1990年にトップナンバーが譲渡されてはや25年が経過しようとしている元京阪3000系の10030系です。今回は京阪特急色となった編成をご紹介。
2012年、本家3000系(8000系8030番台)が引退するのを前に、地鉄オリジナル塗装から京阪特急色へと塗り戻され、鳩マークも復活しました。何でも、譲渡される際に一般運用を考慮して設置される「鳩隠し」なる板を付けたままとなっていたため、実は他の編成でも鳩マークは残っているとの事。
また京阪特急色復活に合わせてテレビも復活、窓上には「テレビカー」のロゴも復刻されました。
またその翌年、京阪初のダブルデッカー車も譲渡され、2両編成を組んでいる10030系の中で唯一3両編成を組んでいます。
本家では消滅してしまった時代祭のイラストもここ富山で現役です。
当時の方向幕は号車表示に変わっています。運用は特急「ダブルデッカーエキスプレス」が中心で、朝夕には3両編成が買われて普通列車にも使用されます。ダブルデッカーエキスプレスの運用は4月~と11月~で異なっており、更に月・火~金、土日でも運用が異なります。富山地方鉄道のホームページに運用情報が掲載されているので、参考までに。
車内です。京阪時代に乗車したのは一度だけでしたが、ほぼ当時の状態を保っています。そうそう、台車に関しては標準軌ではなく狭軌となっている関係で、かの伝説の食パン電車、419系の付随台車のものを使用しているのだとか・・。
車端部です。数少ない変更点として、運賃表示機が設置されていることですね。
座席です。まずは平屋席から。8000系と同様の座席となっており、モケットもリニューアル前の同系列が備えていたものとなっています。妻面の座席は固定式クロスシートとなっています。
そして反対側の座席。こちらはオレンジ色のモケットです。ヘッドレストカバーは分離式のビニールタイプです。
車椅子スペースです。かつて存在した補助椅子は他の車両と同様に塞がれています。また整理券発行機も増設されています。
階上席です。やはり原型を留めています。そうそう、かつての京阪特急では料金不要で利用できましたが、富山地方鉄道の特急運用では特急料金に加えて指定席料金が必要です。
窓です。日除けは横引き式のカーテンとなっています。面積自体はそこまで大きいものではなく、見下ろすのに特化しています。
座席です。固定クロスシートで、集団離反配置となっています。ノルウェーエクネス社製の座席で、同社の座席の特徴であるヘッドレスト部分を垂直にして自然な体勢を取れるようにしていますが、そもそもの背ズリがロングシート並みに低い為ので実効の程は「?」と言ったところです。
続いて階下席です。飾り照明が設置されており、その右上にはダブルデッカーのロゴが貼り付けられています。
階段下にも常時使用できる補助椅子が設置されていましたが、こちらも取っ手が塞がれています。徹底していますね・・。
階下席です。空間面積自体は階下席の方が広いのですが、2+1の3列配置となっています。
天井です。照明はカバー付の蛍光灯です。
そして読書灯とスポット空調も残っています。
座席です。こちらも集団離反式の固定クロスシートです。こちらは階上席と比べて背ズリは高めです。展望がほぼ犠牲となることへのトレードオフと捉えるべきなのですが、それでも満足な高さとは言えません。
続いて1人掛けです。階上席と共に不可解なのが肘掛。灰皿があったわけでもないのに金属部分の露出が多くなっています。その割に後方に少しだけモケットを貼っており、何の為にこのような処理にしたのか非常に疑問です。
向きが変わる場所に関しては、簡易なパーテーションが設置されています。
エクネス社の製品マークも貼り付けされています。
各所に鳩マークを模したステッカーが貼られています。
最後に先頭車で復活したテレビです。
遠く離れた富山の地で、変わらない姿で頑張って欲しいものです。
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富山地鉄10030形「ダブルデッカーエキスプレス」仕様車
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