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Channel: 車内観察日記
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JR北海道キハ183系「旭山動物園号」仕様車

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「旭山動物園」、これほど長きに渡って観光スポットとして有名な動物園も珍しいと思います。ここへのJRでのアクセス専用列車として、既存のキハ183系を改装して登場したのが「旭山動物園号」です。

 

編成は5両つなぎ、各車に動物園にちなんだ塗装が施され、それぞれに愛称も付けられています。1号車は「草原のサバンナ号」です。

 

続いて2号車が「熱帯のジャングル号」です。

 

続いて3号車は「北海道の大地号」です。

 

そして4号車は「鳥たちの大空号」です。

 

最後5号車は「極寒の銀世界号」です。

 

なお、列車は5両全てがなんと0番台であり、両先頭車に関してはキハ183-3・4と初期車中の初期車、波動用として整備されていなければ確実にもっと早くに廃車されていたであろう車両たちとなっています。ちなみに車番はペイントされたものですが、キハ183-3以外は全て近くに切り抜きステンレスの車番が残り上塗りされています。

なお、この時は既に本業の「旭山動物園号」の運用を789系に譲っており、今回は「フラノラベンダーエクスプレス」にて取材を行いました。シーズン真っ盛りの詰め込み担当的運用ですね。

 

それでは参りましょう、デッキドアです。国鉄型車両らしくステンレス地仕上げのドアで、低床ホームに対応すべくステップがあります。北海道ではごくごくありふれた構造ですが、足元には注意しましょう。

 

くずもの入れです。見慣れた定番のデザインですね。

 

デッキとの仕切り扉です。左側には巻き込み防止のためにクッションが取り付けられています。

 

洗面台です。化粧板が貼り替えられたのかくたびれた感はありません。ステッカーがいくつか貼り付けられ、鏡にも動物がデザインされています。ここに顔を重ねればその動物っぽく見えるようにするためでしょうか?

 

そして別バージョン。キタキツネでしょうか?

 

トイレです。中は洋式に改造されています。

 

自動販売機ですが、一昔前に営業を終了しており、今や装置だけが残されています。

 

授乳室です。旭山動物園号化に伴い設置されたと思われます。普段は施錠されているため、使用の際は車掌さんに申し出ることとなります。

 

車内です。各車両で改装パターンは異なります。なんせ、今回乗車したフラノラベンダーエクスプレス4号、発車20分前に留置線から転線して入線してくるのかと思えば、ホーム手前で15分も停車し5分前にようやく入ってくる謎のモタモタがあったり、札幌到着後はさっさと入庫するという運用だったためこれが限界だった次第。

 

デッキとの仕切りです。0番台ですが、仕切り扉は自動開閉機構付きで窓が細長いイマドキのものになっています。

 

5号車には旭川駅-旭山動物園間のアクセスを担う路線バスの時刻表が入っていたと思われますが、最後はご覧の通り。

 

天井です。側面や床の改装具合からするとこちらはほとんど変化が見られず、カバーが掛けられた照明と冷房吹き出し口のみというシンプルな構成です。

 

窓です。2席に1枚の割り当て、日除けは横引き式のカーテンです。窓枠の下辺はペットボトル程度のものが置けるように広げられていますが、初期車ってステンレス製だったように思うのですが…。

 

座席です。初期車ですが座席は換装されており、「北斗」のグレードアップ指定席化で外された普通座席を持ってきています。モケットは「北斗」に搭載されていた時から変わっておらず、ヘッドレストリネンも普通の布製です。「旭山動物園号」として運転されていた時は、動物のヘッドレストカバーが取り付けられていました。これは789系「ライラック旭山動物園号」となっても変わりません。

 

ただ、シートバックテーブル裏のシールは変わらず貼られたままとなっています。

 

そのうちの一席をクローズアップ。各席で様々な動物について生息地やサイズ、詳細について記載されています。ペンギン、かわいいですよね。

 

デッキ仕切り際の座席には固定式のテーブルが設置されています。なお、ノースレインボーエクスプレスで運用される列車とは異なり車内販売はありません。

 

さて、大部分の座席は先述の通り換装されていますが、昨今の外国人観光客増加による大型荷物持ち込みで置き場不足が問題になっていることから、一部座席を着席禁止とした上でボックスシート配置にして荷物置き場としています。ここは換装の必要がないことから簡易リクライニングシート由来の座席がそのまま残されています。

 

一部車両は500番台が登場した時に貼り替えられたモケットのままとなっている車両もいます。着席禁止のハズですが…誰やリクライニングしたのは(笑)  というか、簡易リクライニングシートって、ボックス配置にして両方がリクライニングするとこんなに座席間が狭くなるんですね。

 

さて、5両編成の「旭山動物園号」ですが、1号車「草原のサバンナ号」は座席の無いフリースペースとなっています。左側にはキリンの背がかかれたボードがありますが…いや、ちょっと無理しすぎじゃない?(笑)

 

スタンプコーナーがありますが、5つあったであろうスタンプはどれも撤去され、変わりに富良野と美瑛の観光パンフレットが置かれています。

 

運転席寄りは土足禁止の遊び場となっています。この車両、実は「旭山動物園号」となる前から既に座席が取り払われており、今も昔も走行時間が長距離となる「オホーツク」での子どもの乗車を考慮し、自由席に「ちゃいるどさろん」が設定されていたことがあったそうな。テレビとスピーカーはその時の名残となっているそうな。

 

靴箱が設置され、その上には「モグモグコーナー」とあります。どちらかと言えば、土足禁止のこのゾーンは飲食をご遠慮して欲しい区画だと思うのですが…。

 

で、デッキとの仕切りを見てみると、ここにもありました簡リク。

 

やはり荷物置き場にされています。でも、ここって大きな荷物置き放題ですよね?

 

とは言え、このような形で簡易リクライニングシート由来の座席が見られるのも興味深いですよね。

 

先述の通り種車は初期車も初期車、2017年度中の引退が決定しています。長い間お疲れ様でした。


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