北の碧きスーパーハイスペックモンスターエンジン、その始祖に当たるのがキハ281系です。
JR北海道の銭函列車の代名詞、「スーパー北斗」専属車両として平成6年から運用を開始しました。日本の気動車で初めて時速130km/h運転を行った記念碑的車両で、運行当初は札幌-函館間を従来より30分も短縮しました。恐るべし…。
こちらは貫通用の幌受けが取り付けられた車両です。見た目少し厳つくなりますね・・。
トップナンバーですね。
こちらは試作車の900番台です。貫通路の覗き窓が小型になっているのが外観の特徴です。あと、台車も地味に構造が違うそうな・・。
それでは参ります、デッキドアです。化粧板は全体的に白でまとめられており、握り棒は同社のコーポレートカラーである萌黄色です。そうそう、北海道の車両では珍しくステップが無く、スロープになっています。いや、低床ホームなので車両との高低差はあるんですけどね・・。
先頭車の運転台直後のドアは、冬季の凍りついたバラストの飛散による粉砕を抑えるためか下半分がガードされたタイプとなっています。
車椅子対応のドアです。幅を広げて車椅子が通りやすくしていますが、高低差の坂を登るのは少し辛そうです。
普通の列車に備わっているのかは微妙ですが、リネン室なるものがあります。
ピクトグラムもしっかりと。
トイレです。極めてモノトーンなデザインで、現在の特急列車のデザインを見ていると何かモノ足りません。中は洋式となっています。
向かい側にある男性小用トイレです。やはりスペースは最小限です。
バリアフリー対応トイレです。かなりの面積を割いて設置されてますね…。
妻面へは細長い通路となっています。繁忙期ではここの通路まで人で溢れ返ります。
その奥にひっそり存在する男性小用トイレです。スペース的に押し込めたから付けたのでしょうね。
くずもの入れです。その上には萌黄色の握り棒が渡されています。
荷物置き場です。訪日観光客が増えてからというものの、あっという間にスーツケースでいっぱいになります。車外にあるというのが停車駅が増えたこともありセキュリティ的に不安な所がありますが…。
荷物置き場その2。中段・上段は小振りで、固定用のベルトが備わります。スキーなどの長物の持ち込みを想定しているのでしょうね。
最前面へと通じる通路です。この先には一枚目に載せた覗き窓へと通じており、かつてはここからダイナミックな前面展望が出来たのですが、車の特攻等による衝突事故の危険性を鑑みて立入禁止とされています。
とは言え需要が旺盛な札幌-函館間、車両メンテナンスの関係からおいそれと増結も出来ないことに加え、繁忙期は「積み残し」で済まないレベルにまで乗客が詰められるため、やむなく開放される場合があります。
後面展望より。
さてようやく車内、まずは普通車自由席から参りましょう。一度リニューアルが行われており、登場時からイメージを一新しています。
デッキとの仕切りです。仕切り扉は水色で、視覚的区別を明確にしています。その上にはLED表示機が備わります。この表示機、次の停車駅まであとどれくらいの距離があるのかを表示します。走行時間が長い列車ゆえの表示なのでしょうね。
天井です。照明は半間接照明となっています。荷棚はパネルタイプ、窓寄りはアクリル製で、荷物の様子を確認できます。
座席です。登場時からのものですが、モケットが明るい青色に貼り換えられています。
リクライニング角度はそこまで大きくありませんが、座り心地は柔らか目で安定しています。ヘッドレスト部分には手すりが取り付けられており、連続するカーブを高速で乱暴に走り抜ける振り子車両ならではの装備と言えます。
足元にはフットレストが備わります。どういうわけか、振り子車両には割と設置されてるケースが多いですね。なぜでしょう…。
デッキ仕切り際には固定テーブルとフットレストのユニットが設置されています。
続いて指定席(として登場した)車両です。かつては先述の自由席と同じ座席でしたが、指定席のグレードアップを目的としてリニューアルしています。同様の座席は同じ「北斗」系統で活躍するキハ183系と、「おおぞら」系統のキハ283系、最近「スーパー北斗」にも使用されるようになった「スーパーとかち」系統のキハ261系にも搭載されています。
デッキとの仕切りです。こちらは車内側にも荷物置き場が設置されています。やはりセキュリティ的にこちらが安心ですよね。
座席です。789系uシートで先行搭載されたJR北海道が放つグレードアップ指定席ですね。uシートと違う点と言えば、モケットのカラーとコンセントが無い点でしょうか。座り心地も同様でして、相変わらず背ズリ下部のピンクの部分が薄くて硬めなのが頂けません。そうそう、自由席にはあるフットレストもありません。一応、「エ」の字形をした脚台の下側が微妙に山なりになっていてそれらしくなってはいますが…。可動式のヘッドレストピローを備えている点は評価出来ますが、ウイングアップ状態で固定されているのが残念です。人によっては狭く感じるため、グリーン車のようにウイングアップも可動式に出来ていれば完璧かと思われます。
デッキ仕切り際。フットレストのユニットがバッサリ取り払われています。ただでさえ居住性に難が出るデッキ仕切り際、残してあげてもよかったように思いますが…。
荷物置き場です。二段式で、下段には人様が座る座席の床にもないカーペットが敷かれています。多分に振り子作用による荷物の滑り出し防止のためでしょうね。
続いてグリーン車へ参りましょう。デッキには車掌室が備わり、ホテルのようなオープンカウンターとなっています。車掌に用事はあるけれど、車掌室の扉を開ける勇気は無い…ならば扉を取り払ってカウンターにしよう!という発想のもとこの様になり、後続であるキハ283系と並んでこの系列の特徴のひとつです。車掌が席を外している場合は、画像のような仕切りがされています。
トイレです。照明が暖色系となっているため、印象が異なります。
男性小用トイレもこの通り。
車内です。振り子車両としてバランスを取るためか、2+1の変則3列配置で座席が並びます。近年グリーン車も大きく姿を変えましたね。
デッキとの仕切りです。化粧板が木目調となっています。荷棚には毛布が置かれています。
天井です。暖色系の間接照明で、落ち着いた安らぎの空間を演出しています。ちなみに、荷棚下にあった読書灯は撤去されています。
座席です。近年座席が換装されており、「北斗」系統で使用されるキハ183系ハイデッカーグリーン車や「スーパーおおぞら」で運用されるキハ283系にも搭載されています。センターアームレストにはコンセントが2口備わり、走行距離が長いスーパー北斗でのサービスアップを図っています。
付帯設備もキハ183系と同様です。
1人掛けです。窓は1席に1枚配置です。
全展開の図。フットレストは角度可変、土足/土足禁止の両面を備えたものです。座り心地は「いかにもグリーン」と言わんばかりのもので、全体的にかなり柔らかいために「休む」ことを前提としていそうな雰囲気が感じられます。
デッキ仕切り際には引き出し式のテーブルとフットレスト、マガジンラックが一体となったユニットが設置されています。テーブルは大型で、いわゆるオフィスシート的な区画になっています。
車体中央では、1+2の配置が逆転します。車内販売のアテンダントさんも、ここを器用にすり抜けていきます。
切り替わる部分では2人掛けの通路側がさらし席となるため、テーブルのユニットが設置されています。それでも中々気まずい席であり、指定席の発券もラストプライオリティにあると思われますが、グリーン車のアテンダントさんの笑顔を真正面から見られるならそれはそれで当たり席です(笑)
最後に振り子車両恒例の裾絞り。思ったより絞っていませんね。
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JR北海道キハ281系
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