熊本から天草地方の玄関口の三角までを結ぶ三角線。ここに三角線史上初の特急列車が登場しました。臨時列車扱いですが専用の車両も用意されています。その専用車両として用意されたのが、かつて四国で走行した後に九州へと渡り、ローカル線特急として活躍していたキハ185系です。コーポレートカラーである赤を前面に押し出したド派手な塗装から一転、大人びたシックな黒となっています。
列車名を「A列車で行こう」と言いまして、Aには大人の英訳である「Adult」や、天草の頭文字Aなど様々な解釈が存在します。
相変わらず車体の至る所にロゴが入っています。誰が何をしたのかは明白ですね。
それでは参りましょう、デッキドアです。折戸構造なのは変わっておらず、黒の化粧板を貼り付けています。床面もフローリングに変わっており、最近のドーンデザインが好んで使用しているパターンです。
トイレです。中は洋式となっています。
男子小用トイレです。一般的なものと比べると、やや広めになっています。
デッキ側から仕切りです。南蛮船をモチーフとしているため、扉も木で出来ています。
車内です。デザインは大幅に変わっていますが、所々に見慣れたアイテムが混じっていますね。
デッキ仕切りを車内側から。こちらも木を全面に押し出しています。
最前面のデッキ仕切りです。急行型車両のように仕切り窓が左右に付いています。これが急行からの格上げを行った経緯のある車両と言うものなのでしょうか。仕切り扉上にはLCDディスプレイが設置されています。
天井です。元々は照明カバーがかかった蛍光灯が並んでいましたが、現在はスポットタイプのLED灯が等間隔で並んでいます。現状夜間の運転はなく、トンネルも少ないのでこれで充分なんでしょうね。
観光列車化されてもなぜか残っている、バスを思わせる回転式の冷房吹き出し口です。荷棚は木製のものに交換されているのですが…。
窓です。2席に1枚の割り当てです。三角行きなら偶数のD席、熊本行きなら奇数のD席を指定すると、柱に遮られないクリアな眺望で島原湾を望むことが出来ます。
座席です。JR四国時代からの回転リクライニングシートですが、モケット等が全て交換されているため印象が全く異なります。肘掛けの上に無理矢理木のパネルを貼り付けているのが何とも(^^;;
座席モケットは4種類、いずれも天草の南蛮文化をイメージしたものとなっています。
シートバックテーブルも木製となっています。ロゴも入ってますね。
1号車のバーカウンターと座席の間にはガラスの仕切りが入っており、独立したテーブルが設置されています。
一部座席は方向を固定したボックスシート席となっています。グループ利用に最適ですね。
中央には固定式のテーブルがあります。展開して広げられるのはこの手の列車のお決まりです。
2号車の一角にはステンドグラスで彩られたフリースペースがあります。「A列車で行こう」は全席指定席、自由席ではありませんのでご注意を。こちらのセミハイデッキ化された窓から島原湾を臨むことが出来ます。おおよそ反対側に指定された方々への救済処置と言ったところでしょうか。座り心地はお世辞にも良いとは言えません。交代で座ってね、と言う意図と捉えておきましょう。
向かい側にはソファ風のシートがあります。
1号車のバーカウンターです。ここではビールやハイボール、車内限定のカクテル等のアルコールを各種販売しており、おつまみ等も販売しています。ターゲットを大人に絞っているだけありますね。
その向かいにもフリースペースがあります。
天井もかなり凝っており、やはり南蛮文化の思想を取り入れています。美しいですね。
ちなみにパネル一つ一つに金色のロゴやイラストが入れられています。
そしてお決まりのフリースペースも。周りにも色々な飾りが施されています。
乗車時間が40分というのが実にもったいないですが、一度は乗車してみることをおススメします。
↧
JR九州キハ185系「A列車で行こう」仕様車
↧