223系の1000番台投入により人気を不動のものとした琵琶湖・京阪神線の新快速と快速電車。しかし快速運用には既存の113系が残っていたため、これらを置き換えるべく登場したのがこの2000番台です。
1000番台と比べてみても良くも悪くもコストダウンの様子がよーくわかります。10年近くにわたって製造され、現在の新快速・快速運用では最多勢力を誇っています。北は北陸本線敦賀、南は赤穂線播州赤穂、東はJR東海管内大垣まで、新快速から緩行線区間を除く普通電車まで幅広く運用されています。貫通扉にオレンジの帯が入った編成は6000番台として区別され、221系との併結運用や福知山線の丹波路快速などに使用されています。
この運転席部分、ただボルトでとめられているだけだとか…。
2014年、NHKの大河ドラマで軍師官兵衛が放送されていましたが、播磨を舞台としているため、そのPRとして、JRでは珍しくラッピングを施した編成が存在しました。ステンレス車体に綺麗にラッピングしていますが、前面まではラッピングが回っていないため、ちょっと中途半端な感じもします。
近年、中間連結時に発生する隙間を埋めるべく転落防止幌を設置した車両が登場しています。
安全上の理由なのは大いに理解しますが、連結位置が統一されている編成にまで設置する意味とは・・?
サイドから見るとこんな感じ。何というか、この流線型にしてこれは完全にやらかしています。
中間に入るとこんな感じ。隙間は一応しっかり埋められていますね。
車内全景です。ほぼ全てのパーツがブラウン系となっているオールクロスシートのパッケージです。
ドアの半自動時に使用する開閉ボタンです。通常時は「ドア」の文字は消灯しています。ボタンは赤と緑に色分けされていていますが225系のように光りません。
車端部です。仕切り扉は化粧板が貼られた窓が細長いものです。近郊型車両ということで妻窓はありません。車端部にはボックスシートを二組設置。背面にはちょっとしたクッションが設置してあり、軽くよっかかることができます。ですがクッション性に乏しいところがあり、長時間のよっかかりには向きません。
最前部です。窓が非常に大きくとられており、JR東海もびっくりの展望性に優れたものです。ただ曲面ガラスをじっと見ていると景色が歪んでいるため酔いそうになります(^^;;
どこまでも~か~ぎりなく~・・グローブが掛かった蛍光灯が続く天井です(爆) ラインデリアも完備されており、つり革はシート部分が長くて少なめ、ドア上は短く多めに設定されています。
321系登場以降に製造された車両は難燃性基準の見直しからグローブの形状と材質が変更されています。
一席一窓の窓です。以前はコスト削減のために日除けが設置されていなかったようですが、苦情が絶えなかったことから増設されました。この辺り、首都圏とは車両に対する乗客と会社の印象が違うものだなと感じる次第。モノ自体は爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。一部の窓は2段窓となっており、上段が内折れ式で開閉可能となっています。開く窓上の荷棚には、荷物が滑り落ちて車外に出ることを防ぐために、ストッパーが渡されています。
座席はまず転換クロスシートから。緑色の取っ手が特徴にして伝統です。触り心地は柔らかいですが座り心地はカチカチしています。背ズリ・座面共に扁平すぎて身体に沿った形状をしていないと言った感じです。ボリュームを減らす事によりコストを切り詰めている為ですが、座席が前を向ければそれでいいってもんじゃないでしょうに・・。これ以前の車両の座席を知っている身からすれば、この座席は大いに不満と言わざるを得ません。カバーは汚れを気にしたか、ビニール製で少し安っぽいですかね…写真での見てくれはいいですが(笑)
固定クロスシートです。こちらの方が座面形状が自然なものになっているので、選ぶならこちらの方がいいかと。
こちら車端部のボックスシート。やはり扉寄りのシートに余裕がありません。肘掛くらいはほしいですかね…
優先座席です。シートカバーの変更で済ませています。
こちら補助椅子です。ラッシュ時はロックが掛けられ使用できなくなります。
座席を引き出すと、ご覧の通り大穴の開いたものです。コスト削減が目に見えている223系2000番台で一番ダメな点だと個人的に思っています…「混雑時など時間帯により、補助シートはご利用できません」てプレート貼ってるけど入った瞬間やとわからんやん!と突っ込みを入れたくなります。
車端部の床を見てみました。仕切り扉が少々高い位置にあるため、つまづき防止のためにスロープが設置されています。この辺りはぬかりありません。もう少し目立つ色でもよかった気はしますが…
さて、最近ではモケットが225系と同じタイプになった車両が多くなってきました。編成単位での貼り替えではなく、同じ編成内で新旧モケットが混在している編成も多々あります。
座り心地は相変わらずなんですが、225系でも触れたとおり、「すべりづらいが安っぽい」と受験生にはぴったりの座席です。今後、このモケットが主流になっていくんでしょうね…やっぱり旧モケットの方が温もりがあって好きなんですが・・。
こちら、初期の2000番台に搭載された座席です。一見あまり変わりないように見えますが、ヘッドレスト部分の張り出しやバケットの大きさなど、2000番台の中では座り心地は明らかにこちらの方が優れています。
判別方法としてはこちら、窓側と通路側との境界に窪みがつけられ、若干1000番台の名残(?)が見られること、窓側に台形のスペーサーがいれられていることです。こちらはほとんどが新モケットに貼り替えられています。
さて、最近JR西日本ではつり革の交換が進んでいます。こちらがその車内(6000番台丹波路快速車内)です。
このようにつり革が黄色で太いものになりました。急ブレーキ時に咄嗟に握ることができるようにとのことですが、これまでのJR西日本が作ってきた車内の雰囲気を壊してしまっているようでなりません。安全を考慮すると致し方ないところはありますが・・。
せめてもの救いは取っ手の色が変えられていないこと。ここにはまだ落ち着きが感じられます。
姫路寄り先頭車に存在するトイレです。画像の通り、通路のラインからはみ出るようにして設置されています(^^;; 隣の車両からせり出しているトイレを見ることができます(笑)
使用中の時はこのように赤色で点灯されます。
その向かいは座席は設置されず、車椅子スペースになっています。妻面には腰当がちょこんと。この気配りはうれしいです(^^) ただ、トイレによる圧迫感と薄暗さは少し気になるところ。こればっかりは仕方がないですねぇ。
新系列、225系が登場したものの、まだまだ新快速の顔としてこの系列は走っていくことでしょう。
↧
JR西日本新快速の系譜 223系2000・6000番台~旧型車へのとどめの一撃~
↧