念願の環状運転が始まり新たな交通の流れが出来た札幌市電、主力の一角として活躍しているのが3300形です。330形を車体更新したもので、形式だけ見れば×10した単純なものです。90年代によくある車体の見た目によらず、床下からはバリバリ吊り掛け駆動音が聴こえてくるのが路面電車の恐ろしいところです。更に前照灯や行き先表示がLED化されてるんですよねぇ(笑)
車内です。地下鉄が独自路線を突っ走る中、路面電車は現実的というか、各地の路面電車とそう変わらない印象を与えます。
ドアです。入口の中扉はオフホワイトの化粧板が貼られた片開き式で、さすがに時代を反映してか足元にはステップがあります。ポラリスやシリウスが登場してもなお、まだまだステップ付き車両が幅を利かせております。
出口の前扉は折戸式となっております。窓は二枚で一枚に見えるようなデザインにしていますね。
運転台です。仕切りはやや右側に寄せて配置しており、出口の幅を確保しています。均一運賃ということもあってか表示機の類はありませんが、視覚的に次駅案内はあった方がいいと思うんですよね。
天井です。ラインデリアはありますが送風機能のみで、冷房はありません。昨今は札幌の夏ですら暑くなってるでしょうから、その内冷房化されたりするかもしれません。照明はカバーの無い蛍光灯が間隔を空けて設置されており、夜間は少々暗く感じる場所があります。吊革は五角形、優先座席部分のみ濃黄色になっています。
窓です。二段式ですが、黒いサッシで目立たなくしています。下段は固定式、上段は横スライドで開閉することが出来ます。降車ボタンは太い柱の部分に設置されていますね。
ドアを挟んで向かい側ですが、窓が運転台部分にまでかかっています。
座席です。オールロングシートで、心ばかりの座面クッションに切り立った背ズリ、座り心地に多くを求めてはいけませんが、路面電車にそれを求めるのも野暮ですね。袖仕切りはいずれもパイプ構成ですが、入口ドア付近は縦方向にも伸びて握り棒としての役割を果たしているものの、出口ドア付近はこの通り三角形を描くようなデザインです。座ってる側にも立ってる側にもメリットゼロなんですよね、この形状…。
優先席は入口ドア付近を指定しています。片側2席分で、背ズリにビニールのカバーを付けて区分しています。
車体の製造はアルナ工機、ナンバープレートに阪急を感じますね。
雨が降りしきる中、黙々と札幌の足として走り続けます。
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