Quantcast
Channel: 車内観察日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2034

泉北9300系

$
0
0

中百舌鳥から和泉中央までを結ぶ泉北高速鉄道。なんじゃかんじゃで南海グループとなってからは日中時間帯にも区間急行が運転されたり、特急泉北ライナーが運転を開始したりと、輸送体系に変化が生まれてそれなりの時間が経ち、現行の体制も定着してきた感じがあります。そんな泉北ですが、2023年に新型車両が登場しています。

9300系、基本設計は親会社である南海の8300系のものを使っていますが、塗装・帯色の違いはもちろん、前面窓下のブラック処理の違いで随分と印象が変わったものだと思います。

それにしても、この系列を含めて南海8300系の系統は様々な形態を持つ車両が在籍している状態になりましたね。時代に合わせて進化した結果ですが、これらの取り組みが評価されたかグッドデザイン賞を受賞しています。

車内です。基本設計は南海本線「マイトレイン」仕様車のものを使いながらも、親会社以上に木目調を全面に押し出したスタイルに仕上げています。

ドアです。濃い木目調の化粧板を使用しています。ドアを濃い色調にしたのは2001年にお目見えした阪急5000系リニューアル車で、そこから近鉄のリニューアル車などにも広がり、この系列にも採用され徐々に広がりを見せている印象です。そんな中で、イエローラインを入れることで注意喚起もしております。

千鳥配置でLCDディスプレイが設置されています。片面のみの設置で、左側は路線図や広告が入っております。ドア横の握り棒はやや短めで、近年他社では長くなりつつある中どういった意図でこうなったのかは気になるところです。一応、比較的低めに設置されているようには見えますが…。

車端部です。こちらも二色の化粧板を使用しています。仕切り扉は幅が広く窓が大きいものを使用しています。ステンレス車体ながら妻窓完備、この辺りは関西私鉄らしい作りです。

優先座席を有する車端部です。吊革は濃黄色、足元にもシートを貼り付けて区別しています。

最前面です。左右で異なる窓の大きさで、運転台側の窓は着色ガラスとなっています。仕切り扉は引き戸式で、これは南海を含めたこれまでの車両と同じ仕様ですね。おかげで真ん中であれば不自由なく前面展望が出来るという副作用が生まれています。

併結時の様子。照明も無いので、通路となることに徹しています。

天井です。こちらも基本設計は8300系と同様で、照明は直管式のLED灯ながらソケットを埋め込んだ形状とすることで、光を溝に反射させるという見せ方をしています。送風補助のラインデリアは整風板が枕木方向を向いたものになっています。

窓です。やや色味がかった複層ガラスを採用しながらも日除けを装備しています。そうなんです、暑さと眩しさは別に考えるべきなんですよね。

座席です。バケットタイプのロングシートで、ドア間は6人掛けとなっています。赤系のモケット2種類を使っており、バケット以外にも定員着席を促しています。いやぁそれにしても、木目調の化粧板と合わせて完全にコメダですよね、コメダ(笑)

フリースペースとセットになった区画です。青いシートを貼り付けて面積を明確にしています。付帯設備は握り棒、非常通話装置と、ヒーターが設置されています。そのヒーター、木目調化粧板に合わせて焦げ茶色に塗装したものを取り付けています。デザインを壊さないように配慮されていますね。

車端部の4人掛けです。袖仕切りは板とバーの組み合わせで肘掛けと立ち客との分離を両立させていますが、肘掛けとしては少々高めなのが少々残念なんですよね。

優先座席です。こちらは泉北共通の黄色いモケットを使用しています。硬めのクッションながら比較的形状はしっかりしている印象ですが、硬めクッション故やや座面が高く感じること、背ズリの角度が少々緩いため、座り方を選ぶ座席なように思います。もう少し硬さが緩ければ、この形状はいいと思うんですよね。

向かい側には消火器が収納されています。グッドデザイン賞を受賞してる割にはやや車内側に蓋が張り出しているのがイマイチなんですよね、ここはスッキリしていることに越したことはありません。

少々オマケを。登場後すぐ、吊り広告はデビュー記念のもので統一され、戸袋の広告枠に何も入れない特別仕様で運転されていました。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2034

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>