「遠くへ行きたい」を叶える列車、JR西日本の「WEST EXPRESS 銀河」。今やほとんど体験出来なくなった夜行列車の旅も提供されており、季節により運行区間が変わるものの、概ね好調な乗車率であるように見受けられます。
今回は6号車に設定されたグリーン個室、「プレミアルーム」をご紹介。デッキはありませんが、この車両は個室席のためあまり問題ではありません。
トイレ・洗面台との仕切りがこちらです。柄が異なる程度の差ですね。
通路はこんな感じ。2人用個室が4席、1人用個室が1室という争奪戦必至の座席となります。
時代遅れも甚だしい電話先着予約という難関をくぐり抜け、今回割り当てられたのは3号室。室内がこちらで、デフォルトではこの状態でセットされており、昼行便では3名、夜行便では2名が定員となっています。近郊型電車もここまで改造されるとものすごいですね。手前には大型の固定テーブルがあり、飲み物などを置くことが出来ます。
扉は内鍵のほか、外側からテンキーによるナンバーロックをすることが出来ます。で、内鍵の下にある出っ張りは扉の開閉レバー代わりです。ちなみにこの扉、鍵をかけても開かないように磁石が仕込まれていますが、この磁石がまた強力なんです(^^;; 力が弱い方は最初「内鍵閉められてる?」と思いたくなるほどかと思いますので、目一杯力を込めて開けましょう。
扉の横には、空調のつまみと外鍵の解錠ボタンがあります。そうそう、化粧板は木目調のものを使用しており、温かみを演出しています。
天井です。ダウンライトに空調の吹き出し口がひとつあります。一応、窓上にも間接照明が入っているようですね。
窓です。車窓を楽しめるように窓が拡大され、固定窓化されています。
日除けはフリーストップ式のロールカーテンが備えられているほか、横引き式のものも備えられています。横引き式のものは目隠し、ロールカーテンは遮光が役割なんでしょうね。
座席です。枕木方向は座面のみ、レール方向は背ズリも付いております。上辺が斜めに切り落ちており、使い勝手はイマイチですが…。
で、この座席。背ズリを窓側に倒せるようになっており、広げると簡易ベッドとして使用することが出来ます。背ズリが台形なのは、この室内形状に合わせるため、ということですね。クッションとブランケット、そしてシーツが用意されております。
シーツを敷いてみました。台形なので少し敷くのに難儀しますね(^^;; あと、あくまでここの車両種別は座席、寝台では無いので敷き布団はありません。やっぱり硬さは少々気になりますね。
テーブルには銀河お馴染みの飾り照明があります。
そしてテーブルがある窓下には、照明のツマミとスイッチ、そして充電用のコンセントとUSBポートがあります。フリーWi-Fiもありますのでデジタル面でのサービスは充実していますが、山間ではフリーWi-Fiが途切れます。
テーブル下にはヒーターがあります。一応モノが直接触れないように防護がされていますが、それでも近くにモノを置かないようにステッカーが貼られています。
向かい側には固定座席があります。幅が狭いためにちょっとした引きこもり席になっています。ヘッドレストには銀河オリジナルのリネンも付いています。そうそう、ハンガーもありますが壁に固定されているため、ちょっと衣類をかけるのには難儀します。
こちらが1室のみ設定されている1人用個室です(現時点での空室にて撮影)。こちらは壁にクッションがあり、ベッド状態でももたれかかれるようになっていますね。
お部屋の様子はこれくらいにしまして、通路を進んでいくと、フリースペース「彗星」にたどり着きます。こちらの英語は「ラウンジスペース」と記載されています。
というわけでこちらがフリースペース「彗星」です。4号車の「遊星」と同じく、ちょっとしたベンチと立ち席用のテーブルやドリンクスタンドがあります。
窓です。1号車と併せて、編成内で唯一開閉可能な窓となります。二段式で、上段が下降式で開きます。が、開閉はかなりコツがいります。登場から40年超、リニューアルこそされましたが、それでもガタは隠せないようです。
仕切り扉は開き戸のままですが、窓が下まで拡大されています。ただ前面窓は従来のままの大きさなので、前面展望という訳にはいきません。
ベンチです。座布団は二つ置かれています。またセミハイデッキ化されており、先述の通り前面窓が高めながら座りながらでも多少は前面展望が出来るようにしています。
ドリンクスタンドです。4本分が二つ備わっています。
夜行便での雰囲気はこんな感じ。足元のみの照明が点灯します。
フリースペース「彗星」の様子はこちら。ちょっとしたホラーっぽくなっちゃいましたね(苦笑)
今回乗車したのは紀南コースの夜行便。和歌山駅では長時間停車を行います。ホームにはこのような手書きの歓迎ポスターが飾られます。
跨線橋には飾り照明が置かれていました。
そして、列車が停車しているホームには撮影スタンドがあります。ここに描かれた3スポット、残念ながらこの時間からは行けません。大阪からは紀南に比べて近いですので、機会があればということですね。
そして長時間停車の間に、和歌山の中華そばを楽しむことが出来ます。今年は冬の運転でしたのでラーメンの温かさが身に沁みましたが、夏だと暑そうですね(笑)
各駅にも幟やキャップアートなどが飾られています。紀南各駅の期待が非常に大きいことがうかがえます。