「旧型車両を新型車両で置き換える」ことはよくあることですが、「旧型車両を置き換えた新型車両を置き換えられた旧型車両が置き換えた」のはあまり例を見ません。そんな稀なケースを現実のものにしたのが、全国津々浦々どこにでもいるキハ40形でした。個人的に、この塗装はかつて発足後のJR西日本北陸特急のフラッグシップとして活躍した485系の「スーパー雷鳥」っぽくて好きです。ええ、なんで博物館に入らずに解体されたんでしょうねぇ…。カッコよかったのに…。
舞台はJR北海道、苫小牧から南端の様似までを結ぶ本線らしくない本線、日高本線です。このキハ40を置き換えるべくスピードアップとコスト適正化の為に導入したのがキハ130という車両だったのですが、行き過ぎたコスト削減が北海道の寒さと日高本線の海沿いという酷な環境に耐えられず15年と持たず廃車、この体たらくっぷりに喝を入れるべく戻ってきたのが日高本線用の塗装となったこの350番台というわけでございます。現在日高本線が不通となっている影響で、室蘭本線や函館本線、根室本線でバイト運用をこなす日々が続いています。
車内です。足回りはキハ130形時代のダイヤに乗せるためにエンジンの強化等の改造がなされていますが、車内は北海道でよく見られる非冷房で寒冷地仕様のキハ40形です。
ドアです。寒冷地のキハ40らしくデッキ付きとなっています。それ以外はフツーのステップ付き片開き引き戸です。足元にはご注意を。
入り口横にはゴミ箱が置かれています。
デッキとの仕切りです。仕切り窓があり、ワンマン運転で乗務員室から車内の様子が見やすくなっています。
天井です。非冷房車両ならではの丸い形状をしており、蛍光灯が間隔を置いて配置されています。中央にはベンチレータと扇風機があり、真夏の涼はこれと開けた窓からの風となりそうです。
窓です。北海道の国鉄形気動車おなじみの二重窓です。個別のテーブルが無いのは全国のキハ40共通ですが、窓の下辺を若干広げてあり、肘掛け代わりには使える上、夏場の内窓を上げた状態だとペットボトル程度なら置ける幅となります。
座席です。まずはボックスシートから参りましょう。フレーム自体は全国どこでも見ることが出来るものですね。
昔ながらの紺色モケットが大多数を占める北海道のキハ40において、オリジナルモケットを採用しており、背ズリが紫、座面が青となっています。座り心地自体は安定の国鉄クオリティ、しっかり座れば腰部分と座面との計算され尽くした角度にも助けられ中々いいと思いますよ、背ズリ上部のクッション性の無さにはこの際目を瞑りましょう(笑)
キハ40形ではおなじみの2人掛けです。気動車恒例の窓側の張り出したヒーターの配管に目の前にそそりたつボックスシートの背面…。決してシートピッチも恵まれていませんし、響きほどのアタリ席でもない(空いていればむしろハズレ)席ですね(^^;;
ロングシートです。ボックスシートと同じくモケットは2色刷りとなっています。足元には・・暖房はあるはずですが…。
優先座席とセットになったロングシートです。座り心地はこちらも国鉄クオリティ、座面はバウンズ感があるものですが、背ズリが今一歩・・。
トイレとボックスシート背面に挟まれた3人掛けです。優先座席に指定されています。
トイレです。デッキの外に入り口があります。中はやはり和式です。
壁には日高本線の観光案内的なポスターが貼られています。早く復旧するといいですね。
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JR北海道キハ40形350番台「優駿浪漫」仕様車
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