今回紹介するのは、近鉄特急の代名詞的存在(であった?)、右側の30000系でございます。
3代目ビスタカーとして登場しました。今でこそアーバンライナーやしまかぜが近鉄の代表格として活躍していますが、かつてはビスタカーこそが近鉄の象徴として君臨していました。
登場から2度のリニューアルを行っており、1度目の改造では、上部を丸々新造したのだとか。その際塗装が若干変更され、愛称も「VISTA EX」となっています。2度目の改造では車内のリニューアルが中心となっています。その際に表示幕がLED式になりました。運用は極めて広範囲で、狭軌線区以外の近鉄特急にはほとんど入っているのではないかと・・。
前面表示はほとんどがLED化されましたが、幕時代にこんな珍幕を撮っていました。
最前部の謎の空きスペース。車内販売準備室でもあったのでしょうか。
車内です。赤色の座席が並んだ車内はかなり鮮烈なイメージです。
デッキとの仕切りです。木目の化粧板がアクセントになっています。比較的大人しい車内創りという印象がある近鉄特急にしてこの選択は珍しいですね。仕切り扉は変更無く全面ガラスのあめ色仕様です。
出入り口が無い仕切りに関しては窓が小さめとなっています。そして出入り口は反対側である旨を知らせるステッカーが貼ってあります。
天井です。12410系
と同じような仕様ですね。ここはリニューアル後も変わってないようです。
座席です。リニューアル時に全く新品のものに交換されています。丁度22600系などと同等のものですね。テーブルはインアーム式とシートバック式の2通りを用意し、向かい合わせにしてもテーブルが使えるようになっています。リクライニング角度も十分です。
デッキ仕切り手前の座席ではテーブルがノートパソコンを操作することを念頭に置いた大型のものになっています。JR西日本の700系から始まったこのアイテム、私鉄車両にも浸透し始めたようです。ですが、22600系と違いコンセントは設置されていません。せっかくの改座なのに少し残念。
続いて喫煙車です。車内完全禁煙化の潮流が見られる昨今の鉄道業界の中、近鉄は喫煙者には割と優しい会社ですよね。
荷棚には空気清浄機が鎮座しております。煙が充満する喫煙車において必要なアイテムの一つではありますが、何かしらの荷物を抱えることが多い有料列車にしてこれは如何なものかと。
座席は22600系のものと同様ですが、窓際と通路側の座席背面に灰皿が設置されています。
さてさて、ビスタカーの目玉とも言えるダブルデッカー へと参ります。4両編成中中間の2両が当てはまります。関西で定期運用するダブルデッカーは、この編成の他は50000系の「しまかぜ」と、京阪8000系 くらいですね。
デッキです。天井までの吹き抜け構造となっており、非常に開放的です。出入り口を中央に寄せているからこそ出来る構造ですね。
先頭車からのアプローチはこのような感じ。トイレなどはこの空間に集約されています。
洗面台です。
近鉄特急ではお馴染みのおしぼりサービス。一人一本まででお願いします。
ダブルデッカー側はステップになっています。足元には注意喚起のためのLED灯と、出入り口の案内が貼られています。
階上席車内です。先頭車とは打って変わって青系の座席を用いています。
デッキとの仕切りです。ドアはガラス張りの両開き扉で、壁にも窓が開けられています。
天井です。荷棚に設置されたスポット照明と、関西の有料特急の伝統である窓上の補助照明により明るさを確保しています。
仕切り直後に配置された座席です。大型のテーブルが備わります。
階下席です。ヨットのキャビンをイメージしたセミコンパート席です。グループ利用時に発券されます。
座席はリクライニングなどはありません。リニューアル以前の方が特急用座席としてはしっかりしたものでしたね・・。座席間には大型のテーブルが備わります。
こちら、当時中学生だった僕が撮ったリニューアル前のデッキです。
階上席の様子です。座席は正直ヘッドレスト部分が硬く、あまり褒められたものではなかったと記憶しています。
リニューアルも施され、これからも近鉄の代表形式の一つとしての活躍が期待されます。