紀勢本線の御坊から西御坊までの2kmほどを結ぶ超ミニローカル線が紀州鉄道です。かつてここでは日本最古の気動車が走っていたことで有名でしたが、現在は兵庫県の第3セクター、北条鉄道からやってきたレールバスに置き換えられています。そのレールバスがキテツ1形で、2両やってきた内の1両が現役で走行してます。
鉄道ファンからはレトロな気動車からレールバスに置き換えられたことで散々な批評を浴びたものですが、このレールバスも実はかなりの貴重品、国内では最後となった二軸台車を装備する旅客車両となっています。故に鉄道でお馴染みの「ガタンゴトン」という音ではなく、「ガッタン」が続くことになります。中々新鮮ですよ、これ。
前面にはスノープロウも付いています。間違いなく使わないでしょうが…。
側面のサボです。左側は何やら国鉄急行の列車名みたいです(笑)
車内です。元がバス用車体の設計を流用しているだけあり、鉄道車両らしいかと言われれば微妙なところではあります。
ドアです。ここはもうまんまバスの折戸です。頼りないです、ひたすら頼りないです。
運転台です。運賃箱が手前に備わります。ちなみに立ちながらの前面展望や撮影は禁止だそうで、どうしてもやりたい場合は座席に座りながらとなりそうです。何よりビックリしたのは、速度計がバカになっており、力行と同時にメーターがびよんびよんして全く用を成していなかったこと。あまり速度も出しませんし、運転士も感覚で慣れているのでしょうが…。
天井です。車両の幅が狭いこともありますが、吊革がやたらと中央に寄っています(^^;; こう見えてしっかりと冷房も備わっており、窓上にダクトが通っています。吹き出し口はこれまたバスでよく見かける回転式のソレです。
窓です。二段窓で、下段は左右に動かして開くことが出来ます。上段の窓はグラデーションの着色ガラスとなっており、何やら観光バスのようです(笑) 日除けは横引き式のカーテンとなっています。
座席です。片側16人掛けでしょうか、とにかく長いロングシートとなっています。座面が4分割されており、中央にはパイプの仕切りが入っています。まぁキッチリ座らなければならない程は混まないと思いますので、ゆったりまったりしたショートトリップを楽しむことが出来ると思いますヨ。
優先座席は紙切れを貼り付けただけで対応しています。「どうだ、一応配慮はしたろ?」というドヤ顔が見えてきそうです(^^;;
座席横のデッドスペースを利用して、沿線にある商店街のチラシが置かれています。
ここからはオマケゾーン。荷棚は一部のみに設置されており、側面には落下防止用の柵があります。きれいに半円形、さりげない美しさが光ります。
各種表示。混雑時は中央へ詰めろというステッカーもありますが…(笑) この丸を敷き詰めた柄の化粧板が故富士重工製LE-Carの特徴です。
ドア周辺にもテプラが各種貼り付けされています。往復のうち全てのドアを使用するために貼り付けされているのでしょうね。
味のある駅舎を持つ西御坊駅から、ゆらゆらショートトリップのスタートです。