太平洋沿岸を走る八戸線、長らく「うみねこ」を除けば原型エンジン非冷房という時代錯誤もいいところな車両しかいない(乗客からすれば)悲惨な状態だったこの路線にも、直接新型車両が導入されました。
近年JR東日本のローカル線区への投入実績が増えてきたE130系がマイナーチェンジの上投入されております。500番台を名乗っており、スカートがスノープロウを兼ねたものとなっております。太平洋沿岸地区という比較的積雪が少ない土地とは言え、降るものは降りますもんねぇ…。
先頭ドア横にはうみねこのデザインが描かれています。
それにしても、この明朝体一文字で「鮫」とは、ただの駅名の割には中々かっこいいと思います。
半数程度はこの鮫駅で折り返しとなりますが、折り返し待ち時間が長すぎるためか乗務員さんは駅舎の詰め所に引き上げてしまい、車両に戻ってきても中々開けてくれないなぁと思っていたら地元のおばちゃんが開けろと言ってドア扱いさせるという何とも長閑な一面を見たのでした。
そんなおばちゃんが開けさせた車内がこちら。ベースは0番台ですが、寒冷地東北らしく一部部品が改善されています。
ドアです。ここへ来てなぜだかステンレス地そのままのスタイル、他の2番台は黄色になっている中なぜ…。そして相変わらずステップはそのまま残されています。
ドアは半自動式、外側に開ける、内側に開閉両方のボタンが備わります。LED灯を仕込んでドア扱いしているかどうかが分かりやすくなっています。
車端部です。仕切り扉もありますが、普段から開けっぱなしにされておりますのでそのままお送り致します。連結面がやや高いのかスロープになっているため、通り抜けの際は注意が必要です。
最前面です。この時はワンマン運転が行われておりませんでしたが、もうこの時からやる気満々、程なくして一部列車でワンマン運転が開始されるという…。
運賃表示機はLCDタイプ、使われない時は行き先と途中駅が流れます。
天井です。この番台から照明が直管式のLED灯に変わりました。枕木方向にも吊革がありますが、朝夕に来るラッシュ対策でしょうか。
監視カメラもあるようです。
この系列が知らない震災の教訓で荷棚に非常脱出用のはしごが備わります。
別の荷棚にも載っていますが、形状が違う…。
窓です。形状は従来の番台を踏襲したものです。カラーフィルムだけで日射なんぞ防げるわけもなくでして、今まであると思っていた日除けを降ろそうとしてうっかり窓を開けちゃうなんていうケースも…。
座席です。ドア間は両端に2人掛けロングシート、中央にボックスシート2組という電車では国鉄時代からよく見られた配置です。
まずはボックスシートから。こちらは4人組、キハ40時代よりも足元はワイドに、シートピッチも広めとはなっています。寒冷地にして相変わらず片持ち式なところとか、柱部分の席はろくに窓枠が使えないとかダメなポイントも相変わらずですが…。
トイレ横のボックスシートは1組のみの配置です。ゴミ箱も近いですし長距離乗車には良さそうです。
0番台に引き続き2人組ボックスシートも備わります。
座り心地は言うに及ばずでして、Sバネを仕込んだとしてもそれは座面奥のみの話でして、座面先端やヘッドレストの硬さは相変わらずです。JR東日本はこれ以上進歩しないんだろうなぁ、と。
煙突が後ろにあるとこんな感じ。肘掛けも本当に肘を置く程度のものです。
ドア横のロングシートです。半自動とは言え開いた時の寒風直撃を防ぐべく、袖仕切りがアクリル製でさらに大型なものとなりました。さすがに従来タイプのものはマズいと思ったか(笑)
3人掛けもあります。ボックスシートと異なり足元が埋まっているのは寒さ対策としては良いのですが、上に乗っているこの座席の形状だけは許せません。
優先座席はお馴染みのモケットで区別されています。
フリースペースです。いかにも効きそうなヒーターと非常通話装置が備わります。で、介助者の使い勝手そっちのけの袖仕切り、ここは例え寒風直撃でも何とかした方がいいんじゃない?
最後にトイレです。円筒形の大型バリアフリー対応タイプなのは最近の車両らしいと言えますね。