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JR九州885系「かもめ」仕様車

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旧肥前の2県が揉めている長崎新幹線の前身(…になる予定)の長崎本線の看板特急に使用されているのが、883系に続く振り子式の885系です。今回は左側の「かもめ」として登場した初期編成をクローズアップ。

 

ドイツの高速鉄道の1系列である、ICE3をイメージしたようなデザインですね。ロゴに「INTERCITY」と入っている辺りは確実にそうなんだと思います。登場当初は黄色の帯でしたが、ソニック編成と運用が共通化されていたため青帯に統一された過去があります。

 

側面には九州の社鳥とも言えるツバメのロゴがあります。

 

転落防止幌にもカモメのマーク。誰ですか、「マツダ」なんて言ってる人は(^^;;

 

それでは参りましょう、まずはドア周り、こちらのゴミ箱は飲料系限定ですね。その上にはミニテーブルや車内誌のマガジンラック、号車案内等が有ります。ドア横にランプが有りますが、これ、進行方向によりランプの色が変わります。乗客が使いこなせているかどうかは「?」ですが…。

 

この系列の独自的なもの言えばこのミニギャラリー。デッドスペースを有効活用したということでしょうが、まぁ他にはあまり見かけません。

 

かもめ、おくんち、蛇踊…いずれも長崎に関するものですね。

 

携帯電話の通話室です。デッキはどうしても騒音が大きくなってしまうので、このような扉で仕切られた空間はありがたいですね。

 

で、中には暖簾で仕切られただけの通話スペースも有ります。この差はなんなんでしょう…。

 

暖簾をちょっと失礼して…。下まで広げられた窓は解放感が有りますね。またカウンターテーブルも付いています。

 

そしてアングルを変えると簡単な腰掛けがあります。ええ、自由席満席時はこんなところも考えてみてはいかがでしょうか。

 

トイレは男性用・女性用が向かい合わせに配置されており、側面の壁は木目調でこちらにも簡単な腰掛けが有ります。「かもめ」のロゴも入っていますね。

 

そう言えば、2001年のブルーリボン賞やブルネル賞も取ってるんですね。えらく立派なパネルが付けられています。

 

ようやく車内です。こちらは普通車、近年モケットが変更され少し印象が変わっています。

 

そして、こちらはヘッドレストカバー違い。

 

最前面です。883系は窓が中央の仕切り扉のみでしたが、この系列では柱やドアの縁を除いて全面ガラス張りとなっており、これもICE3っぽさが出ていますね。なおこの画像は停車中にブレーキを非常段に入れたもので、前方の悲劇を車内へ中継しないようにするのが目的の「瞬間曇りガラス」が発動しています。非常段を解除すると、曇りも同時に解除されます。

 

天井です。長らく細長い蛍光灯タイプの照明が多かった鉄道車両ですが、この系列ではスポットタイプのダウンライトがメイン照明とされています。荷棚は883系に続きハットラック式、どうしても窓際が暗くなってしまうため、新幹線のグリーン車のような補助照明が仕込まれています。デザインとしては面白いですが、メンテの手間は増えていそうですね(^^;;

 

座席です。現在から見れば、この系列以降九州各地で標準的に採用されるようになったフレームの回転リクライニングシートですね。

 

テーブルは1/4円形のインアーム式、センターアームレストに仕込んでいるため結果的に肘掛け戦争のリスクは多少低くなったかと思います。またお尻で横幅を取る部分に多少の凹みを持たせたのは隠れた配慮とも言えますね。ただ、テーブルの面積は使い物にならないくらい…。座面の面積は広げられているもののフッティングはイマイチ、底付き感が気になります。

 

ヘッドレストの裏にはチケットホルダーが有り、検札の際は車掌さんが勝手に取ってスタンプして戻してくれます。その後の取り忘れにはご注意のこと…。ヘッドレスト下にはバンドが巻かれており、「KAMOME」のロゴが入れられています。

 

モケットはミトーカデザインらしく複数用意されています。

 

そしてヘッドレストカバーの色違い。座面幅は広がっていますが、そのしわ寄せはサイドアームレストへ来ており、まぁ頼り無いですね…。元は後述する総革張りであったわけですが、乱暴な走りをするこの系列についてはまぁいい判断だと思います。ヨーダンパが役に立たない強烈な横揺れでも滑らないのは改善点です。

 

車椅子対応の1人掛けです。アームレストを仕込めなかったのか、固定式のミニテーブルが備えられています。

 

デッキとの仕切りには固定テーブルが付いています。これがまた縁取りも無く、再びとなりますが揺れが激しいこの列車では非常にスリリングです。ドリンク用のくぼみも、二段式となっておりはまらなければちょっと悲惨です。この区画でプラスポイントは固定式のバーレストがあることで、たまに体勢を変えたい時には便利です(通路側はえらく寸足らずですが…)。

 

こちらが登場時の車内。圧巻の総革張り、普通車でこれだけの重厚感は非常に強烈です。

 

というわけでその座席。表皮は黒で、フレームの色もそれに合わせています。

 

見た目としては非常にインパクトが強いこの座席、座り心地としては見かけ倒しというか、この革張りが正直悪さをしている感は有ります。滑り止め加工がされていないため、座面に角度がほとんど取られていないこともあいまって前方へズルズル手動リクライニングさせられるため足で踏ん張らねばなりません。またその滑りやすさは再三となりますがこの横揺れアトラクションではその揺れを増長させる結果となっています。

 

バックにはバンド、チケットホルダーにカモメのロゴ。なお、この革張り座席は革が苦手な人にはキツいであったり、何より滑るのと、メンテの手間に負けたか(笑)目も当てられないくらいボロボロになった座席もあったため、モケット化が進んでいると思われます。この流れはソニック編成も同様です。

 

この車両、在来線としては比較的早くから乗客用のコンセントを備えた車両となっています。こちらは窓下に設置されたパターンですね。

 

そしてこちらはセンターアームレストに内臓されたパターンです。

 

回転式で、差し込み口は比較的緩いので外れやすく注意が必要です。

 

車椅子対応席です。

 

リクライニングの図。回転ペダルがある部分には固定用ベルトが備わっています。回転は座面下にあるユンボのレバーのようなものを押し下げる見慣れない方式、慣れてないとちょっと戸惑いますし、余計なお節介ですが車内清掃の時は清掃員さんの余計な手間が増えていそうです(※)。 リクライニングもボタンでは無くレバー式です。

 

※豆知識的に、ペダル式の座席は踏めば回転ロックとリクライニングが同時に解除されるのが一般的です。またペダル式は姿勢を変えずに済みますが、この方式は腕を下に伸ばす余計な動作が入ります。

 

車椅子からの乗り移りを考慮し、斜め固定も出来ます。

 

続いてグリーン車です。仕切り扉にガラスは無く、カモメのロゴマークの上にグリーン車マークが入っています。

 

その横には切り抜きのカモメマーク。ダウンライトによりロゴが強調されています。

 

向かい側はスモークがかけられたガラス張り。こちらにもうっすらぼんやりカモメマークが(^^;;

 

先程の仕切り扉とグリーン客室との間には普通席より幅広の携帯電話の通話スペースがあります。右下に充電用コンセントと車内誌、その上にはモニターがあり、かつてはBS放送もやっていたようです。

 

グリーン席の車内です。座席以外に異なる点は窓の柱に飾り照明が付いたことくらいで、基本的な構成は普通車と変わりません。この辺りの設計思想は883系から変わっていません…というか共通化によるお手抜き、見方によれば普通車が(見た目的に)上等過ぎて相対的にこうなったか…。

 

というわけで座席です。まずは2人掛けですが、高速バスのようにそれぞれが独立した形状としているため、隣に他人が乗ろうともパーソナルスペースの侵害リスクは低いです。それはいいんだ、テーブルがまたグリーンらしからぬ貧弱な面積で、いいとこ回転利用を考慮して設置された前席背面のテーブルくらい、使い勝手は決して良くありません。

 

向かい側の1人掛けです。普通席はモケットへの変更が進んでいますが、グリーン車は現状維持のようですね。

 

リクライニングの図。サイズが多少大きくなっただけで座り心地は普通車と変わらずなので、その費用対効果は相対的に悪くなります。要するに普通車の方がまだいいということ、高いグリーン料金払ってまで乗るもんじゃない。

 

仕切り際の席は固定式のテーブルで、こちらは個別タイプでは無いものの面積が広めです。相変わらず縁取りも無くスリリングですが…。

 

1人掛け席は、ダウンライトや目隠しのすりガラス等もありプチ書斎チックになっています。博多行きではここを指名買いするのも悪くないですね、雰囲気料くらいの価値ですが(殴)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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