足尾銅山へのアクセスを鉄路で担うのがわたらせ渓谷鐵道です。普通列車では、1~2両のディーゼルカーがゆっくりした足取りで走っています。
ここで25年以上活躍を続けているのが、わ89-310形です。かつて富士重工で製造されていた軽快気動車・LE-DCのパッケージを採用しており、同様の車体は京都丹後鉄道やかつてのくりはら田園鉄道の車両にも見られますね。
間藤駅にて。一部列車は2両で運転されており、多客時にもこのように増結されることがあります。
大間々駅にて。増解結はこの駅で行います。
車体側面には沿線に生息する動物の切り抜きプレートが貼られています。こちらはカモシカですね。
そしてこちらがうさぎです。切り抜きプレートで表現するのは、この車両が最後ですね。
車内です。通勤通学・観光双方に対応すべくセミクロスシート配置となっています。どうでも良いですが、このカットは桐生駅到着時の車内精算前に撮ったものです。運転士さんが「はい、チーズ」と合いの手を入れて下さり、ちょっとホッとした瞬間でした(笑)
ドアです。バス部品を流用したステップ付きの折戸で、やっぱり頼り無さを感じてしまいます。渡良瀬川の渓谷美を下まで伸びた窓で楽しめるという点ではうまく考えられて…るわけではありませんね(爆)
運転台です。コンパクトな半室構造で、車掌台側は前面展望に最適です。混雑時は満席で無くてもここに立つ人もいますよね。
天井です。照明はカバー付きのものが1列中央に配置されています。夜間はちょっと照度不足感が否めません。吊革はロングシート上のみ設置されています。
富士重工製ディーゼルカーと言えばこれ、丸を並べた模様がプリントされた化粧板です。今では富士重工が鉄道車両を作らなくなったため見られなくなりつつありますが、こうして現役車両が残っているのはうれしいですね。
窓です。二段式で、下段が開閉可能です。日除けは地方ローカル線でよく見かける横引き式のカーテンが備えられています。
各種緊急ボタンです。使うことが無いのが一番ですね。
座席です。まずは中間のクロスシートから行きましょう。
背ズリの分厚さが非常に気になりますね(笑) 緩くバケットが付いており、今時の車両と比べると気持ちゆったりと座ることが出来ると思います。ただ柔らか過ぎる向きもあるので、長時間の乗車では少し疲れが溜まりそうですね。あとこの厚みをちょっとずつ減らすと、シートピッチも広く取ることが出来そうです。
テーブルは変則六角形のものですが、急行型車両のそれよりは小振りなものですね。
ロングシートです。手前の気になる機器はここでは置いておきまして、4+4の8人掛けと言ったところでしょうか。袖仕切りはパイプ式で、やや斜めに落ちているので肘掛けとしては少々使いにくいですね。
こちらは6人掛け。クロスシート裏面はモケット張りとなっており、袖仕切り側よりも居住性は高そうです。ボックスシートが埋まっていても、クロスシート背面のロングシートに座れればダメージも少なそうです。
トイレとクロスシートに挟まれた4人掛けです。座り心地はこちらもややくたびれたクッションで、ゆったり座れる反面混雑時にジッと座っておくには少ししんどいものですね。
トイレです。コンパクトなこのスタイルは地方ローカル線ではよく見かけます。中は和式、登場時期的には仕方無いか(トイレが無い車両も多いですし…)。
間藤駅にて折り返しを待ちます。現在の終点はここですが、かつてはスイッチバック式を採用した貨物線が伸びておりました。
廃線跡は更に奥まで続いており、道路の橋からもこのように堀割がくっきり残っております。
更に奥は木々が伸びて見えなくなっておりました。
間藤から桐生へ向け下山開始です。