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阪急9300系

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車内観察日記

2003年に名車、6300系を置き換えるために登場した京都線用車両です。クロスシートを装備していますが、3扉になり河原町方車端部がロングシートになったりと、特急用車としてはどうでしょうか(^^; どちらかといえば、快速急行などに運用されている方がお似合いだと思っている京都線ユーザーです(^^;; この系列から製造がHITACHIに変わりました。A-Trainベースの車両だけに、車内を見てもどことなくその片鱗が・・。早朝は快速・普通運用、朝夕ラッシュ時は通勤特急快速急行、昼は特急運用、夜は準急などと、時間や曜日によってそれぞれ顔を変えて幅広く運用されています。


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試作車的位置づけのトップナンバー9300Fです。前照灯が分離しているのが特徴です。車内も試作車らしく相違が存在しますのでまたそれは後ほど。

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こちら二次車の9301Fと9302Fの前面です。前照灯が一体化されました。この時点ではまだ行先・種別表示は幕式のままですね。

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9303F以降は9000系が登場してから製造されたので、各部の仕様が統一されています。前面の特徴は行先・種別表示がLEDになったことでしょうか。このように、大きく3つに分類できるので、それぞれ紹介していきます。


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車内全景、まずはトップナンバーの車内です。統一車体を利用しながらも阪急の独自性が強い雰囲気に仕上がっている3扉セミクロス車です。

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お次は9302Fまでの車内。ある場所が少しだけ変わっています。

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こちらは三次車以降の車内です。

さて、3枚で間違い探しができそうな感じですが如何でしょうか(^^;;


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ドアです。5000系リニューアル車から導入されている窓が非常に大きなものです。お子様でも比較的気軽に外を見ることができるようになっています。ドア横の握り棒は「の」の字型のA-Train共通のものになっています。「握りづらい」のですが、東京メトロ10000系など、他会社がここを銀色の素材そのままとしているところを、阪急ではブロンズ色で塗装しています。標準部品を使用しながらも安っぽく見せない工夫がされています。

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二次車まではドア上の案内がLED式になっています。8000系列最終増備車ではなかなか見やすい大きなものでしたが、こちらはえらく小さいものとなっています。恐らくこの表示機上部がすぐに天井に向けて曲がっていて、大きくすると出っ張ってしまいデザイン性を損ねてしまうということなのでしょう。しかし小さいなぁ・・


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三次車からは9000系同様にLCDディスプレイが設置されました。他社のような画一的なデザインではなく、外面の方向・種別表示に合わせたものになっています。こちらもこだわりですね。右側で運行案内、左側で沿線情報などを流しています。


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順番が逆ですが、三次車の天井です。つり革の支持棒の真上に冷房吹き出し口があります。荷棚は角型の棒を枕木方向に並べたものです。ラインデリアはドア横の握り棒同様にブロンズ色に塗られた高級仕様ですが、実際に風が来るのは車端部のドア付近だけで、あとはダミー同然ですね・・。照明は料金不要の車両にして間接照明です。新幹線などで使われている照明方法が阪急でも使われています。以前のカバーが難燃性基準により使えなくなったために出した阪急の答えの一つですね。さすがです。


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ただし詰めが甘いぞ阪急。外から見てみると蛍光灯が丸見えです。もう少し覆いが足りないのが残念です。

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こちらは二次車までの荷棚です。すりガラス状の樹脂板の上に小判型の穴の開いた板を乗せることにより、荷物に耐えられるだけの強度と下からの視界を確保しています。

ですが埃が溜まってしまいそうで心配になってしまいます(^^;; そのために三次車ではあの形になったのでしょうね。


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貫通扉です。こちらは一次車です。窓がびっくりするほど大きいです(^^;; この大きさは鉄道車両ではトップクラスではないでしょうか。


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そしてこちらが二次車以降の貫通扉です。こちらも色合いが違ってしまってますが実際は全く一緒です。一次車とは違い元の形に先祖がえりしてしまいました。いや、それでも十分視界は確保されていますが(^^;; 従来幌の中には蛍光灯が設置されていましたが、9300系では廃止されてしまいました。


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さてこの貫通扉、通勤電車では北大阪急行8000形以来の自動開閉装置がついています。もうなんというか、すごいよね、これで料金不要ですよ! ハンドルを軽く握るとドアが開きますと書いてますが、その実左側に赤外線のセンサーがあり、それで開くようになっています。要するに、その赤外線を遮るだけでもしっかりドアは開きます。

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座席です。まずは転換クロスシートから。以前のようにとにかく柔らかいアンゴラ山羊の毛を使った座席ではなく、成形ウレタンで作られた座席はほどよい硬さです。一本足での支えになっており、ここもHITACHIが作る転換クロスシート車と同様の部品を使用しています。ヘッドレストカバーは8000系までのようなビニールではなく触り心地のよいツルツルしていないレザーとなりました。そして肘掛は木製です。


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窓側には肘掛がなく、窓の桟がその代用になるのですが、肘掛として使うには妙に狭く、物を置いたときに滑り落ちないようにでっぱりがあるためにそれが刺さります。更にアルミ地そのままなので、日が当たると熱く、冬は冷たくなります。そして極めつけはカーテンがしっかりついているものの、カーテンを下ろすとこの窓の桟、使えなくなります。色々とポカをやってのけてくれました。窓が大きくなっていることは評価できますが、もう少し桟を大きくするなど、ここは要改善です。


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ドア横は固定クロスシートです。ヘッドレストが垂直に向けられているため自然な姿勢で座れます。どうも阪急は知ってか知らずか、固定クロスシートに力を入れる傾向があるようです。しかし窓側は戸袋のせいで先ほど散々文句をつけた肘掛すら使用できません(^^;; 個人的にこの固定クロスシートは戸袋の壁にもたれて寝るために座るのが最善だと思っています。転換クロスシートよりよく寝れますよ、これ。

先述した一本足ですが、この固定クロスシートにも採用されています。故に真冬の運用ではドアが開くたびに寒風が足元を吹き抜けます。ヒーターの効きも弱いのでものすごく寒いです。ここはフルカバーにしておくべきだったのではないでしょうか・・。


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梅田寄り車端部のボックスシートです。座り心地自体はドア横の固定クロスシートと同一です。また補助椅子も設置されており、平日朝ラッシュ時、梅田方面行きの一部通勤特急快速急行ではロックされており、取っ手右上の表示が「×」に光ります。・・梅田方面ホームの案内上では。一度梅田7時7分発通勤特急河原町行きで意地悪な車掌さんがここをロックしていたことがありました。ええ、毎日ここを使っている人々は戸惑いとがっかりの表情を浮かべていました。まぁ、散々途中駅で「混雑した車内での補助椅子の利用はご遠慮ください」とアナウンスしていますからねぇ(^^;; そしてここにも一本足の弊害が。寒風が吹き抜けるのは勿論のこと、補助椅子を開いて座るときの振動がモロにボックスシートに響きます。これ一番やっちゃだめ。やはり一本足の分、二本足の構造に比べると脆いのは目に見えています。

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この補助椅子、座面を降ろすと背もたれが出てくるのですが、あと一歩足りなくて結局座ると木の縁が当たって痛い目に遭う飛んだ寝ぼすけさんです。設計段階でのボンミス級の作りになってしまったのが残念でなりません。このような構造なのであれば、せめて上部にモケットを貼る、といった配慮が欲しいところです。


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続いて河原町寄り車端部のロングシートです。優先座席が復活した際、原則神宝京方に設けるとされたのはこの9300系のせいではないかと思っています。画像はトップナンバーのロングシートです。窓が大きくなったしわ寄せとして、背もたれが極端に低くなっています。横揺れに対して体を支えることが難しく、姿勢を崩して座るとずるずる前へ滑っていきます。なおかつ画像は車椅子スペースとするために収納することができるようになっているため座面が極端に薄く作られており、肘掛もご覧の通りです。真冬などなかなか寒くなる時期にこれはごめん被りたい。


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そしてこちらは二次車のロングシートです。やはりトップナンバー車のロングシートは不評だったのか、肘掛が袖仕切りとなり、更にモケットとゴツゴツした樹脂性のあわせ技とした大型の仕切りも取り付けられました。これで外気を幾分遮断できますし、立ち席との分離も図れますね。最近様々な鉄道会社で発生しているちょっとだけ窪みがあるものの居心地がよろしくない仕切りにしないところに阪急の意地を感じます。幾分進歩しましたがやはり背ズリが低いままで死んでいます。


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そして三次車にてようやくこの9300系のロングシート問題はほぼ解決することになります。二次車でそれなりに改善されはしましたがやはり背ズリに問題があったようで、9303Fからは窓にスペーサーを入れることにより以前の阪急と同等のロングシートのレベルにまで戻りました。そして手前の座席は「収納式のロングシートとしては」全国屈指のレベルにまで成長したといっても過言ではありません。悪くないです。


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こちらが座席を上げた状態です。どこも同じだとは思うのですが、こうやって実際に座面を上げて使用しているところを僕は見たことがありません。車椅子スペースを有する他系列がすべて立ち席スペース兼用としている中、やはり6300系の後継車として、特急用車両としてなるべく座席数を確保したかったという事情があったのでしょうか。


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壁際のドアップ。戸袋になっていようがなっていまいが肘を逃がす余裕がありません。せめて戸袋になっていないこの場所くらい内側の窓取っ払ってくれてもよかったのではないかと感じる今日この頃です。


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最前部のロングシートです。6300系に見られた「袖仕切りをクロスシートに近づけてなるべく格差を埋めるサービス」はこの系列には受け継がれませんでした。画像は二次車までのものです。相変わらず背ズリが低い・・。そしてパイプが他の車両と比べると妙な伸び方をしています。

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こちら三次車以降のロングシート。背ズリがかさ上げされました。こちらの袖仕切りは前面展望を優先したか、車端部の豪華なものではなく、阪急でよく見ることができる一般的なものになっています。


管理人もそうですが、決して悪いことだけではなく良い部分があるものの、悪い部分ばかりが目立ってしまっているという評価となってしまった9300系。2013年でトップナンバーの登場から10年が経とうとしてますが、あと四半世紀以上は京都線の顔として走り続けることでしょう。



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