都内から最も近くSL列車を楽しめる秩父鉄道、JRだけでなく西武・東武からのアクセスも非常に良いことから土日の運転日には多数の観光客で賑わいます。
終点の三峰口には転車台が設置され、回転の様子を見学することが出来ます。
SL列車に使用されているのはC58型の363号機、メインの幹線を除く運用を前提とした機関車で、津々浦々活躍した定番機でした。現在は岩手に兄弟が動態保存車として運用されていますね。あちらは運転日数が恐ろしく少ないですが…。
乗務員室内部です。SLの運転も大変です。
区名受けはJRの高崎車両センターとなっています。実際、静態保存からの復活直後は高崎所属でしたもんね。
熊谷への送り込み、引き上げ回送には秩父鉄道の電気機関車が担当します。基本はこのデキ201が担当し、C58故障時や臨時客車急行列車などで時折営業列車を牽引することもあるのだとか。
いつものことですがここではこれらの列車のメインは客車です。国鉄12系客車を譲受の上使用しており、塗装が独自のものに変更されています。
「PASSENGER CAR」、直訳で客車ですね(笑)
車体中央下部には秩父鉄道の社章が入ります。
基本的にSL急行、パレオエクスプレスに使用され、時々先程の電気機関車牽引の臨時急行としても使われています。
運行開始30周年、おめでとうございます。パレオエクスプレス運用時は4両編成のうち指定席が1両、自由席が3両で運転されます。
それでは参りましょう、まずはデッキドアからです。国鉄時代の折戸そのままで残されています。なお秩父鉄道はSL列車以外は電車での運転でホームは低くないのですが、この車両はステップがそのまま残されています。乗り降りの際、ハマらないように気を付けましょう。
くずもの入れです。周りの化粧板は変わっていますが、文字は隅丸ゴシックのオリジナルタイプです。
編成両端は貫通扉まで開放されています。SL直後の場合はすぐ目の前にSLを臨むことも出来ます。
トイレです。近年は訪日外国人や洋式しか使ったことの無い子どもたちの乗車も増えてきておりますが、ところがどっこい和式となっています。こんな所までそのまま置いとかんでも…。でも、下世話ですが個人的には小さい用事を済ます分には和式の方がありがたいと思っています。このタイプ、水が溜まらないし。
向かい側には鏡が付いています。由緒正しき国鉄急行型車両の証のひとつですね。
洗面台です。こちらもほとんど変わらず、石鹸が固形から液体に変わったくらい(笑)
で本体にズームイン。ボタンは押していませんが、湯と水の両方が備わります。で、右側には昭和の方には懐かしき痰壺があります。私含め平成生まれの人間には、この穴はどのように写るのでしょうか…。
車内です。座席モケットや化粧板が貼り替えられ印象が大きく変わっていますが、天井や窓などの配置は昔のままです。
デッキとの仕切りです。仕切り扉は開きっぱなしが原則です。団体受け入れ時は短区間での乗車が多く、かつ仕切り扉は手動式のため車内販売のカートを通す時にいちいち開け閉めしなければならない煩わしさを解消するためかと思われます。
座席です。全席ボックスシートで、腰部分のクッションが普通列車用のそれよりも増やされ、窓側にも肘掛けが付いているワンランク上の設備です。国鉄時代、仮にも料金を取る列車だからこそ、なのですが、当時の料金はその設備というより、文字通り「急いで行く」ことへ対する料金だったのでしょう、今も昔も急行料金って安めの設定ですし。
車端部に関しては仕切り扉の幅の関係で窓際の肘掛けが省略されています。
両方を一気にどうぞ。座席幅も狭いので、よっぽどでなければなるべく外した席を指名すれば良いでしょう、よっぽどでなければ(笑) テーブルは変則六角形、ペットボトル4人分は楽々置くことが出来ます。
最後はSL延長戦。三峰口の転車台に入る手前では、機関車と客車が一緒にフレームに収まります。
折り返し準備完了、熊谷を目指します。
寄居にて。