本日、2013年11月28日から運用を開始した阪急(新)1000系の模様をお届けいたします。前日27日に検索された約70名の方々、お待たせいたしました。「すべてのお客様に快適な移動空間~さらなる環境性能の向上~」をコンセプトに建造されました。その他にも騒音の低減にも力を入れています。起動加速時や停車寸前などはともかく、高速域での静粛性は大変素晴しいもので、電動車に乗っていても付随車に乗っているかのような静かな走りを見せてくれます。
デザインとしては、7300系 リニューアル車
に似たものですが、ヘッドライトが吊り眼気味になり、上部の前照灯も含めてLED式となりました。9000系まではステンレスの飾り幌受けが設置され、ある意味アクセントになっていたのですが、1000系ではこれが無くされスッキリしてしまいました。10連運用には投入しないのでしょうか。
車内です。プレスリリースの時からおおよそ車内の様子は分っていたのですが、とうとう阪急でも出たかと・・。
ドアです。窓の幅が8000系以前と同様のものに先祖返りしました。
握り棒は従来品に近いながらも、やや長いものになっています。形状もなかなかかっこよくなっていると思います。
さて、この系列のウリの一つである32インチハーフサイズのLCDディスプレイを搭載したドアです。相変わらず千鳥配置となっていますが・・。
停車駅となるとこのようになります。ですが何が問題かって、ここ梅田駅ですよ?(^^;; 園田駅通過後に赤地に白抜きの阪急マークの画面に変わり、その後に修正されましたが・・。
天井です。9000系では半間接照明としていましたが、この系列では8000系以前の系列に近い形となりました。天井に埋め込む形でLED照明を設け、それをカバーで閉じています。あくまでカバーがあることは前提としているのが阪急の良さです。ですがラインデリアに関しては着色されていません。コストカットを図った結果でしょう。結果つり革のバンドの色も手伝って極めてグレートーンな天井となっています。
9000系に引き続き、戸袋になっていない妻面は2重窓になり埋められています。また厚みも9000系に比べると増やされていて、騒音の低減を図っています。
仕切り扉です。9000系ではセンサーによる自動ドアとなっていましたが、手動式に戻されてしまいました。これが本来ある姿なのでしょうが、あったものが無くなるとどうしても不便に感じるわけで・・。ですがこの扉もただの手動扉と侮るなかれ。阪急で仕切扉が設置されたのは3000系からですが、この時から錘による半自動化(要するに最後まで開けて固定しないと勝手に閉まるようになっている)されていましたが、この仕切り扉は半分辺りまで閉まると勝手に減速し、閉まりきった時の衝突音をほぼゼロにしています。静かさを追求しているだけあって流石だなと思った次第。ちなみにこれ、公式サイトにも載っていない配慮だったり・・(苦笑) 乗り合わせたら是非見てみてください。
最前面、運転台をご覧いただきます。形状としては6000系や7000系に近いですね。タッチパネルが付いているのは最近の新型電車のトレンドですね。
1000系からは終点到着時の外部表示切替に関しても運転台のタッチパネルから行うようになったようです。以前表示幕の切り替えといえば、車掌台の中に仕込まれていました。青のキーをタッチすると切り替わるみたいです。
窓です。こちらも大型2枚から8000系以前の3枚に戻っています。中央が固定式、両端が開閉可能となっています。・・そして自動昇降スイッチは省略、窓間柱に至っても銀色のままと、やはり9000系に比べると露骨なコストカットとなっています。
座席です。ドア間は8人掛けです。阪急最近のトレンド、3+2+3で仕切られた座席となっています。
・・さて、とうとう阪急でもこのような仕切りが出てきてしまいました。近似例がなかなか思い当たらないですが、言ってしまうと「中途半端」なんですねぇ。理由としては緊急停車時の乗客同士の接触防止だそうですが、9000系まで従来通りの仕切りとしておいて今更感が否めません。居住性に関しても「?」。内側がFRP製で冷たく安っぽい印象が拭えなく、窪みを深めに入れているものの圧迫感は否めません。そして大型化されたとは言え乗客との干渉を考えるとまだまだ大きさが足りません(※体験談)。どうせ大型化するならば9300系 のような方法もあるわけで。外側には木目の化粧板を貼り阪急らしさがありますが、せめて内側には窪みを無くしてフラットにしてでもモケットを貼った方が良いのではないでしょうか。
車椅子スペースです。付帯設備は握り棒のみで、ほぼスペースだけの提供です。直近のリニューアル車から車椅子スペースの拡大が行われていましたが、この系列に関してもそれに倣っています。戸袋の広告上の手すり、需要があるのか無いのか・・(^^;;
スペース横の袖仕切に関しては小型化されています。居住性としては明らかにこちらの方が高いわけですが、見事に優先座席指定となっています。
走りに関しては大変素晴らしいものがありますが、それ以上にコストカットによる凋落が目に付きます。9000系に比べるとやはり「廉価版」として見ざるを得ないなというのが感想です。