートなどがなくなったため、余計にそのように見えてしまうのかもしれません。
ぞろ目車両、「1111」です。運用範囲は極めて広く、阪神本線では急行系種別に充当され、直通特急や阪神特急では山陽電鉄にも乗り入れます。また阪神なんば線から近鉄奈良線にも乗り入れます。その際は快速急行から普通までの全種別に使用され、一部では近鉄奈良線内完結の急行にも使用されます。
割と急行系車両へのラッピングが多い阪神電車、1000系もその対象となっており、いくつかのラッピングが施されています。
阪神間は関西でも随一の酒どころ、この編成はそれをアピールするためのラッピングとなっています。
先頭車の運転台ブロックには「灘は日本一の酒どころ」と大々的にアピールしたラッピングです。
梅田寄り先頭車にはお酒に関する様々な様子が描かれています。大八車を牽いたニャンコがかわいいですね。
それ以外の車両では各地の酒どころを表しています。まずは「今津郷」、こちらにも酒樽を持ち上げたニャンコがいます。
お次は「西宮郷」。ニャンコが虎猫なのは偶然ではないはず。
続いては「魚崎郷」です。ニャンコがインテリチックなのは日本屈指の入学難関校、灘中高があるためでしょうか。
続いて「御影郷」。もはや何なのか分かりません。
最後の三宮方先頭車は「西郷」。いい顔してますね(笑)
さて、ようやく本題の車内全景です。全体的に薄い色使い、製造が近畿車輛ということもあってどことなくシリーズ21の後期車と似ている気がしなくもないです。
ドアです。LED表示機の有無で2種類存在します。化粧板が貼られ、窓もまずまずの大きさを確保しています。
LED表示です。最近の流行なのか、文字が小さめです。かつての9300系まではマップ式の点灯表示付きのものでしたが、1000系では停車駅の案内へと先祖返りしています。やはり、維持が大変なんですね・・。そして近鉄奈良線へと乗り入れるようになったため、停車駅案内がとんでもないことになっています(^^;;
急行の尼崎センタープール前駅臨時停車時のLED表示。表示めいっぱいキチキチです(笑)
車端部です。仕切り扉は引き続き大型のものが採用されています。ステンレス車体ながら妻窓が設置されており、昼間は陽の光が車内に入るようになっています。この辺は関西私鉄ならではですね。
こちら車椅子スペースを有する車端部です。
そして優先座席を有する車端部です。こちらにも車椅子スペースが設置されています。
最前面です。仕切り窓が小さくなったので前面展望に適さなくなっています。この辺りもまた近鉄チックですねぇ・・。そして、仕切り扉は快速急行での増結運用に対応するためか、阪神では珍しく引き戸式です。
優先座席のバージョンです。車端部でも気になったのですが、消火器が張り出していてちょっと足元が鬱陶しいかな、と思います。
天井です。やはり難燃性基準の向上から、照明カバーが廃止されています。せめてもの配慮として、蛍光灯自体を天井に半分埋め込ませることにより、光が拡散するのを軽減しています。しかしそれでもカバー有りに比べると温もりの無い光が照らしているという印象に変わりありません。最近はLED灯になっていることでしょう。
窓です。従来車は3枚窓でしたが、1000系では大型の2枚窓となっています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプ、生地の色に関しては座席に合わせたものでしょうか。
座席です。バケットタイプのロングシートで、ドア間は8人掛けとなっています。肘掛が従来車とは違い、傾斜を持たせたものになっています。そしてその肘掛からはパイプが荷棚にまで伸びています。
車端部は5人掛けです。9300系あたりから「最近の阪神のロングシートはどうもおかしい」と思い始めていたのはこれまで他車を取り上げた時にもかねがね言っていたことなのですが、この座席もやっぱり「?」。乗り入れてくる近鉄のシリーズ21ロングシートに比べるとはるかに救われたものですが、5500系や9000系、8000系の更新前の座席に座りなれた者からすればやっぱりクッション性が無く硬いですねぇ。車端部に関しては、仕切り扉の戸袋の有無に関わらず肘を逃がすスペースがあってマル。中間運転台を有する車端部では更に余裕が生まれています。
車椅子スペースです。握り棒2本と非常通話装置が備わっています。
最前面の2人掛けです。近鉄乗り入れのための機器の関係からか、定員が1名減少しました。ここに座席が存置されたのもある意味奇跡ですが(笑)
1府2県の広範囲で運用される1000系、今日も至るところで出没しています。
さて、ここからは38年ぶりの阪神タイガース日本一を記念して副標シリーズへとまいりましょう。18年ぶりのセントラルリーグ優勝を決めた翌日より、特別副標を全列車に掲示して運転をしておりました。
こちらは阪急・東急とコラボしたSDGsトレインです。「ラッピングにかかるコストはSDGsじゃないのか」という質問は無粋です。
そしてシーズン終了からクライマックスシリーズまでの長期ブランクも何のその、ファイナルステージをストレートで制して同じ関西に本拠地を置くオリックスバファローズとの日本シリーズ開催が決定し、これまた特別副標が入れられておりました。この史上二度目の関西ダービーは、お互いの本拠地を快速急行でダイレクトに結べることから「阪神なんば線シリーズ」とも言われましたね(笑) この系列も、甲子園とドーム前、それぞれの本拠地最寄り駅までの観客輸送で大いに活躍したことでしょう。
その阪神なんば線シリーズは第7戦にまでもつれ込む熱戦となりましたが、阪神タイガースが38年ぶりの日本一となり幕を閉じました。そして、翌日より特別副標が入れられました。
こちらは「阪神近鉄直通10周年」ラッピング電車です。車体に沿線のイラストラッピングが施されています。
こちらが「Go!Go!灘五郷!」ラッピング車両。日本酒めぐりに阪神電車を使うのも悪くありません。
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