北陸新幹線開業と共にJR西日本からは見放される運命にある北陸本線、転換後しばらくは特急列車廃止による二次輸送力の低下を防ぐため、521系のみならず国鉄型車両である413系も、11編成中5編成に体質改善工事を施した上で譲渡されることが決定されています。譲渡されるのは富山県内の「あいの風とやま鉄道」で、朝夕ラッシュ時に利用される予定です。譲渡される編成は、編成番号B01、B07~B10の各編成となっています。B04とB11は455系が含まれているために除外されることは容易に想像できるのですが、体質改善に413系のトップナンバーが含まれているのには驚きました。なお、塗装も譲渡される編成のほとんどが画像のような北陸地区の単色塗装である「末青」となっているのですが、これまたどういうわけかトップナンバーのみが北陸色のままで残っています。今回はその体質改善工事施工編成を取り上げます。
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車内です。「お、少し変わったな」と思える部分がある一方、「ああ、やっぱり変わってないねぇ」と思うところもありますね。
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ドアです。化粧板が貼られていないドアはそのままに、両端にイエローテープ貼り付け、握り棒の変更を行っています。握り棒は225系のような黄色のものですが、長さは従来と同じとなっており、元の金属タイプに上から加工を施したのかもしれません。その根拠は、また後ほど。ちなみに、ステップは埋められずに残っています。バリアフリーには程遠いですねぇ・・。
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最前面です。窓の小ささは相変わらずです。
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天井です。剥ぎ出しの蛍光灯、分散冷房などは変わっていませんが、つり革がオレンジで径の太いものになっています。配置自体はロングシート上のみのままです。
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座席です。まずはクロスシートから。関西地区・山陽地区のように転換クロスシートへの換装が行われることも無く、昔ながらのボックスシートがモケットもそのままに残っています。これが平行在来線に対して行う範囲内の体質改善なのでしょうね。まぁこの手の車両に転換クロスシート、てのもどうかとも思うのは確かで、移管後はラッシュ時運行のみの予定なので、これでいいと判断されたのでしょう。
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ロングシートです。優先座席のモケットのみ、緑地にピクトグラムが散りばめられたものに交換されています。ここ最近のJR西日本の優先座席に見られる全体的な動きですよね。
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ボックスシートとドアの間は2人掛けとなっています。
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袖仕切りは風防を設置したものとなっています。デッキと比べて、真冬にこれで外からの冷気を完璧にシャットアウトできているかと聞かれれば確実に答えは「No」なのですが、それよりもラッシュ時の輸送に支障が出ないようにする方を優先したのでしょうね。実際、冷気遮断とラッシュ対策は矛盾する問題ですから・・。
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最後に荷棚とコート掛け。いずれも475系列からの流用品と思われますが、どちらも実用最低限ながら、国鉄らしい秀逸なデザインのように思えます。「3セクへ放り投げ」「ラッシュ時のみの運用」「短期間利用を想定」という3つの事情からかなりやっつけ仕事的な体質改善工事となりましたが、475系列や419系が行き交う旧来の北陸本線の雰囲気が好きだった僕としては、その当時の雰囲気を少しでも残した車両が少しでも長く走り続けてくれるというのはうれしい限り。もっとも、ラッシュ時に利用する地元の方からすれば、「古くてハズレ」の電車に違いは無いんでしょうけど(^^;;