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日本のトロッコ列車の元祖、その名も「清流しまんと号」。一般利用者が減り行く予土線を何とか維持したいという思いと、沿線に流れる日本最後の清流四万十川を生かした列車を走らせたいという思いから誕生したこの列車、そろそろ老朽化も気になり始めた2013年、リニューアルによるしばしの運休の後にめでたく我々の前に帰ってきました。…黄色くなって。
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その名も「しまんトロッコ」。形式名はトラ45000形で、旅客車両では見慣れないものとなっています。・・まさか車体色の黄色は、この形式名から来ているのでは!?
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それもそのはず、元は砂利や枕木を運んだ小型貨車で、それに屋根と座席を取っ付けただけの「俺たちは貨物とか資材とかの何かか」と言わんばかりの代物です。台車もこの通り今や絶滅危惧種とも言える板バネの単軸台車、旅客車の台車は乗り心地の要ですが、ここでは「乗り心地最悪を楽しむ」ための要です(^^;;
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車体には様々なロゴや文字が入れられています。誰が何をしたのかと言われれば、お隣九州でお馴染みの水戸岡デザインです。四国では初登場となりましたね。
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運用は土日祝と繁忙期運転の「しまんトロッコ」1往復です。以前は自由席だったものの現在は全席指定席、「味をしめたかJR四国」と言った所ですが、乗務した車掌さん曰く「全席指定になってからは乗車率の上限が出来たためにのんびりと楽しめるようになった」とのこと。
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窪川駅では、「かっぱうようよ号」とも並びます。この列車もかなりクセの強い車両ですね・・。
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列車自体は予土線を走破しますがトロッコ車両への乗車は一部区間のみ、窪川行きは宇和島→土佐大正、宇和島行きは窪川→江川崎の間で乗車出来ます。都合往復乗車すれば全区間をトロッコ車両に乗車出来ることとなりますね。それ以外の区間は右側に写るキハ54形に乗り移り、事実上の快速運転を行います。「こうしないと運転間隔が詰まってしまうから」という四国屈指のローカル線に似つかわしくない理由を語ったのは前出の車掌さんの弁。江川崎到着前には「ここからは時速65km/hの"速い"速度で走行します」というアナウンスが流れます…え?(笑) とは言え、"速い"速度での運転時にこの車両を見ると驚くほど跳ね踊っています。そりゃあ乗れませんわな…。
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車内…と言えるかはさておき、全景です。以前よりもきれいになったのは確かですね。しかし中まで黄色いこと…。
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車端部です。ここは貨車時代の面影がよく残っており、斜めに切り落ちた前面板は貨車時代のままと思われます。純然たる貨車生まれということで推進運転などはされず必ず気動車の後ろにくっつく運転形態となるため、こちらからは後面展望を楽しむことが出来ます。
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側ドアはないため、トロッコ車両への乗車は連結相手のキハ54形から幌を介して乗り移る形態としています。
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貫通扉上にはしまんトロッコのロゴが入れられています。
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屋根です。ビニール張りの超簡素な構造はさすが元祖、後続の追随を許しません(笑) 照明は大型の豆電球ふたつ、その他はスピーカーがあるだけです。
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トンネルに入るとこんな感じ。雰囲気出てますねぇ。
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側面です。雨天時に備えてビニールの雨避けも設置されています。留置中にも使用されていそうですが…。
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座席です。元祖はやはりシンプル、これまで乗ってきたトロッコ車両の中でもこれほど貧弱な座席は初めて見ました(^^;;
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これでもリニューアル前よりは進歩しており、座面にお世辞程度のクッションが貼り付けられ、中央には「袖仕切りか」って位の黄色いパイプが増設されました。形状から察するに、「窓側に大人、通路側に子どもを座らせてね」という暗黙のメッセージを感じますが、実際問題そんなにうまく行くわけはなく、大抵窓(?)側にいるのはお子様です。というか、もう少しちゃんと仕切って背ズリとしての役割が欲しいですよね。昔はこれすら無かったですが…。
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座席間には固定式のテーブルがあります。ミトーカデザインらしく通路側にはツマミがあります。
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車端部の座席です。壁を背ズリ代わりに出来そうですが、微妙に離れてるんですねぇ…。ただ、唯一ボックス間に柱を挟まない区画なので、進行方向向きでは展望的にベストな席と言えるでしょう。
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宇和島駅でのいわゆる「機回し」。これからもトロッコ列車の元祖として長きに渡って活躍してもらいたいですね。