中央本線東側の雄がこのE351系です。JR東日本で初めて系列の頭に「E」が付いた形式で、以降JR東日本が保有する車両には必ず頭に「E」が付けられています。
車体はカーブが多い中央本線を走行することから振り子仕様となっています。この系列は何かと不遇な目に遭うことが多く、肝心の振り子を利かせ過ぎて小仏トンネルで車体を擦ったり、大月駅で信号無視の201系と衝突して廃車になった車両がいたりします。ちなみにこちらは非貫通先頭車です。
そしてこちらが貫通仕様先頭車です。現在増解結する運用は消滅しているため中々先頭に立つことがありませんが、非貫通先頭車の柔らかな雰囲気とは違ってどこか不気味な顔となっています(怖)
側面にはロゴが入っています。
非貫通先頭車の前面はLED表示機となっており、様々なパターンを表示します。そして、右側の画面の際は、ロゴが動きます(笑) この辺りの遊び心は一昔前のJR東日本が得意だったものですよねぇ。現在「スーパーあずさ」専属で活躍しており、諏訪湖の花火大会では快速「ムーンライト信州90号」にも使用されます。この列車も、後続の92号と新宿まで追いかけっこしながら走る珍しい列車ですね。ちなみに、後継となるE353系が登場することから、後々この系列は波動用に転用されるそうです。
それでは参りましょう、デッキドアです。窓が小さく、右側に寄せられています。
ゴミ入れです。飲料系とその他で分別されています。
比較的冷える中央本線、デッキもお寒くなるため、一部車両にはヒーターが設置されています。
バリアフリー対応車両のドアです。幅が広げられています。
トイレです。横にはゴミ入れがありますね。
男性小用トイレです。やはり狭いですね…。
洗面台です。カーテンで目隠しすることも出来ます。
車椅子対応のトイレです。扉が大型化されており、開閉もボタン式です。
そして車椅子対応の洗面台です。横幅にゆとりがあります。
公衆電話跡です。かつては特急電車の必需アイテムのような感がありましたが、携帯電話の普及によりこのようなスペースがあちこちで見ることが出来ます。こちらは台もあるので、携帯電話の通話スペースとして生かされていそうです。
車販準備室です。現在も車内販売はありますが、準備室は使用されていないようです。
貫通先頭車の併結部分です。閉鎖的な印象ですね。
乗務員室との仕切り扉は自動化されており、開くのボタンがあります。
普通車の車内です。乗車したのは初期に製造された試作編成で、荷棚下に補助照明が設置されています。量産編成では省略されているので、車内のアクセントとなっています。
デッキ仕切り、バリアフリー対応車両のものです。右半分に何かありますが、それは後程…。仕切り扉上にはLED表示機が備わります。
座席です。かつては喫煙車が設定されていた関係でしょうか、こちらから見ると灰皿を塞いだような跡があります。
付帯設備はインアームテーブルのみと、かなり簡素化されています。駅弁が多い中央本線にしてこれは少し残念です。
インアームテーブルの貧弱さを補完するためなのか、背面には競合する高速バスよろしく折り畳み式のカップホルダーが備わります。また柱部分にはドリンクポケット付きの固定テーブルもあります。
車椅子対応の1人掛けです。テーブルをインアームテーブルとしているため、乗り移りなどは特に考慮されていません。
全展開の図。座り心地ですが、背ズリがかなり薄めに作られている割にはそこまで悪くはない印象です。ただサイズはかなり小さめに見えます。座席の製造会社が車のシートを手掛けることが多い所だったらしく、鉄道用座席のノウハウの無さが見え隠れします。
1人掛けの横にある多目的室です。本来デッキに設置されていることが多いのですが、車内側に設置されています。
このようなスペースの多くは施錠されていることが多いのですが、どういうわけか解放されていましたので内部を。松本方には固定座席があります。
窓下には折り畳みテーブルがあります。
そして反対、新宿側には跳ね上げ式の座席があります。ここを開いて向かい側の固定座席の背ズリ下部と座面を引き出すと、簡易ベッドとして使用できます。
続いてグリーン車です。1両全てがグリーン車となっていますが、なんで4列なのかなぁ…。
新宿方のデッキ仕切りです。色調は統一されています。車体は振り子の関係で卵型となっているのですが、こうしてみると断面形状がよくわかります。
反対側、松本方のデッキ仕切りです。車椅子対応座席があるため、仕切り扉は両開きとなっています。
天井です。暖色の照明に、荷棚下の補助照明が備わります。
読書灯です。可動式となっているため、好みの位置にセット出来ます。
座席です。こちらにも灰皿を塞いだような跡が…。
試作編成では、テーブルは普通車同様インアームテーブルのみとなっています。量産編成では加えてシートバックテーブルも設置されています。座り心地は柔らか目でいかにもグリーンなものなのですが、やはり4列というのが痛いです。振り子車両なので重量バランスは重大な問題ですが、4列にすると通路幅の関係で座面幅は必ず切り詰め気味となります。JR東日本のグリーン料金は値下げを経て安く(※九州以外のJR料金体制比)設定されていますが、「値下げにより利用者増→プラマイゼロ」というのは経営上健全とも言えませんし、同時に設備面でのグレードをダウンさせるのは如何なものかと思います。
サイドアームレスト側面にはシートヒーターがあります。冷える中央本線ならではの設備です。こういう配慮はうれしいのですけどねぇ…。
足元には跳ね上げ式・角度固定のフットレストが備わります。反転式で展開してみると…おや、こちら側も同じ生地になっています。反転式の場合は土足/土足禁止の両面になっていることがデフォで、土足禁止面は座席と同じモケット色にして視覚的に土足禁止を示すのが暗黙の了解となっているのですが、これではどのように使って欲しいのかが分かりません。オマケにフットレストには引き降ろしのためのレバーもなく、降ろすためには脚を上げて引き下ろすというグリーン車には似つかわしくない行為をしなければなりません。そうそう、床面もグリーン車にしてはカーペット敷ではありませんね。これでは「デフレグリーン車」と言われても仕方ありません。ダメ。
窓側には普通車同様のドリンクポケット付きの固定テーブルがあります。
車両中央にはこのような固定テーブルのユニットがあります。かつてはJR西日本の681系同様、1両の中で禁煙・喫煙の両方を行うという、今やれば嫌煙家の方を中心にモノが飛んできそうなことをしていたわけですが、現在は全車禁煙車となっているためにこのスペースだけが無用の長物と化して残っています。
デッキ仕切り際のテーブルユニットです。下には同じくフットレストが備わっていますが、こちらには引き降ろしのためのバーがあります。座席の方に存在しない理由とは…。
こちらは車椅子対応の1人掛けです。一応、とあるタイミングまでは発券ブロックが掛けられていると思うのですが…。
テーブルユニットも1人分のみとなっています。
最後に振り子車両定番、エグい裾絞りです。あまり絞っていないように見えますが、卵型の断面のためにそう見えているだけです(笑)
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JR東日本E351系
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