山陽電車で30年程特急運用を担ってきた5000系。そろそろ老朽化も気になり出して来たことで、リニューアル工事が施され始めています。
外観について、形状に大きな変化は見られません。貫通路上の前照灯はLED化されていますが、始めにリニューアルが施工された5702Fは種別・尾灯の白色化は行われていません。
そうそう、この5702Fの5702号車は元々5004号車だった車両で、リニューアルに伴いMT比が4M2Tから3M3Tと経済的な構成に変わっています。
側面は赤帯が太帯1本に細帯2本に変わり、ドア両側に6000系と同じグラデーションの帯を追加しています。
こちらの5802号車は元は5005号車で、制御装置がVVVFインバータに更新されています。
方向幕はフルカラーLED化されています。白文字の縁が黒になったタイプですね…。
車内です。こちらは中間の2両で、クロスシートの構成自体は変わらず、各部のリフレッシュが行われています。1番大きな変更点はFRPの化粧板が普通の化粧板に交換された点ですね。かつては斬新だったとは思うのですが、今では暗めの色調もあり今一つだったのかもしれません。
ドアです。両側にイエローラインが追加されています。
また千鳥配置ですがLCDディスプレイも追加されました。運行案内の1画面のみですね。
中にはこうやって窓下にでっかい広告ステッカーが貼られていることも…。この辺り良くも悪くも山陽らしい…(笑) そうそう、音の関係ではドアブザーとドアチャイムの両方が装備された珍しい形態となりました。ドアチャイムは開く時のメロディはJR東海のドアチャイムに似ていますが、閉める時はオリジナルタイプかと(近鉄っぽいですね)。ドアブザーは戸閉前の予告合図的な使い方ですね。
車端部です。当時から大きな窓の仕切り扉を使っていたため大きく変わりません。UVカットガラスになったのか、隣の景色が青みがかっていますね。
優先座席の区画です。フリースペースも増設されています。
天井です。照明はカバーが付いた蛍光灯から、反射式のLED灯に交換されています。6000系と同様、少し傾斜を付けて設置しているため反射式のメリットが少し薄れているのが残念な点でしょうか。反射式は、天井に対して水平に設置すべきが持論です。
窓です。こちらは5030系のもので、構成は変わりません。中央の大窓は眺望は良いものの、日除け紛争が勃発することもしばしばですね…。
座席です。ドア間は全席転換クロスシートで、ドア横には衝立が取り付けられています。チラッと窓が見えていますが、こちらの車両はカーテンレールが追加され、個別に日除けを降ろせるようになっています。
設置された座席自体、見た目の構造は変わりません。変わった点と言えば、6000系と同様のモケットになったことですね。
向かい側の1人掛けです。
座り心地としては、クッションの沈み込みを少なめにしたものに交換したためか、やや座面が高めに感じます。あの沈み込みがそれを計算した上でやってたものだとすると、今の形態はその計算から外れた設計にしちゃってる訳で、あまりファインとは言えないでしょう。長時間座ってると、太もも裏に疲労が溜まる座席です。
兵庫県の花、のじぎくがプリントされています。路線上は、兵庫県内で完結する私鉄ですもんね。
車端部のロングシートです。モケットの柄で分かりにくいですがバケットシートになっており、袖仕切りも6000系と同様のものに変わっています。こちらは後程…。
フリースペースとセットになった区画です。非常通話装置と握り棒を備えています。袖仕切りは肘掛けを兼ねたタイプで、車椅子の方とセットで乗車した場合でも仕切られないようにしています。
優先座席です。水色のモケットで区別しています。
続いてロングシート車です。今回のリニューアルで5両中3両がロングシート化され、セミクロスシート車は2両にまで減少しています。混雑対策とは言え、ちょっと寂しい気はします。
最前面です。こちらも化粧板が交換されています。
天井です。クロスシート車とは吊革の支持方法が若干異なっています。
窓です。こちらは5000系の窓で、中央は2枚の固定窓となっています。
で、姫路方先頭車では上り大塩駅でドアカットを行うため、窓の柱にその旨が注意書きされています。これもそのうち見られなくなるんでしょうね。
座席です。6000系と同様の緩いバケットシートで、ドア間は8人掛けとなっています。
最前面の2人掛けです。前面展望はこちらからですね。
優先座席バージョンです。座り心地はやはり座面の程よいクッション性は良いのですが、背ズリに関してはもう少し角度があると尚良いなぁという印象です。
姫路駅にて折り返し。窓も掃除され、折り返しを待ちます。