長年西鉄の代表的な形式として活躍してきた8000形、2015年に8061Fを観光列車に仕立てて運用に復帰しました。
名を「水都」と言い、天神大牟田線の途中特急停車駅である柳川をPRする列車となっています。
中間車はこんな感じ。1両ごとに異なるデザインが施されています。運用復帰後は従来通り特急運用を中心に使用されており、送り込みの関係で前後の普通にも使用されています。運用は特設ホームページにて確認可能ですが、運用によっては平日の普通一往復や休日の普通と急行各一本ずつ走って入庫なんて運用もあるので注意されたし。
車内です。ライバルであるJR九州のように片っ端から変えるのではなく、ある程度従来のパーツを残して装飾の追加を中心としています。
ドアです。両開きは変わらず、化粧板を全車両別々のデザインとしています。どれも中々秀逸ですね。
車端部です。2扉でドア間がクロスシートで詰め込みが利かないためか、ロングシートとなっています。
優先座席を有する車端部です。妻面にも装飾が入っています。近年の大手私鉄のフラッグシップトレインとしては仕切り扉が無い唯一の系列かもしれません。終点のメイン出入り口が両端となる天神大牟田線において、車内の通り抜けの便宜を図ったと肯定的に捉える方がいいでしょう。
編成中央に位置する車端部です。片側が台となっています。
その隣の車端部です。座席は両側ともに撤去され、展示スペースとなっています。そう言えば、右側の妻窓が埋められていますね。
最前面の展望席区画です。福岡(天神)はともかく、大牟田からでも最前列はたいていドアが開くと同時に埋まってしまいます。大型窓からの迫力ある前面展望を楽しむことが出来ます。
しかしそれは昼間だけの話。夜間は車掌台側も問答無用で遮光幕が降ろされます。展望を売りにしてる車両なんですから、右側だけでも上げておくべきだと思うのですが…。やはり前面の曲面ガラスのせいでしょうか。
天井です。照明はカバーのかかった蛍光灯で残っています。特筆すべきは天井にも飾り帯を入れていることですね。吊り広告もデザインが統一されています。ラインデリアは途切れながらの設置ですが、羽はゴールドの塗装仕上げで、特急用車両らしく気合いが入っています。
窓です。基本的に2席に一枚が割り当てられており、日除けは横引き式のカーテンとなっています。
ドアに近い席に関しては換気のためか下降窓となっています。しかし、日除けが従来の横引き式に加えてなぜかロールカーテンまで設置されています。料金不要の列車にしてこれだけの重装備、中々見られませんね(^^;;
展望席区画の窓です。国内の鉄道車両の中でもトップクラスの大きさとなっています。やっぱりこれが魅力です。
座席です。まずは転換クロスシートから。ローズピンクのチェック柄なのは改造前から変わりませんが、ヘッドレストカバーのデザインが変わっています。
着席区分のように色が入っています。こちらは薄いエメラルドグリーンとなっています。
こちらもいくつかのパターンがあり、ドア間に関してはドア付近と中央付近でカラーが異なっています。こちらは赤色。
そして青色。モケット自体が暗い色調をしているため、明るい青が目立ちます。
続いてクリーム色。ヘッドレストカバー自体が白なのであまり目立ちませんね…。
続いてこちらは濃い目のエメラルドグリーン。あまりマッチしてません。窓側に肘掛けはありませんが、窓枠下辺が広げられておりそれが代わりとなります。その窓枠、ペットボトルがギリギリ置ける程度の幅なのですが、縁取りがされていないためかなりスリリングです。単線区間も含まれる天神大牟田線、ポイント通過も多いので無理をしない方がいいですね。
そしてまさかの白。目立ちません、マジで。座り心地は安定の柔らかさで快適です。全線通して1時間程度、これ以上何を求める。
黄緑のバージョン。赤と緑の愛称の悪さたるや…。そうそう、背ズリは転換クロスシートとしては異例の分厚さとなっており重量も中々のもの、転換にはそれなりの力が必要となります。
そしてゴールド。こちらはどことなく高級感がありますね。
最後に黒。この地色の白と正反対なこともありメリハリがありますね。
続いて固定クロスシート。形状は転換クロスシートに合わせています。
座り心地についても転換クロスシートと同様の感想で、並走するJRには感じられない余裕と作り込みを感じます。
車端部のロングシートです。袖仕切りは肘掛けを意識した形状となっており、両側にもモケットが貼られています。極力クロスシートとの格差を埋めようとしたちょっとだけでもの気配りですね。
優先座席です。こちらはチェック柄とはなっていません。座り心地は柔らか目、途中駅間程度であれば全く不満は有りません。
そして観光列車化に際して設置された展示スペースです。柳川の名産品がぎっしり入っています。
向かい側のサービススペースです。記念スタンプが置かれています。
各車両にはマガジンラックが設置され、「水都」のパンフレット等が入っています。
そして「旅人」にもあった乗車記念カード。全車に一ヶ所設置されており、それぞれデザインが異なります。
「旅人」と共に観光列車としての車齢を歩み出した「水都」、改造が施されなかった編成は近く廃車される運命にあるだけに、最後まで頑張って欲しいですね。
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西鉄8000形「水都」仕様車
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