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Channel: 車内観察日記
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JR東日本キハ48形「リゾートしらかみ」仕様車

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五能線、旅番組等で度々取り上げられていることや、青森県や秋田県の旅行ツアーにも組み込まれる機会が多いことから、鉄道に詳しくなくても知っている方がそれなりにいる路線だと思っています。

 

そんな五能線を有名かつ人気路線に変貌させたのは日本海の雄大な景色だけでなくこの列車の登場があったのも大きいでしょう。「リゾートしらかみ」、秋田-青森間を五能線経由で結ぶ全車指定席車の臨時快速列車です。

 

「リゾートしらかみ」の初代投入車両はキハ40・48を改造した新装キハ48形です。窓が大型化され、前面形状も大幅に変わっているため新車と見違える程の徹底リニューアルを実施しています。有料列車には持てる技術力を余すことなく発揮する辺りはJR東日本らしいです。

 

「リゾートしらかみ」には青池編成、橅編成、くまげら編成がいますが、前2編成は後継となるHB-E300系に置き換えられそれぞれ「CRUISING TRAIN」「あきたクルーズ号」に変わりましたが、最後に登場したこのくまげら編成だけは言わば"甥っ子"たちと共に「リゾートしらかみ」として活躍しています。

 

4両編成のうち中間の車両は前面形状が原型のままで残っており、都合上2+2で4両編成を組んでいます。その気になれば2両編成でも運用できますね。

 

帯はくまげらの赤や五能線の夕日などをイメージした赤・オレンジ・黄の3色に、青池編成の青と橅編成の緑を車端部に配しています。青と緑が無ければ、登場時のキハN183系みたいですね。

 

車番です。「キハ48」の文字がやや小さめになっているのはなぜでしょうか?

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。内外ともに大改造されているとは言え、のっけから案外改造前の面影が残っているなぁと思わされます。化粧板無しステンレス地の一枚引き戸に低床ホームに対応するためのステップなどはそのままです。

 

くずもの入れです。ピクトグラムのみで案内しています。

 

トイレです。元々は客室内へ飛び出るように設置されていましたが、デッキ面積を広げることで完全に分離しています。

 

男性小用トイレです。折戸式で、毎度のことですが面積は広く有りません。

 

洗面台です。外観に合わせてオレンジ色にしたと思うのですが、妙に生々しいですね…(^^;;  蛇口は自動式、石鹸は液体式のものが備わります。寒冷地東北を走ることを考慮したのか、左側には温度調節のつまみがあります。有料列車とは言え快速列車にしてお湯が出るというのは嬉しいですね。

 

中間に入った先頭車の運転台です。運転席のモケットもしっかり客室のものと同じものになっていますね。車掌台側はカーテンで仕切られています。

 

さて車内です。中に入ってしまえばキハ40系列らしさはほとんど感じられない文字通り「リゾート列車」の雰囲気となります。

 

デッキとの仕切りです。木目の自動仕切り扉に石造り風の装飾、誰が言ったか「世界ふしぎ発見!」(笑)

 

天井です。従来の丸い天井は冷房を載せるべく平らなものになっています。その冷房はラインフロー式、照明は間接式になっています。 合わせて両側にスポット式のLED灯が等間隔に並べられています。

 

で、こちらは後から追加増備された3号車の天井です。照明がE651系以降に見られるようになった半間接照明に変更されていますね。相変わらずカバーらしきものが付いているもののスリットになっているだけでカバーの役目はほとんど果たしておらず、1・4号車から確実にバリューダウンしています。まいっか、快速だし。

 

座席です。この時期に東日本でよく見られたスライド機構併設のリクライニングシートが並びます。ヘッドレストカバーはレザー製、この辺りは快速列車という列車種別らしく、と言ったところでしょうか。

 

テーブルはシートバック式、インアーム式の2つが揃っています。シートピッチは中々のもので、一部区間重複して走る特急「つがる」が霞んでしまう勢い。なお床面はセミハイデッキ仕様となっています。足元にご注意下さい。

 

3号車については座席こそ同一ですが、セミハイデッキが廃止されています。確かにあろうとなかろうとそこまで変わらないと言えばそうですが、キハ40系列共通の窓側の配管がセミハイデッキ化された車両よりも張り出しが大きくて邪魔になります。やっぱり他の号車と比べるとケチって作った感が否めません。

 

車椅子対応の1人掛けです。車椅子を固定するためのベルトが備わります。

 

リクライニングの図。座り心地は硬め、かつフルリクライニングすると腰部分の張り出しが少し気になるので、リクライニングは程々にして使うのが幸せです。

 

インアームテーブルを仕込んだ肘掛け形状のため座席に乗り移る際に難が出ることから、通路側を向けて固定することも出来ます。

 

デッキ仕切り際の座席には固定式テーブルが備わります。

 

最前面です。両先頭車ともにフリースペースとなっています。

 

ソファです。3人掛けと言ったところでしょうか。

 

海側には背ズリのバーを転換出来るベンチ状シートが設置されています。イベントの時に転換する機会に恵まれるのでしょうね。

 

続いて運転台直後のパイプベンチです。あえて居住性を良く無いものにして、代わって使ってもらえるようにしているのでしょう。

 

で、隅に置かれたこの折り畳み椅子。何に使われるかと言えば、一部列車では津軽三味線の生演奏が行われるというイベントが開催されているのですが、その時に使われます。普段はこのように置かれているのですね。

 

3号車にもフリースペースがあります。現状何が置かれているわけでもありませんが、何かしらのイベントなどを行う際は良いかもしれません。

 

こちらにも簡易なベンチが置かれています。背ズリ部分が転換式に見えますが、これを転換しても座れんぞ・・。手が細かいのは、この簡易ベンチの下にもヒーターが設置されていること。全車指定席のこの列車にして、満席時の飛び込み乗車があった際の案内場所にでもなっているのでしょうね。

 

続いては2号車です。この車両はボックスシート席車となっており、背ズリに壁を付けてセミコンパートメントとしています。ちょっといつぞやかの客車寝台車両みたいですね。

 

デッキとの仕切りです。この車両、元々青池編成に組み込まれていたもので、デザインが他の車両と異なっています。

 

窓です。通路側の柱には白神エリアの美しい景色が入った広告枠が設置されています。

 

さて座席です。この区画は6人掛けで、移動可能な肘掛け(…を想定しているのでしょう)が置かれています。中央にはテーブルがあり、飲食物を広げて賑やかにやることも出来ます。しかし、ドリンクポケットはなぜ4つ分なんでしょう…。

 

この座席、背ズリ下にあるレバーを操作することでフルフラットにすることが出来ます。これこそ一昔前のA寝台や583系で見られたものですね。但し、一人や二人で使う分にはいいですが、6人組でフルフラットをやらかすとかなり狭いです。嬉しさに任せてやらかすと反って窮屈なので気を付けましょう。

 

荷棚です。キャパは少な目ですね。柱に見えるスイッチは屋根にあるスポットライトのスイッチと思われます。

 

デッキ手前の座席は通路幅の関係で4人掛けとなっています。もちろん、この席にもフルフラット機構が備わっています。このフルフラット機構、少々クセがあり展開・収納に難が出ます。実行は計画的に。

 

6人掛けと4人掛けの隅を利用するように設置されたマガジンラックです。使用されている木はブナなのでしょうか…。

 

東能代から、魅惑たっぷりの五能線へ。

 


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