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Channel: 車内観察日記
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JR四国8000系

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JR四国の稼ぎ頭の一つである岡山・高松から松山方面の特急列車、「しおかぜ」「いしづち」に使用されているのがこの8000系です。今でもJR四国のフラッグシップトレインとして活躍しています。というか、JR四国の電車特急って、長らくこの系列のみでしたよね。8600系も登場しましたが、まだまだ主役の座は譲りそうにありません。画像はグリーン車の先頭車です。真紅のラインが個人的にはとてもカッコいいですが、グリーン車ならば緑のラインにするべきでは・・。あまり突っ込んではいけないところなんですかね(^^;; このデザインはリニューアルに伴い採用されたもので、元々は四国のコーポレートカラーである水色帯を主体に、前面下部に赤とオレンジの帯となっていました。流線型の先頭車両は、登場から20年以上経った現在も色褪せない秀逸なデザインで、試作車に至っては高速運転試験において160km/h(正確には158.9km/h)を達成しています。


こちらは指定席車の先頭車両で、オレンジの帯になっています。画像は高松発着の「いしづち」なのですが、なんと2両編成の電車特急です。かつては3両編成だったのですが、岡山・そこから新幹線連絡の本州方面への輸送力を強化する事情があったため、8両編成で5+3両編成であった3両編成の1両を「しおかぜ」系統の6両編成化のため持って行っています。おかげで、JRグループ最短の電車特急になることに・・。


併結運転を行うために、貫通型の車両も存在します。見事なまでのやっつけ仕事感漂うスッパリ切妻と、黒で縁取りされた大型ライト、普通車自由席を表す群青の帯、どう見ても寝不足の顔にしか見えません(殴)

パンタグラフは懐かしの菱形です。このパンタグラフ、常に鉛直方向を向くように、台車とワイヤーで繋がっているそうです。九州の振り子特急電車も同じような構造になっていますね。


ドアはプラグドアになっています。この時期のJR四国特急列車のブームとも言えますね。故に、「ドアは一旦閉まりだすと閉まるまで止まりません」と言った珍しいアナウンスが流れます。


さてそれでは参ります、まずは自由席から。デッキドアです。先述の通りプラグドアになっています。


ゴミ箱も忘れず完備。これ、かなり低めに作られており、ちょうど車椅子の方が捨てやすい高さになっています。早めのバリアフリーですね。


トイレです。元々車椅子対応トイレを除いて和式だったのですが、半数が洋式に改造されています。


洗面台です。三面鏡となっていますね。


携帯電話通話スペースです。かつては喫煙スペースでしたが、全列車が禁煙化されたため、携帯電話の通話スペースに転用されています。持ち手にも禁煙マークが貼られていますね。

自由席車の車内です。リニューアルにより、座席モケットが貼りかえられています。


デッキ仕切りです。仕切り窓が左に寄っているのが特徴ですね。ドア上にはLED表示機が設置されています。


最前面デッキ仕切りです。JR四国の特急用車両は、大方2扉となっており、最前面にも出入り口が設置されています。一応前面展望も可能なように仕切り窓が設置されてはいますが、決して停車駅が少なくない予讃線特急列車の自由席、ラッシュ時を中心に人の出入りが多そうですし、デッキに人が溜まることも容易に想像できます。仕切り際に座った方と視線のかち合いが非常に気になる今日この頃。まぁ、乗車時に車内の様子がよく分かるというのは怪我の功名ですね。

天井です。照明は半間接照明となっています。荷棚は透明の板となっていて、荷物が下から見えるようになっています。


窓です。2席に1枚が割り当てられていて、日除けは横引き式のカーテンとなっています。


座席です。フリーストップ式のリクライニングシートとなっています。付帯設備はシートバックテーブルと、跳ね上げ式のフットレストとなっています。少し体勢を変えたい時にいいですね。座り心地は柔らかめですが、振り子を作動していてもしっかりと受け止めてくれる、見た目は平凡ながら中々良い座席ですね。ただ、振り子車両の性か、気動車でもないのに窓側に配管ダクトが通っており、窓側席の居住性に一定の難を出していることが残念といえば残念です。


最前面デッキ仕切り際は固定テーブルとなっています。


かつて走行中の車内における無線LANの試験が行われていた関係で、一部デッキ仕切り際の区画はノートパソコンを置けるくらいの大型折り畳みテーブルとなっています。


「パソコン電源」として、コンセントが2口用意されています。なにやら、家庭のコンセントみたいな見てくれですね(^^;; ただ、ここに2口設置しても、通路側の人はコードを窓側の人の下なり上なりを通過した上で通さなければならないわけで、それは車内で過ごす環境としては好ましくないと思われます。というか、うかつに窓側の人がフットレストに脚を載せようものなら、コードを引き抜いてしまう可能性も考えられます。恐ろしい・・。これらのことを考えてもこの設置位置はダメダメと言わざるを得ず、実質窓側専用と化しています。


続いて指定席車へと参ります。指定席車はかなり手を加えられていて、木目を意識した肌色が目立つ色使いです。ドアにも青と白のグラデーションに、イラストが追加された化粧板となっています。・・自由席車を見ていると、「ああ、資金足りてなかったのかなぁ」とか色々と考えてしまいます(^^;;


ゴミ箱はビン・カン用の穴が増設されました。ただ、それらの表記が一切無いのが不親切ですね。



自動販売機です。元々公衆電話や車販準備室などがあった場所を転用しています。


トイレです。こちらも角や手すりを中心に、木目のパネルを採用しています。実は床面もフローリングになっています。


洗面台です。三面鏡ではなく1枚鏡となっています。両側にはスリット入りの照明、上部にはしおかぜのロゴが入っていますね。



水受けは陶芸のようなイラストが入れられています。


他にもいくつかデザインがあります。


ドアを挟んで向かいにある、謎のコーナー。ここで携帯電話での通話などをして欲しい、という気持ちがあるのでしょうが、広告枠に何も入っていないためになかなか殺風景な区画となっています。JR九州であれば、ここに自作のポスターイラストなどを入れてるでしょうね。


自由席車と指定席車との境界。明らかな格差構造が見て取れますね(^^;;


いよいよ車内です。指定席車は化粧板張り替えのほか、座席も全て交換されています。


デッキ仕切りです。仕切りドアは自由席車とは違い、窓が中央に配置された長いタイプで、黒色でキリリと引き締めています。


天井です。照明は半間接照明のままとなっています。


窓です。カーテンの柄が明るい色のものに交換されています。


座席です。先述の通り、座席が新品に交換されています。JR四国では、2000系気動車が登場した際、FRPによるバックシェルを仕込んだ座席を搭載し、N2000系登場時は一般的な座席に戻していたのですが、リニューアルに際しウッドシェルという形で復活しました。木材をこのように加工するのは、実は結構難しかったり・・。ちなみに、改座により漏れた座席の一部はここに転用されています。なお、画像は「いしづち」で運用されている車両で、1両のうち半分が指定席となっている関係上、この座席に自由席として座ることも出来ます。が・・。


そしてこちらが指定席に宛がわれている座席です。区別のため、ヘッドレストリネンが紅色に「指定席」と書かれたものになっています。

こちらは、とある座席の座面です。通路側の座面が、しっかりセットされていないのか前方向に傾斜が付いています。全ての座席がこうなっているわけではないのですが、これ、座席で一番やっちゃイケナイことです。座り心地ですが、クッションが柔らかいを通り越してスカスカです。また肘掛も木目を意識した色に塗られてはいますが、見るからにプラスチッキーで安っぽく見えてしまいます。まだ自由席車の方が安心して座れるような気がします。


デッキ仕切り際のテーブルは折りたたみ式で、広げていなくてもペットボトル程度は置けるようになっています。こちらも広げればそれなりの大きさになるので、ノートパソコンを使用することも出来ます。


コンセントもこの通り。相変わらず窓側に2口設置されていますが・・。

こちらは「しおかぜ」に運用される車両にいる青系の座席。ウッドシェルとの組み合わせはこちらの方が似合ってますね。座り心地はさして変わりません。なお、こちらは1両丸ごと指定席のため、リネンの区別はありません。


続いて半室グリーン車へと参ります。最前面の出入り口はグリーン車らしく、トーンを抑えた色でまとめています。

流線型先頭車の眺めがこちら。運転台が割と高い位置にありますが、視界悪くないですかねぇ?(汗)


半室グリーン車の車内です。2+1列配置で座席が並ぶ四国ではよく見かけるものですね。


デッキ仕切りです。本来、グリーン車はエクストラチャージによるアップグレードにより、静粛と安息を提供するクラスである関係上、通り抜け等を防止するために行き止まりとすることがセオリーなのですが、どういうわけか最前面にも出入り口があります。そしてやはり前面展望を重視したと思われる仕切り窓。。半室のみしか設定されていないところを見ても、わずかに存在するグリーン利用客のために「とりあえず設定しました」感を非常に強く受けてしまいます。

天井です。照明は間接照明のみとなっています。全体的にツルンとした印象で、どうも安っぽさがぬぐえません。


間接照明の照度不足を補うため、荷棚に読書灯が設置されています。


座席です。こちらもリニューアルにより座席が交換されており、リニューアル前は2000系気動車のバックシェルを取り払ったような座席が設置されていました。・・ええ、もう早速突っ込みどころ満載ですね。ここまでご覧になられている方ならもうお分かりだと思いますが、基本的なシルエットは上で紹介した指定席車の座席そのまんま、悲しいかなテーブルの大きさもサイドアームレストも全くそのまんま、何が違うって座席の横幅とセンターアームレストを広げただけです。


反対側の一人掛けです。


全展開してみました。座り心地はというと、指定席と比べればクッションは多少しっかりしていますが、形状はというと分かりやすく言えば \_ で、2000系気動車で見ることが出来た腰周りのクッション性というか身体に追従する形状とは言えません。そして、他の特急形車両のグリーン席の記事をご覧頂いた方で、勘が良い方であれば「あれ、全展開の図なのに、フットレストの展開を忘れている・・。」と思われたでしょう。この座席、なんとフットレストを下で固定することが出来ません。普通、「特急形車両のグリーン席」といえば、まずフットレストを降ろすためのペダルがあり、更に土足・土足禁止面の二面構成になっているのが現在の主流ですが、この座席ではそれらの類が一切有りません。というか、フットレストまで普通車と全く同じだし。ということは、脚を上げてフットレストを降ろすという、本来グリーン車で行うはずの無い不恰好な動作をしなければなりません。下手したら展開したシートバックテーブルに膝がぶつかり、テーブルがひっくり返るという大惨事も考えられます。なぜこれほどまでに何も考えちゃいないグリーン席になってしまったのかが謎です。グリーン席は「デカけりゃいい」ってもんじゃないでしょうに。


1人掛け通路側のサイドアームレストです。これ、本来であればリクライニングボタンが仕込まれるであろう場所で、2人掛けとパーツの形状を同一にして、なるべくコストを抑えようとした結果といえます。そのボタンが無い穴はというとシールで塞いでいます。この貧乏くささは如何に。僕はバースデーきっぷで利用した身ですが、正直言って、正規でのグリーン料金が泣けてくる残念さです。これらの反省があったのか、コストの更なる圧縮のためなのかどうかは分かりませんが、2000系気動車のリニューアルでは、全車両の座席フレーム自体はそのままで、モケットやクッションの張り替えに留まっています。


デッキ仕切りの座席に関しては、リニューアル前のフットレストユニットがそのまま残っており、ここでは上で散々ぼろっかすに書き散らしたような惨劇は起こりません。しかし、土足禁止面などのモケットまでそのままにすることは無かろうに・・。テーブルは折りたたみ式です。しかし、なぜここは大型テーブルになっていないのでしょうか・・。色々な面でリニューアルが中途半端に終わっている気がしてならないです。結果として、リニューアル前の座席が残る普通車自由席が一番、ハード面での費用対効果の観点でおススメであると言えるでしょう。


最後に、振り子車両の記事ではおなじみ、エグい絞込みです(苦笑)



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